~連合 第2回マタニティハラスメント(マタハラ)に関する意識調査~
マタハラ認知6割に上昇、約3割がマタハラ被害経験
すべての働く人たちのために、雇用と暮らしを守る取り組みを進める日本労働組合総連合会(東京都千代田区、会長 古賀伸明、以下連合)の非正規労働センターは、6月10日(火)、11日(水)の2日間働く女性を取り巻く3大ハラスメント(セクハラ・パワハラ・マタハラ)や非正規雇用者などからの相談をうける「連合女性のための全国一斉労働相談ダイヤル」を実施するにあたり、昨年から注目を集めている「マタニティハラスメント(マタハラ)」の実態に関する第2回の意識調査を行いましたので、お知らせ致します。
【調査概要】
□実施期間:2014年5月27日~5月29日
□手法:インターネット調査(クロス・マーケティング)
□母集団:全国在住で現在在職中の20代~40代女性634名
非正規社員:正規社員=311:323、在職中の妊娠経験あり:なし=319:315、お子様は小学生以下
-------------------------
調査結果抜粋
-------------------------
~マタニティハラスメント(マタハラ)に関して~
◆「マタハラ」という言葉を知っている 62.3%(昨年20.5%)
◆自分が「マタハラ被害者」 26.3% (昨年25.6%)、周囲に「被害者」 27.3%(昨年23.2%)
◆マタハラの原因
1位 男性社員の妊娠出産への理解不足・協力不足 66.1%
2位 フォローする社員への評価制度や人員増員などケア不足 39.3%
◆マタハラ報道をうけての変化
1位 自分で調べてみた 29.5%
2位 社外の友人などとその話題を話した 23.4%
→この他、職場で共有したり、対応が変わったり、相談窓口にいったりといった変化も現れた
◆マタハラを改善する方法
1位 企業内での制度整備と、企業の理解促進 51.9%
2位 育児に携わった女性の管理職・経営陣への登用 51.1%
→男性の育児参加制度整備や空気づくり、育児に携わった男性の登用への期待も高く表れた
~女性を取り巻くハラスメント~
◆セクハラ・パワハラの被害 49.2%、
ハラスメント状況の改善実感は3割のみ、変わっていない 48.6%
◆実際、ハラスメントを受けた時の対応
1位 我慢した 31.4%、
→「諦めて辞めた」は非正規社員の方が正規社員の2倍となった
◆今、あなたがハラスメントを受けたらどうする?
1位 会社と交渉したり環境を良くするのは大変だから仕事を辞めると思う 21.8%
2位 今の仕事や会社が好きだから、会社や周囲に働きかけて改善していこうと思う 18.9%
3位 外部の機関や相談窓口に相談すると思う 17.5%
→正規社員は「環境改善」に取り組む傾向が高く、非正規社員はその立場から「辞める」を選ぶ傾向が高い
~「女性の貧困」に関して~
◆女性の貧困
いつか自分も貧困になるのではと不安 65.3%
すでに貧困に陥りつつある 11.8%
~女性が働くことと子育て~
◆働きながら子育てをしたい 81.3%
◆子どもを預ける環境は、キャリア形成に影響がある 93.1%
◆キャリア形成への影響
1位 時短など働き方を変える 61.1%
2位 雇用形態を変えざるをえなかった 32.4%
3位 会社を辞めざるをえなかった15.0%
◆キャリアへの影響を軽減するには?
1位 託児施設の増設・増員 53.1%
2位 託児時間の延長対応など柔軟化 48.9%
3位 託児費の補助金 41.0%
4位 夫が育児参加できる環境整備 39.6%
~調査で寄せられた自由回答~
働くことと子育てに関する働く女性の声
●とにかく母親への負担が大きすぎる。子どもの急病時に呼ばれるのはまず母親だったり、仕事と育児と家事で休む暇がない。(31歳 近畿 パート・アルバイト)
●保育料が2人目が半額といっても1人目の保育料が高いので負担が大きい。負担が大きいから残業をしたいが、延長保育や休日保育の時間が短いのでなかなか残業もできない。(35歳 中国 正社員)
●子供が病気になった時いつも迎えにいくのは母親に集中してしまいがち。そうなると職場を早退したり休んだりする頻度は必然的に増えるので周りの社員の目が気になるし、病気の時預ける施設が少ないから困った。
(30歳 中国 正社員)
●保育園の空きがなかったり夜遅い保育(民間)は値段が高かったり、仕事の収入と保育料があまり変わらなかったりと働きに出にくい感じがあります。(26歳 関東 パート・アルバイト)
●民間サービスやベビーシッターは安心して子供を預けられるかの情報がなく判断が難しい。 (36歳 関東 正社員)
●子どもを保育園に預けるには、9月ごろに4月の就業証明が必要。でも子供を預けられないので、9月の時点では働けない。9月に仕事の面接をして4月から採用なんてのは正社員じゃなきゃありえない。しかも保育園の入所が決まるのが2月ごろなので、もし定員で保育園に入れなかったらせっかく4月からの就業証明をもらっても働けない。子どもを連れてだと仕事の面接もいけないので、何もかも矛盾している。子どもを預け始めてから就業証明書を提出するように変えてほしい。(25歳 中部 パート・アルバイト)
●私自身院内保育で保育士をしていた時、院内保育での虐待が発生し、児童相談所へ通報したことがある。人間関係も最悪だった。請負会社からの給料も待遇も悪く保育士のストレスと人員レベルの低下もあった。(39歳 中国 自営業)
<<女性のための全国一斉労働相談ダイヤル>>
■開催日時:6月10(火)、11日(水)10時~19時
■ダイヤル:0120-154-052
労働相談ダイヤルは組合の有無や雇用形態によらず、全ての「働く女性」から相談をお受けします。また、この番号は労働相談ダイヤルとして常設されていますが、期間中は「受付時間の拡大」、「女性相談員の増員」など、女性の労働相談の受付態勢を強化しています。
>> 女性のための全国一斉労働相談ダイヤル 詳細
>> リリース詳細はこちら(PDF)
>> アンケート調査詳細ページ(連合HP内)(PDF)
>> アンケートグラフ画像をご入用の際はこちらからご利用ください。
(日本労働組合総連会 http://www.jtuc-rengo.or.jp/ / 6月6日発表・同組合プレスリリースより転載)