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ニュース
人事サービス 雇用・採用
掲載日:2023/09/28

障がい者の障害開示(オープン・クローズ)に対する意識調査

精神・発達障がい者の半数以上が障がいを開示せずに就業経験あり

レバレジーズ株式会社が運営する障がい者就労支援サービス「ワークリア」は、精神障害者保健福祉手帳を取得し、且つ、正社員もしくは契約社員で障がいを開示せずに就業した経験がある人300名を対象に、就業先への障がい開示についての意識調査を実施しました。※定義:オープン就労とは障がい者雇用枠で就労、もしくは一般枠で障がいを開示して就労していることを指す。クローズ就労とは一般枠で障がいを開示せずに就労していることを指す。

<調査サマリー>
1.約5割の障がい者が、障害者手帳取得後に障がいをクローズにして働いた経験があると回答
2.障がいをオープンにしようと思ったきっかけの1位は「体調の悪化(再発)」
3.障がいをオープンにして良かったこと、就業・労働条件への配慮が上位

<調査詳細>
1.約5割の障がい者が、障害者手帳取得後に障がいをクローズにして働いた経験があると回答
精神障害者保健福祉手帳を取得した後に正社員もしくは契約社員で就業経験がある人774名に調査を実施し、その半数以上が、障害者手帳取得後の就労において障がいをクローズにした経験があることがわかりました。クローズ就労の経験者300名に調査を実施し、そのうち、一度も障がいをオープンにして働いたことがなく、今後もクローズ就労を考えている人は33.0%、障がいをオープンにして就労した経験があるものの、再度クローズ就労を考えている人は24.7%と、実際にクローズ就労を経験した上で障がいをオープンにすることへの必要性を感じていない人も半数以上存在します。

障がいをクローズにして働こうと思った理由で最も多かったのは、「障がいを開示すると採用されにくいイメージがあるから(47.7%)」次いで「障がいを開示すると応募できる求人が限られると思ったから(45.0%)」「障がいを開示すると給与条件が悪化すると思ったから(34.3%)」と続きます。クローズにしている理由の上位3つはいずれも障がいをオープンにすることで自身の就職活動や就業条件が不利になることを危惧して、開示しない考えが上位を占めていました。

オープン就労の経験がある方に対し、オープンにしたことで感じた課題点を聞いたところ、1位には「障がいを開示したことで、採用されにくいと感じた(37.7%)」があげられ、次いで「障がいを開示したことで、応募できる求人が限られた(35.4%)」「障がいを開示したことで、キャリアアップがしづらいと感じた(31.4%)」と続きます。クローズ就労を考えた理由とほぼ同一の回答となりました。

オープン就労へのネガティブなイメージが先行しているわけではなく、事実として障がい者の就職活動や就労への不利益な影響が出ていることが見受けられました。

2.障がいをオープンにしようと思ったきっかけの1位は「体調の悪化(再発)」
障がいをオープンにして就労しようと思った/思っているきっかけについて、最も多かったのは「体調が悪化(再発)したから(37.8%)」となりました。次いで「体力や意欲が続かなかったから(34.3%)」と続くことから、体調による就労への影響を不安視してオープン就労を選択肢に入れる人が多いことがわかります。

「障がいを隠し続けることになんとなく罪悪感を感じていたから(20.9%)」といった意見もあり、就労において開示の必要性を感じていなくても、心のわだかまり解消のためにオープン就労を選ぶ人も一定数いるようです。

3.障がいをオープンにして良かったこと、就業・労働条件への配慮が上位
障がいをオープンにして就労した経験がある方に、オープンにしてよかったことを聞いたところ、「通院への配慮をしてくれるようになった(37.7%)」「就業時間や日数、休憩時間などの配慮をしてくれるようになった(27.4%)」「リモート勤務など就業場所の融通が効くようになった(19.4%)」が上位にあげられました。「障がい特性を踏まえた仕事内容に変わった(12.0%)」よりも高いことから、業務内容の配慮などよりも、体調管理をしながら無理なく働けることに安心感を感じています。

自由記述の回答においては、「低倍率で大手企業に入れた」「オープンにしなければ入れない職場に入れた」「採用ハードルが一般枠よりも低かった」などの意見も挙げられ、会社の規模感や入りたい会社が明確に決まっている人にとっては、オープン就労がポジティブに働いているようです。

<事業責任者小野寺からの一言>
今回の調査結果から、クローズで働いている/働きたい精神・発達障がい者が多くいること、また、その選択に至る理由も明らかになりました。

過去に独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が行った調査では、就職後1年時点のオープン就労者の定着率が「障害者求人(86.9%)」「一般求人障害開示(49.9%)」であることに対し、クローズ就労者の定着率は「一般求人障害非開示(30.8%)」という低い結果が示されています。

応募求人が多いことや、採用されやすいイメージから、クローズでの就業を希望する障がい者が多い一方で、クローズ就労を選択すると、入社してから職場とのミスマッチが起こり、雇用の定着が図れていない場合が多い点については注視すべき点です。

2024年4月には、障がい者の法定雇用率が2.5%に引き上げられるため、企業としては障がい者の採用を活発化させる必要があります。企業として、また社会全体でもオープン就労のネガティブな印象を払拭するために動き、障がいを踏まえた、より最適な雇用を重視していく必要があるでしょう。


<調査概要>
調査対象:精神障害者保健福祉手帳を取得し、且つ、正社員もしくは契約社員で就業経験がある人300名
集計期間:2023年8月4日~2023年8月10日
調査方法:Webアンケート調査
実査委託先:楽天インサイト株式会社
有効回答数:300名

 

◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。

(レバレジーズ株式会社/ 9月25日発表・同社プレスリリースより転載)

この記事ジャンル 障がい者採用

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