管理職300名、メンバー200名に聞いた「マネジメントに対する管理職とメンバーの意識調査」
上司が自分の業務を把握していないと感じる場合、上司との対話やアドバイスが有益だと感じないメンバーは約7割
ワークアシストツール「TONOME(トノミー)」を開発提供するTONOME株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:小笠原広大)は、企業の管理職300名とメンバー200名を対象に「マネジメントに対する管理職とメンバーの意識調査」を実施いたしました。
本調査は、働き方の多様化にともなう労務管理やコンプライアンス遵守へのプレッシャーが増大するなかで、難易度と負担が高まる「マネジメント業務」に焦点を当てています。そのなかでも、チーム運営のカギとなる「業務把握」と管理職に求められる中長期視点での「創造的業務(戦略策定や実行、育成、イノベーションなど)」への取り組みについて、調査結果から見えてきた実態を全3回にわたってお伝えします。
第3回は、管理職がメンバーの業務を把握できているかが、管理職とメンバーとのコミュニケーションにどのような影響を与えるのかについてお伝えします。
【第3回:調査結果サマリー】
- 上司である管理職が、自分の業務を把握していないと感じるメンバーは4割を超える
- 上司である管理職が、自分の業務を把握していないと感じている場合、その状況を不満に感じるメンバーは6割を超える。業務を把握していないと感じている場合、上司との対話やアドバイスを有益だと感じないメンバーが7割を占める
- 一方で、自分の業務を把握していると感じるメンバーは、上司との対話に不満を感じないが約7割
- 上司である管理職とのコミュニケーションに不満を感じるのは、「上司の経験や主観により、適切なアドバイスをもらえなかったとき」「上司に仕事の相談をしても、言い分や話を理解してもらえなかったとき」「上司に話を理解してもらえず、適切なアドバイスをもらえなかったとき」が上位に
- 上司への要望で重視することとして、「部下の業務や進捗をしっかりと把握してほしい」「仕事の優先順位や必要なアウトプットを明確にしてほしい」「仕事の目的や背景をしっかりと説明してほしい」が上位に
【調査概要】
調査方法 :WEBアンケート
調査対象 :企業で働く管理職 (部長、次長、課長)、メンバー (係長、主任、一般)
有効回答数:500名(管理職300名、メンバー200名)
調査実施日:2024年6月14日~15日
調査主体 :TONOME株式会社
【調査結果】
(1)上司である管理職が、自分の業務を把握していないと感じるメンバーは4割を超える
上司である管理職が、あなたの業務を十分に把握していると思うか聞いたところ、「全くそう思わない(12.5%)」「あまりそう思わない(30.0%)」となり、上司が業務を把握していないと感じるメンバーは4割を超える結果になりました。
第1回目の調査では、管理職の約4割がメンバーの業務状況を十分に把握できていないと感じていることがわかっていました。今回の調査で、それと同じ割合でメンバーも「上司が自分の業務を把握できていない」と感じていることが判明しました。
(2)上司である管理職が、自分の業務を把握していない場合、不満に感じるメンバーは6割を超える。また、業務を把握していないと感じた場合、上司との対話やアドバイスを有益だと感じないメンバーが7割を占める
上司である管理職が自分の業務を把握していないと思うと回答した方に、そのことをどう思うか聞いたところ、「不満に感じる(23.5%)」「やや不満に感じる(37.6%)」となり、上司が自分の業務状況を把握していことを不満に感じるメンバーは6割を超えました。
同様に、自身の業務を把握していない上司とのコミュニケーションを有益だと感じるかという質問をしたところ、「有益だと感じない(24.7%)」「あまり有益だと感じない(49.4%)」という結果となりました。さらに、上司からのアドバイスを有益だと感じるか聞いたところ、「有益だと感じない(28.2%)」「あまり有益だと感じない(49.4%)」という結果となりました。
上司が自分の業務を把握していないと感じるメンバーの約7割は、上司からのコミュニケーションやアドバイスを有益だと感じていないことが明らかになりました。
(3)自分の業務を把握していると感じるメンバーは、上司との対話に不満を感じないが約7割
(2)とは反対に、上司である管理職が自分の業務を把握していると思うと回答した方が、上司とのコミュニケーションについてどう感じているか調査したところ、「特に不満は感じない(14.8%)」「あまり不満は感じない(53.9%)」となり、約7割が不満を感じていないことが明らかになりました。
これらの結果から、メンバーにとっての「有益なコミュニケーション」の前提として「上司が業務把握していること」が重要であることがわかります。
(4)上司である管理職とのコミュニケーションに不満を感じるのは、「上司の経験や主観により、適切なアドバイス をもらえなかったとき」「上司に仕事の相談をしても、言い分や話を理解してもらえなかったとき」「上司に話を理解してもらえず、適切なアドバイスをもらえなかったとき」が上位に
管理職とのコミュニケーションで不満を感じると回答した方に、どのような時に不満を感じるか聞いたところ、「上司の経験や主観により、適切なアドバイスをもらえなかったとき(43.0%)」「上司に仕事の相談をしても、言い分や話を理解してもらえなかったとき(36.7%)」「上司にあなたの話を理解してもらえず、適切なアドバイスをもらえなかったとき(34.2%)」という結果になりました。
メンバーは上司の経験や主観によるアドバイスではなく、自分の抱えている業務やその状況を踏まえたより適切なアドバイスを求めているようです。
(5)上司への要望で重視することとして、「部下の業務や進捗をしっかりと把握してほしい」「仕事の優先順位や必要なアウトプットを明確にしてほしい」「仕事の目的や背景をしっかりと説明してほしい」が上位に
上司への要望で重視することについて聞いた質問。「部下の業務や進捗をしっかりと把握してほしい(29.5%)」「仕事の優先順位や必要なアウトプットを明確にしてほしい(26.0%)」「仕事の目的や背景をしっかりと説明してほしい(23.5%)」という結果になりました。
上司はメンバーに仕事を任せるときに、仕事の目的や背景、優先順位、アウトプットを明確にすることに加えて、その後の業務や進捗状況を把握し、継続的にアドバイスをしたり相談に乗ったりすることが重要と言えそうです。
【まとめ:調査結果を受けての見解】
今回の調査では、管理職がメンバーの業務を把握できているかどうかが、メンバーとのコミュニケーションや信頼関係に与える影響について調査しました。
「上司である管理職が、自分の業務を把握している」と感じているメンバーは4割で、そのうち7割のメンバーがその状況を不満に感じていることが明らかになりました。また、上司が業務を把握していないと感じている場合には、上司とのコミュニケーションやアドバイスを有益だと感じないメンバー が7割を超えることも明らかになりました。
なお、メンバーが上司とのコミュニケーションで不満を感じるのは「上司の経験や主観により、適切なアドバイスをもらえなかったとき」という回答が最も多く、上司への要望で重視することとしては「部下の業務や進捗をしっかりと把握してほしい 」が最多となりました。
管理職がメンバーの業務把握をできていない状況で、主観や経験に基づいたコミュニケーションやアドバイスをとったとしても、メンバーはそれを有益だと感じることができないようです。管理職とメンバーの信頼関係を構築する上でも、まずは業務把握をしっかりとすることが重要だといえそうです。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(TONOME株式会社 / 8月27日発表・同社プレスリリースより転載)