矢野経済研究所、EAPサービス市場に関する調査結果2014
~メンタルヘルス対策への意識の高まりや法規制の影響で市場は拡大が続く~
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内のEAPサービス市場の調査を実施した。
1.調査期間:2013年12月~2014年3月
2.調査対象:EAPサービスを提供する主要事業者等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査を併用
<EAPサービスとは>
EAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)サービスとは、企業や団体などの従業員のメンタルヘルス上の課題(職場内での問題だけでなくプライベートの悩みを含む)を、カウンセリングなどを通じて解決に導き、組織の活性化や生産性を高める就労環境支援サービスである。
本調査におけるEAPサービス市場とは、職場環境の改善を目的とした従業員のメンタルヘルス支援を請け負うサービス事業者のアウトソーシングサービスを指し、ストレス診断や産業医カウンセリングのほかに、専門医(医療機関)紹介、復職支援・再発予防、研修・トレーニング、組織調査・分析・改善コンサルティングなどのメンタルヘルス対策に関する周辺業務を対象とし、市場規模を算出した。
【調査結果サマリー】
◆2012年度のEAPサービス市場規模は202億円、前年度比3.1%増
2012年度の国内のEAPサービス市場規模は、前年度比3.1%増の202億円(サービス事業者売上高ベース)となった。リーマン・ショック後、ユーザー企業のコスト見直しなどの影響でサービス単価下落が進んだものの、景気回復に合わせてEAPサービスを導入する企業が増え、再び成長軌道を描いた。企業や団体におけるメンタルヘルス対策が「従業員のパフォーマンスを向上させる投資」という認識が広がり、メンタル疾患の予防対策は経営戦略上の重要なリスクマネジメントであるとの考え方が浸透し、それらの意識が市場を底上げした。
◆労働安全衛生法の改正により、EAPサービス需要の取り込みが活発化する見込み
EAPサービスは、社会的な背景や法的規制の影響を受けてサービス内容が拡充されてきた経緯があるが、現在も国が主導して過重労働対策や医療費の削減に向けたメンタル対策を推進している。今後、労働安全衛生法が改正されると、需要の取り込みに向けたEAPサービス事業者の動きがますます活発になると考える。
◆2013年度のEAPサービス市場規模は208億円、前年度比3.0%増と予測
EAPサービス市場は、サービス需要の拡大やサービス内容範囲の広がり、そして法整備の動向など成長要因は多く、中期的には拡大基調が続くと考える。2013年度のEAPサービス市場規模を前年度比3.0%増の208億円(サービス事業者売上高ベース)と予測する。
◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社矢野経済研究所 http://www.yano.co.jp/ /4月16日発表・同社プレスリリースより転載)