キャリアとつながりに関する意識調査
20〜30代の半数以上がリファラル転職の誘いを経験
経験者の約8割が「長く勤めたい」と回答、定着率向上への期待高まる
── 次世代キャリア研究所 × 僕と私と株式会社共同調査 ──
YOUTRUSTが運営するシンクタンク「次世代キャリア研究所」は、Z世代向けの企画・マーケティングを行う『僕と私と株式会社』と共同で、20〜30代(Z世代・Y世代)の転職経験者500名を対象に「転職活動とつながりに関する意識調査」を実施しました。
転職市場が活性化するなか、採用ミスマッチや早期離職が多くの企業で課題となっています。本調査では、その解決策として注目される「リファラル採用」の実態と意識を調査。その結果、20〜30代の半数以上(53.0%)がリファラルでの転職の誘いを受けた経験があり、リファラル応募経験者の約8割(77.6%)が「長く勤めたい」と回答していることが明らかになりました。さらに、リファラル応募経験者の約9割(88.8%)が自らも知人を紹介した経験を持ち、経験者が紹介側に回る「好循環」が生まれている実態も浮き彫りとなりました。
■ 本調査の背景
終身雇用の変化や転職の一般化に伴い、働き方の選択肢は年々広がっています。一方で、企業にとっては採用後のミスマッチや早期離職が大きな課題となっており、新卒3年以内の離職率は3割超に上ります。
こうした背景から、従業員や知人を介して人材を採用する「リファラル採用」が注目されています。本調査では、Z世代・Y世代の転職経験者を対象に、リファラル採用の実態と意識を明らかにし、今後の採用戦略を考えるうえでのヒントを探りました。
1. 半数以上がリファラル転職の誘いを経験。世代を問わず、転職手段として定着しつつある。
「知人からリファラルでの転職を誘われた経験があるか」を尋ねたところ、全体の53.0%が誘いを受けた経験があることがわかりました。
世代別に見ると、20代で53.6%、30代で52.4%と、ほぼ同水準の結果となっています。社会人経験の長さやネットワークの広さに差があるにもかかわらず、リファラルでの誘いを受ける割合に大きな違いは見られませんでした。リファラル採用は特定の世代に偏った手法ではなく、若年層全体にとって身近な転職手段の一つとして定着しつつあることが示唆されます。
2. 全体の約半数が「知人のいる会社で働きたい」、リファラル応募経験者では約8割
「知り合いがいる会社で働きたいと思うか」を尋ねたところ、全体の46.4%が「そう思う」と回答しました。リファラル応募経験者では75.6%、未経験者では23.0%と、経験の有無によって約53ポイントの差が見られました。
この結果は、リファラル応募を一度経験した人ほど「つながり」を軸にした転職に価値を見出す傾向があることを示していると考えられます。
その理由としては、「知り合いがいると安心できるから」が26.3%で最多となりました。次いで「早く職場になじめそうだから」25.9%、「仲間と一緒に頑張れる環境が心強いから」25.0%、「ミスマッチのリスクが少ないと思うから」24.6%と続きます。
上位の理由を見ると、入社前に「実際に働くイメージ」を具体的に持てることへのニーズが強いことが読み取れます。求人情報や面接だけでは把握しづらい職場の雰囲気や人間関係、働き方のリアルを、知人を通じて事前に知ることで、安心感を得られる点や、ミスマッチを回避できる点が、リファラル採用の価値として認識されていると考えられます。
3. リファラル応募経験者の約8割が「長く勤めたい」── 定着率向上への期待
リファラル採用と入社後の定着意向の関係についても調査しました。
「リファラルで転職したら、できるだけその企業に長く勤めたいか」という設問に対し、全体では57.0%が「そう思う」と回答しました。一方で、リファラル応募経験者に限ると77.6%が「そう思う」と回答しており、未経験者の40.9%と比較して約37ポイントの差が見られました。この結果から、実際にリファラルでの応募を経験した人ほど、入社後の定着意向が高い傾向が明らかになっています。
前述のとおり、「知人がいる会社で働きたい理由」として「安心感」「ミスマッチ回避」が上位に挙がっていました。リファラルを通じて入社した人は、事前に職場の情報を得たうえで入社を決めているケースが多いと考えられ、入社後のギャップが少ないことが定着意向の高さにつながっていると考えられます。
4. リファラル応募経験者の約9割が「知人を紹介した経験あり」。紹介の「好循環」
「知人に対してリファラルでの転職を誘った・紹介した経験があるか」を尋ねたところ、全体では49.8%が「紹介した経験がある」と回答しました。そして、リファラル応募経験者に限ると、その割合は88.8%に達しました。
この結果は、リファラル採用において「紹介する側」と「紹介される側」が固定的な役割ではなく、相互に入れ替わる流動的な関係にあることを示しています。リファラルで良い転職体験をした人が、今度は自分の知人に同様の機会を提供する──こうした「好循環」が、リファラル採用のネットワークを自律的に拡大させる原動力の一つとなっている可能性があると考えられます。
企業にとっては、リファラルで入社した社員は将来の「紹介者」にもなり得るという視点が重要です。リファラル入社者の入社後体験を良質なものにすることが、次なる紹介につながり、採用の好循環を生み出す起点となると示唆されます。
■総括
本調査では、Z世代・Y世代の転職経験者500名を対象に、リファラル採用の実態と意識を調査しました。その結果、以下の3つの傾向が明らかになりました。
① リファラル採用はすでに「特別な手法」ではない
20〜30代の半数以上がリファラルでの転職の誘いを受けた経験あり。リファラル採用は一部の業界や職種に限られた手法ではなく、若年層にとってすでに身近な転職手段の一つとなっています。
② リファラル応募経験者は定着意向が高い
応募経験者の約8割が「長く勤めたい」と回答。入社前に職場のリアルな情報を得ることで期待値が適切に調整され、入社後のギャップが軽減されている可能性があります。
③ 紹介の「好循環」が生まれるポテンシャルがある
リファラル応募経験者の約9割が紹介する側にも回っており、良い転職体験が次の紹介につながる前向きなサイクルが期待できます。
転職市場が活性化し、キャリアの選択肢が広がるなか、企業にとっては「採用したい人材に出会えない」「入社後のミスマッチによる早期離職」という課題が深刻化しています。本調査の結果は、リファラル採用がこれらの課題に対する有効な解決策の一つとなり得ることを示唆しています。
また、リファラル採用の普及に向けては「紹介後の人間関係への配慮」「選考プロセスの透明性確保」といった運用面での工夫が求められます。こうした仕組みを整えることで、社員一人ひとりが安心して紹介に踏み出せる環境が生まれ、リファラル採用は単なる採用手法を超えた、組織の中長期的な人的資本への投資として機能していくと考えられます。
■次世代キャリア研究所 初代所長 吉野樹 コメント
私自身、知り合いからの紹介でYOUTRUSTに入社しており、リファラル採用はとてもポジティブな採用のかたちだと考えています。
知り合いを誘うことに心理的なハードルを感じる人もいるかもしれません。しかし今回の調査結果からは、「誰かから声をかけられること」を前向きに捉える"誘われ待ち"のスタンスが、20〜30代の中に確かに存在していることがうかがえました。つながりを起点にした転職は、無理に勧め合うものではなく、信頼関係の中で自然に選択肢が広がっていくものだと思います。
また、採用する企業側にとっても、広い意味での「知っている人」を採用できるリファラル採用は、近年ますます重視されていると感じます。
リファラル採用を「紹介する・される」という一方向の行為ではなく、キャリアの可能性を静かに開いておく手段の一つとして捉えること。それが、個人にとっても企業にとっても、より健全なキャリアビルディングにつながっていくのではないでしょうか。
本調査が、個人にとっては自分らしいキャリア選択を考えるきっかけに、企業にとっては採用と定着を見直すヒントになれば幸いです。
【調査概要】
調査名:Z世代・Y世代に聞いた!転職活動とつながりに関する意識調査
・対象条件:大卒/大学院卒の会社員で、直近5年以内に転職活動をしたことがある または 現在転職活動をしているZ世代(20~29歳)・Y世代(30~39歳)
・調査期間:2025年11月5日~8日
・調査方法:インターネットを利用したアンケート
・調査有効回答数:500人(Z世代:250人、Y世代:250人)
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社YOUTRUST /1月15日発表・同社プレスリリースより転載)
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