非IT職のデジタルリスキリングに関する実態調査
企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都港区 代表取締役社長:山崎 淳 以下、当社)は、300名以上の企業で働く非IT職の正社員228名に対し、「非IT職のデジタルリスキリングに関する実態調査」を実施し、「取り組みのきっかけ」や「上司の働きかけ」など、調査結果から見える実態について公表しました。
【エグゼクティブサマリ】
- 非IT職のデジタルリスキリングの取り組みは、製造・非製造で「学習のきっかけ」や「学習内容」、「活用する機会」が異なる
- 学習をはじめたきっかけのトップは、製造で「現在の仕事に役立つから」43.8%、非製造で「経営層や上司からの要請があったから」44.0%
- 「学習内容」のトップは、製造で「エクセルなどによるデータ管理、データ可視化」54.7% 非製造で「社会の変化とデータ・AI活用の意義」47.0%
- どのような機会を活用して学んだかについて、トップは製造・非製造ともに「仕事として取り組んだ」で、それぞれ75.8%、68.0%
- 「上司のDXリーダーシップ」は、製造・非製造の両群において、学習効果に強い影響を与えている
1. 調査担当研究員のコメント
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みは、IT企業以外においても年々増加しています。DXは企業の価値創造の全プロセスにかかわるため、特定の高度専門人材やデジタル・IT 職人材を育成・獲得するだけでなく、非IT職も含めた全従業員が、それぞれに必要なデジタルリテラシーを新たに身につけていくことが重要です。
しかし、非IT職には、デジタル・IT分野のスキルを獲得することや、それを使って働くことを志向してこなかった人も多く、自社にとっての必要性を理解したとしても、主体的に学習に取り組み学習効果をあげていく人を増やすのは簡単ではありません。企業側の積極的な働きかけにも関わらず、思ったように進まないという声もよく聞かれます。そこで、今回、非IT職のデジタルリスキリング推進のヒントを得るべく、DXに関する取り組みを行っている企業で非IT職として働き、最近デジタルリスキリングの取り組みを行った人を対象とした調査を行いました。調査結果から示されたのは、上記エグゼクティブサマリに記載したとおりですが、特に上司のリーダーシップは学習成果に強い影響を与えていることがわかりました。
リスキリングが企業の人事戦略として行われる以上、上司には組織要請を明確に提示する役割が期待されます。ただ、非IT職も含めたDXの推進は、多くの上司にとって未経験であり、道筋を示すことは簡単ではないでしょう。
- デジタル・ITに興味関心をもっている部下の主体的で探索的な学習を支援し、職場の課題解決にどのようにつなげていけるかを一緒に検討する
- 部下が受講する企業提供の学習プログラムを、個人の受講で終わらせず職場の業務に生かせる方法を一緒に考えていく
- 部下と上司だけで考えず、職場ぐるみでどう進めるのが効果的か考えるなど、職場全体で話し合い、学び合える風土をつくっていく
といった上司の働きかけが、部下それぞれのデジタルリスキリングへの興味や意欲を高め、学習を促進するために有効なのではないでしょうか。
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ/ 6月12日発表・同社プレスリリースより転載)