リンクアンドモチベーション、「新入社員モチベーション調査2008」
経営コンサルティングのリンクアンドモチベーション(東京都中央区、小笹芳央・代表取締役社長、以下LM)は、今春の新卒新入社員にワークモチベーションについてのアンケート調査を行いました。4月18日に発表した、中間報告の最終版です。 1. 【入社動機】「仕事のやりがい」と同時に、「安定」も求めている。 「給与や休日休暇の充実」、「会社の財務状況・顧客基盤の安定」の重要度がそれぞれ顕著な上昇を見せました。 これは過去2年間には見られなかった変化であり、今年度の新入社員は安定志向が強いと、リンクアンドモチベーションは考えます。 また、調査項目全体の中では「会社の事業の優位性や成長性」の重要度が一番高く、以降「事業の社会的意義」、「会社理念への共感」となり、具体的な仕事内容よりも、企業の打ち出す姿勢に関する項目の重要度が高くなっています。 2. 【上司・先輩への期待】重要度が軒並み上昇。「母性的」なマネジメントを求める傾向に。 「持ち味や特徴をおさえてくれる」、「意見を聞き入れてくれる」、「褒めてくれる」といった母性的な指導を求める意識が上位の項目となっており、厳しく指導されながら働くのではなく、自分らしくのびのびと仕事をさせてほしいという傾向がみられます。 また、全ての項目において重要度が軒並み高くなりました。マネジメントへの期待の高さが窺えます。 3. 【職場への期待】活発に議論でき、相互理解が進んでいる一体感溢れる職場を求めている。 例年同様、「会社選び」「上司・先輩」に関する項目より重要度が高く、職場に対する期待の高さが窺えます。 特に、「発言が活発」「スムーズな連携」といった職場の一体感に関する項目の重要度が依然高くなっています。 また、「顧客(或いは関連部署)への迅速な対応」、「顧客(或いは関連部署)のニーズを取り入れること」のポイントが下落しており、顧客志向が重視される世の中の傾向と逆行している点が懸念されます。 【 まとめ 】 結果から、リンクアンドモチベーションでは、今年度の新入社員は仕事のやりがいを重視するものの、「好待遇」や「安定」を「母性的なマネジメント」のもとで手に入れたいと考えている傾向があると考えます。 上記の観点から、「やりがいのある仕事をしたい」一方で、「厳しさには耐えられない」という新入社員が増えていることが推測されます。 背景には、「ゆとり教育」や、2008年新卒入社者の求人倍率は2.14倍で、16年振りに2倍を超えるなど(リクルートワークス研究所)、「採用売り手市場」といった就職環境が軟化したことが考えられます。 今年の新卒入社者には、“厳しい環境で揉まれた経験がある人”が少ないのではないでしょうか。 ■ 受け入れる企業で求められること 〜「甘え」を許さず、社会人としての厳しさを伝えきる 〜 会社や上司に対して、多くのことを期待してしまっている新入社員が増えており、この「甘え」を持った状態で社会人をスタートすると、「やりがいもないし、給料も安い」「マネジャーが厳しくてついていけない」といった状況につながり、戦力化の遅れや、ネガティブな転職の増加のリスクが上昇しかねません。 受け入れる企業では、新入社員のポテンシャルを十分に引き出すためにも、彼・彼女らの「甘え」を許すことなく、社会人としての厳しさを伝えきる役割が求められています。 【 結果詳細 】 リンクアンドモチベーションが分類する17項目のワークモチベーション(働く誘因)のファクターに基づき、3項目の質問を行いました。調査は無記名式で、設問項目に対して「非常に強く重要視した(5点)」から「まったく重要視しなかった(1点)」まで5段階にて回答し、項目ごとの平均点を比較しました。 ■ 調査名称: 「新入社員モチベーション調査2008」(※2005年にスタートし今年で4年目) ■ 調査目的: 企業と個人の関係のあり方の変化や個人の仕事に対する価値観の源泉を把握する ■ 調査内容: ●設問概要 合計33問 株式会社リンクアンドモチベーション独自のモチベーション分析ファクター(※)を使用 ※リンクアンドモチベーションでは、社会心理学をベースにワークモチベーションを17の要因に分類している。この要因を元に設定した。 ※ 詳細はこちらをご覧下さい。 (リンクアンドモチベーション http://www.lmi.ne.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・6月25日) |