石綿による肺がんなどの労災認定のための新たな要件を示します(厚生労働省)
~「石綿による疾病の認定基準に関する検討会」報告書を本日公表~
厚生労働省の「石綿による疾病の認定基準に関する検討会」(座長:森永謙二 中央労災医員)は、本日、報告書を取りまとめましたので公表します。
この検討会は、平成22年5月に設置され、石綿による疾病の労災認定について、新しい医学的知見などを踏まえた検討を行ってきました。その結果、石綿による肺がんとびまん性胸膜肥厚の認定基準について、以下のように新たな要件を報告書内で示しました。
<石綿による「肺がん」に関して>
現在の認定基準(平成18年2月策定、労働基準局長通達)に加え、
(1) 石綿紡織製品製造作業など※1の石綿ばく露作業に5年以上従事した場合
(2) 胸膜プラーク※2が広範囲に認められる場合
(3) 石綿によるびまん性胸膜肥厚※3に肺がんが併発した場合
を新たな認定要件として示しました。
※1 石綿紡織製品製造作業、石綿セメント製品製造作業、石綿吹付け作業の3作業
※2 肺を覆う胸膜の一部が白板状に1~10ミリほど厚くなる病変
※3 肺を覆う胸膜が広範囲に肥厚して癒着する疾病
<「びまん性胸膜肥厚」に関して>
定義を明確に示すと共に、診断方法を新たに示しました。
また、肥厚の厚さについては認定要件としないことを示しました。
厚生労働省では、この報告書を受け、速やかに石綿による疾病の労災認定基準を改正し、石綿による疾病を発病された方に対して、一層迅速・適正な労災補償を行っていきます。
○ 報告書(肺がん関係)のポイント(PDF:149KB)
○ 報告書(びまん性胸膜肥厚関係)のポイント(PDF:135KB)
○ 報告書(PDF:1,310KB)
◆ 詳しくはこちらをご覧下さい。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/ /2月21日発表・報道発表より転載)