職場における仕事観・倫理観に関する国際比較調査
日本は暗黙のルールを意識する傾向が強く、最も規範が強い
~エイムソウル共同調査 『職場における仕事観・倫理観に関する国際比較調査』~
総合人材サービス会社で、海外ITエンジニア派遣「GIT(Global IT Talent)サービス」を展開するヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:御旅屋 貢、以下「当社」)と、ビジネス・プロフェッショナル×バイリンガルのための転職・求人情報サイト「Daijob.com」を展開するヒューマングローバルタレント株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:横川 友樹)は、株式会社エイムソウル(本社:東京都台東区、代表取締役:稲垣隆司)と共同で、「職場における仕事観・倫理観に関する国際比較調査」を実施しました。
本調査は、日々職場で起きる出来事に対する受け止め方の違いを明らかにし、海外出身者のマネジメントや育成に活用することを目的に実施しました。計1,407名(48カ国)から回答を得たうち、7カ国(日本、中国、韓国、ミャンマー、インドネシア、フィリピン、アメリカ)について、定量的に分析・比較した調査結果の一部を発表いたします。
【調査結果まとめ・考察】
●全設問について、規範の強度(暗黙のルールを意識する傾向の強さ・弱さ)を比較したところ、日本が最も規範が強い国であることが判明。
●特に、「会議時間延長」「誤字脱字の数」「ルールの不遵守」「早期離職」については、7カ国の中で最も許容範囲が狭く、ネガティブ評価への振れ幅も大きい結果に。
■調査結果サマリ
Ⅰ.仕事観に関する調査結果
①会議延長時間の許容範囲
いずれの国も15-30分を超えるとネガティブに評価するが、アメリカが最もネガティブに反応。日本は12-13分が延長の許容範囲で、時間を守ることに対する基準は、⽇本はアメリカと同じレベルで厳しい。
②有給休暇取得率に対する感じ方
ミャンマー以外の国は、高い有給休暇取得率をポジティブに評価。日本は有給取得率が高いことへのポジティブな反応が⼀番強い。
③誤字脱字の許容範囲
誤字脱字をネガティブに捉える傾向は各国共通だが、日本は誤字脱字に対して最も厳しく、2.5個を超えると、ネガティブ評価となる。
④残業に対する感じ方
残業をネガティブに捉える傾向は各国共通だが、韓国、アメリカは残業を嫌う傾向が強い。日本の許容範囲は4番目に狭い。
⑤同僚支援に対する感じ方
日本、韓国、アメリカは、同僚を手伝って帰宅時間が遅くなることに対する反応がネガティブである。
⑥周囲への同調に対する感じ方
周囲への同調をポジティブに捉える国とネガティブに捉える国が明確に分かれている。日本は周囲に同調することに対して最もネガティブに反応し、韓国、アメリカもネガティブな反応。
Ⅱ.倫理観に対する調査結果
⑦マスクの着用率に対する感じ方
日本、アメリカは着用率が高くても、低くてもポジティブ・ネガティブな反応の変化が少ない。
⑧ルール遵守の許容範囲
ルールを遵守しないことをネガティブに捉える傾向は各国共通だが、日本はルールを遵守しないことに対する許容範囲が最も狭い。
⑨早期離職に対する感じ方
早期離職をネガティブに捉える傾向は各国共通だが、日本が最も早期離職に対する拒否感が強い。
⑩落とした財布が戻ることへの期待値
日本、韓国は、ポジティブな反応とネガティブな反応の振れ幅が大きい。
■調査結果に関するコメント
私たちは、世界50を超える国から採用した1,000名超のITエンジニアを、国内企業500社のITプロジェクトに派遣してきました。その中で、海外出身者の定着やモチベーションの維持、またコミュニケーションなどの課題に対して、派遣先企業と連携し取り組んできました。
今後さらに日本の労働人口が減り、海外出身者の受入れ・戦力化が必要とされる中、本調査結果で明らかとなった「日本特有の異質性」を、私たち日本企業側が認識し、互いに異なる文化を尊重し、そして「違い」を受け入れることが、重要だと考えます。
本調査結果が、日本企業の海外人材の活用、さらにはグローバル化や職場のダイバシティ推進のお役立ちに繋がれば幸いです。
<調査手法>
職場で日々起きる出来事に関する10の設問に対して、「母国のビジネスパーソンは、一般的にどう感じるか」という観点から、 7つの選択肢より回答を依頼しています。調査文面は、日本語、英語、中国語、韓国語、インドネシア語、タガログ語、ベトナム語、ネパール語、タイ語、ミャンマー語の全10言語に対応。うち 回答者数が多かった7カ国(日本、中国、韓国、ミャンマー、インドネシア、フィリピン、アメリカ)について社会心理学のリターンポテンシャルモデルを活用して、定量データで可視化しています。
<調査概要>
調査名称:「職場における仕事観・倫理観の国際比較調査」
調査目的:職場で日々起きる出来事に対する受け止め方の違いを明らかにする
調査期間:2023年6月1日(木)〜6月30日(金)
調査方法:WEB入力フォームによる回収
調査対象:社会⼈経験のある外国人・日本人
有効回答:48カ国、1,407名(社会人経験のある外国人・日本人)
実施主体:株式会社エイムソウル、ヒューマンリソシア株式会社、ヒューマングローバルタレント株式会社、株式会社ウイルテック、株式会社グローバルトラストネットワークス、株式会社ジェック、株式会社ダイブ、パーソネルコンサルタントマンパワータイランド株式会社、リフト株式会社、ES4E Language & Training Centre、Hopewill Co.,Ltd.、株式会社ビーウェルインターナショナル(KOREC)、PT. Joyful CareIndonesiaSocialBridge株式会社
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ヒューマンリソシア株式会社/ 8月23日発表・同社プレスリリースより転載)