企業における従業員満足度調査の実施状況調査2024
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江、以下NTTコム オンライン)は、「企業における従業員満足度調査の実施状況2024」について調査を行いました。
調査では、従業員満足度調査(以下ES調査)を企業の担当者がどのように実施し、効果や課題を認識しているかを調査し、2023年1月に実施した同調査の結果と比較、分析を行いました。ES調査における、最近の傾向や課題についてレポートします。
■総括
(1) ES調査の実施率は約7割。実施率は横ばいも、実施頻度はやや増加傾向
企業の担当者に訊いたES調査実施率は68.9%となり、実施率そのものはほぼ前回調査時(69.2%)とほぼ横ばいの結果でした。ただし、実施企業の実施頻度は「年複数回」の実施が44.8%と前回調査時(41.7%)から+3.1ptとやや増加傾向がみられます。
(2) ES調査の実施は全工程で「アンケートツール」の導入が進む
ES調査の実施については、設計、実査(アンケートの実施・インタビュー)、結果の分析等、調査の全ての工程において「アンケートツール」を活用する企業が大きく増加しました。
調査の実施工程のうち、特に「実査」においては「他社が開発したアンケートツールを活用して自社で実施」が35.3%と前回調査時(27.8%)から+7.5ptと大きく増加。トップの「自社の内製作業」(36.7%)に迫る勢いです。
(3) 「アンケートツール」の活用によるES調査実施の満足度は高い
ES調査の満足度をみると、「調査の設計」や「結果の分析」に「アンケートツール」を活用した企業の満足度が全体的に高い傾向となりました。特に調査の活用に関わる「調査目的の達成度」や「調査結果の施策への反映度」で他の方法に比べ、高い満足度となりました。
(4) ES調査の課題は「自社の内製作業」「アンケートツール」ともに調査の専門スキル
ES調査の課題は「自社の内製作業」「アンケートツール」の活用ともに「自社内で、調査や設問設計の専門スキルが知識やスキル不足」が共通して課題の上位。
■調査結果のポイント
ES調査実施率は68.9%で前回調査時から横ばい。ただし、年複数回実施企業が+3.1ptと頻度がアップ
企業の担当者対象に実施した「従業員満足度調査の実施状況調査2024」において、ES調査の実施率は68.9%となった。2023年1月に実施した前回調査での実施率は69.2%であり、企業のES調査の実施率はほぼ横ばいだった。
ただし、ES調査の実施頻度をみてみると、「年1回実施する」との回答が前回の調査から3.6pt減少して53.9%、年複数回実施計は44.8%と3.1ptの増加となった。
ES調査の実施は全ての工程で「自社の内製作業」がトップもその割合がダウン。代わりに「他社開発のアンケートツールを活用して自社で実施」が大幅にアップし、導入が進む
ES調査の実施方法は全体の75.0%が「オンライン、インターネット」で実施していると回答した。紙での実施は43.3%(MA回答)。
また調査の実施を内製・外注観点からみると、設計から実査、報告書作成までの全工程で「自社の内製作業」で行う場合が3割以上を占めトップである。ただし、今回の調査では「自社の内製作業」を行う企業の割合は全体的に減少。代わって「他社が開発したアンケートツールを活用して自社で実施する」との回答が増加した。「他社開発のツールを活用して自社で実施」は「調査の設計」では5.6pt、「実査(アンケートやインタビューの実施)」では7.5pt、「結果の分析」では9.1ptと前回調査時から大きく上昇した。
ES調査の満足度は全体的に高い。特に「他社開発のアンケートツールを活用して自社で実施」した場合の満足度が高い
調査スペック、コスト、目的達成度、調査結果、結果の分析、結果の施策反映などに対する満足度等、ES調査の満足度はすべての項目で70%を超え、全体的に満足度が高い。最も高かったのは、「調査対象者の範囲(役職、組織など)」で88.2%、満足度が最も低かったのは、「調査結果の施策への反映度」で71.5%。満足度のトップおよび最下位の工程は、前回調査の順位と変わらなかった。
またES調査の各工程の実施方法別に満足度をみると、「設計」「結果の分析」で「アンケートツールを活用して自社で実施」した場合の満足度が全体的に最も高かった。中でも「調査目的の達成度」「調査結果の施策への反映度」の満足度が高く、調査の有効活用がうかがえる。
ES調査における課題は、「人事施策への活用」と「調査の専門スキル」「結果分析」が上位。「結果分析」の課題感は低減
ES調査における課題は「有効な人事施策の優先順位の検討材料として活用できていない」(45.6%)がトップとなった。次いで「自社内で、調査や設問設計の専門スキルが不足している」(45.1%)、「アンケート結果の分析が不十分」(44.9%)。前回調査では、「アンケート結果の分析が不十分」が最も多かったが、今回の調査では、8.4pt下がった。
「調査の方法がわからない」ことがES調査を実施しない理由のトップとなった
前回調査では、調査を実施しない理由のトップは、29.5%で「効果が得られるか疑問だから」だった。今回の調査では、27.3%で「調査の方法がわからないから」がトップとなった。その後の順位は、ほぼ前回と変わらず、次いで、「効果が得られるか疑問だから」22.7%、「予算がないから」21.9%、「自社には必要のない調査だから」21.4%と続いた。
<調査概要>
1. 調査対象 : 「NTTコム リサーチ」登録モニター
2. 調査方法 : 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 : 2024年10月10日(木)~16日(水)
4. 有効回答者数: 535名
5. 回答者条件 : 20歳以上の全国男女
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 /3月13日発表・同社プレスリリースより転載)