「平成23年版 働く女性の実情」について(厚生労働省)
厚生労働省は、本日、「平成23年版 働く女性の実情」を公表します。
「働く女性の実情」は、政府や研究機関等の各種統計調査を用いて、働く女性の状況等を分析した報告書で、昭和28年(1953年)から毎年公表しています。
全体は2部構成で、I部第1章では、就業状況や労働条件など、働く女性に関する状況をまとめています。毎年テーマを決めて執筆するI部第2章では、「女性の継続就業~全員参加型の社会を目指して」と題し、急速な少子高齢化が進む中、全員参加型社会を目指す上で女性の就業継続に影響を与える要因や仕事と家庭の両立支援の状況などについて分析、検討しました。またII部では、働く女性に関する厚生労働省の施策をまとめています。
【I部第2章のあらまし】 (括弧内は概要版の掲載ページ)
○女性の就業継続に影響を与える要因
・育児休業制度の規定が整備されている事業所における育児休業取得者割合は85.2%と、整備されていない事業所の割合61.3%に比べ高い割合になっている。また、育児休業制度があり、制度を「利用しやすい」雰囲気があると、81.8%の女性が同じ仕事を継続している(P.15、16)。
・子どもを持つ前後で管理職昇進や専門性向上等に関するキャリア意識が変わった人に理由を尋ねると、仕事のやりがい・評価や職場の両立支援のあり方が影響していることが分かる。特に「昇進や専門性の向上に興味がなく仕事以外の生活を充実させたい」に変化した者(女性正社員)については、「残業など長時間働くことができないと評価を得られないから」(24.4%)、「仕事と育児との両立について、職場や上司の理解が得られないから」(23.1%)、「育児中の社員は、やりがいや責任のある仕事ができないから」(22.5%)などを挙げる者が多い(P.19~21)。
・両立支援制度利用者のキャリア形成支援のため、「育児休業の取得前、休業中、復帰直前などに面談を行っている」、「育児休業中に情報提供を行ったり、コミュニケーションを図っている」とする企業がある一方、半数の企業は特に行っていない(P.23)。
○女性の継続就業、活躍推進に向けた方策(まとめ)(P.26、27)
・育児休業制度など両立支援制度の活用に当たっては、社内規定の整備や制度内容の周知とともに、制度を利用しやすい雰囲気づくりが必要。
・継続就業を進めるには、仕事と家庭の両立支援のみならず、子どもの誕生や育児休業復帰後も仕事へのモチベーションを維持・向上させ、キャリア形成できるよう、支援していくことが重要。
・仕事の割振りや評価のあり方が適切か見直すこと、仕事と家庭を両立しながらのキャリアビジョンを描けるようにしていくことなども今後の課題。
○ (別添)「平成23年版 働く女性の実情」(概要版)(PDF:855KB)
「平成23年版 働く女性の実情」本文はこちら
○ (本文)
◆ 詳しくはこちらをご覧下さい。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/ /7月6日発表・報道発表より転載)