野村総合研究所が子どもを持つ親を対象に
「企業における育児支援制度」アンケートを実施
野村総合研究所(東京都千代田区、藤沼彰久・社長、以下「NRI」)は、企業で働く小学校3年生以下の子どもを持つ親を対象に、「企業における育児支援制度」に関するアンケート調査を2006年1月18日〜23日に実施しました。
その結果、仕事と育児のバランス(ワークライフバランス)に関しては、小さい子どもを持つ30〜40歳代の企業で働く女性は「子育てを優先して仕事をしたい」と考える人の割合が多い一方で、仕事を継続したいという意欲は極めて高いことがわかりました。また、男女とも企業の育児支援制度に対する期待と不満がいずれも高く、よりよい育児支援制度構築のためには、育児支援制度の活用を促進する環境整備や受益者側の積極的な関与が重要になるとNRIはみています。
本アンケート調査を分析したところ、「次世代育成支援対策推進法」(以下「次世代法」)の施行については、「知らない」と回答した人の割合が77%になり、男女別、企業の規模別、業種別、で見た場合も大きな差異はありませんでした。また、自身が勤務する会社で「次世代法」の施行に伴って新たな育児支援策が導入されたかについても「気がつかなかった」という回答が40%と多くなっています。つまり、法制度や施策の“当事者”でありながら政府や企業の取り組みに無関心である、という傾向が浮かび上がっているといえます。
一方で、自身が勤務する企業が実施している育児支援制度については、「満足」と感じている人は1割にも満たず、「不満」(37.5%)という回答を大きく下回りました。満足していない理由を尋ねたところ、「効果はあると思うが、実際に利用するのは難しいから」との回答が67%と最も多くなっています。企業の子育て支援策に対するニーズに関しては、「子どもの看護休暇(有給)」を望んでいる声が高くなっています。属性別に見ると、共働きの女性では91.4%、共働きの男性では79.3%、近くに子どもを預けることのできる親や親類がいない共働きの女性では93.7%、という高い割合になっており、極めて切実な要望であることが分かります。
次に、仕事と育児のバランス(ワークライフバランス)に関して質問したところ、男性については「子育てと仕事を両立」という考えが最も割合が高く(54.7%)、その傾向は年齢層に関係ないものとなっています。女性については年齢層によって傾向が異なり、20歳代は男性と同様に「子育てと仕事を両立」が最も多く、30歳代、40歳代になると「子育てを優先して仕事をしたい」との思いのほうが強く出てきています。また、仕事の継続に関しては87%の女性が今後も仕事を続けると回答しています。その理由としては「仕事を続けなければ生活していけないため」が65.8%と最も多いのですが、次いで「専業主婦には適していないため」(36.5%)、「自分のキャリアアップのため」(30.2%)の割合が多くなっており、自分自身のために働くという意識をもつ女性も多くなっています。逆に、「子育てが大変なので会社を辞める」と考えている女性はわずか2.8%であり、仕事の継続意欲は大変高いという結果となっています。
本調査結果から、NRIでは次の2点が重要なポイントとしてあげられると考えています。一つめは、小さい子どもを持ち企業で働く人の育児支援制度に関する意識についてです。仕事と育児の両立や仕事の継続に関して高い意欲を持ち、企業の育児支援制度に関するニーズも高いにもかかわらず政府や企業の動向に関心が低いという結果が出ていますが、よりよい制度の整備に関しては、子育てをしながら働く人たちの積極的な関与(関心を寄せ意見を明示することなど)が今後はますます重要になってくるといえます。
二つめは企業側の取り組み方についてです。子どもを持ちつつ働いている社員の育児支援制度に対するニーズは高いのですが、満足度は低く、その最も大きな理由が“制度を利用しにくい”というものでした。このことは、企業は育児支援制度そのものの構築・整備に加えて、制度を活用しやすくする環境の整備や企業風土の醸成に力を入れて取り組む必要があることを示唆しています。企業は、今後の目標を“制度の整備”から“制度の活用度合いの向上”、言い換えると“対象者である従業員満足度向上”に切り替えていくことが急務であるといえるでしょう。
【「企業における育児支援制度」に関する調査 】
■ 調査実施日時 : 2006年1月18日〜23日
■ 調査方法 : インターネットリサーチ「TRUENAVI」により実施
■ 回答数 : 1,000(回答者属性、調査詳細データなどは
http://www.nri.co.jp/publicity/nr/pdf/nr20060224.pdf 参照
(野村総合研究所 http://www.nri.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・2月27日)