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ニュース
人事サービス 人事労務・管理
掲載日:2023/03/16

中堅企業の「女性経営幹部」に関する世界28か国同時調査

世界28カ国の中堅企業の経営幹部における女性登用率
過去10年間での改善は限定的、改善の加速が求められる


太陽グラントソントンは、2022年10月~12月に実施した非上場企業を中心とする中堅企業経営者の意識調査の結果を公表した。この調査は、グラントソントン加盟主要28カ国に対して実施する世界同時調査の一環である。
 

  • 経営幹部における女性比率は調査対象国平均で横ばいの32%、この10年でわずか8ポイントしか改善せず
  • 経営幹部に女性が一人も在籍しない中堅企業の割合は、調査対象国平均で1割未満
  • 日本は引き続き世界最低水準を記録、他国から大きく引き離される


世界28カ国の中堅企業経営者に「自社の経営幹部(※1)の女性登用率」について尋ねたところ、全調査対象国の平均は32%となった。
全体的に、調査対象国の中堅企業の経営幹部の女性登用率は毎年改善がみられるものの、今回の調査対象国平均は前年の調査結果(2022年3月発表)から横ばいとなり、この10年ではわずか8ポイントしか改善していないことが明らかとなった。
本調査結果から、グラントソントンでは、働き方の柔軟性が女性経営幹部の増加に大きな影響を与えるとし、女性の上級管理職への就任を支援するための意図的な施策を講じなければ、2025年の全調査対象国の平均は微増の34%と試算している。また、世界経済フォーラム(WEF)のグローバル・ジェンダーギャップ・レポートでは、ジェンダーパリティの実現には、さらに132年かかると予測されている。
※1:本質問の経営幹部には以下が含まれます。最高経営責任者(CEO)/代表取締役社長・会長・その他会社代表者、最高業務責任者(COO)、最高財務責任者(CFO)/財務担当取締役、最高情報責任者(CIO)、取締役人事部長、最高マーケティング責任者(CMO)、取締役経営企画部長、財務部長、経理部長、取締役営業部長、パートナー、共同出資者、共同経営者等

今回の調査結果について国別に見ると、経営幹部の女性登用率が最も高かったのはシンガポールであった。その割合はおよそ半分の49%に達し、前回調査比で15ポイント増の飛躍的な伸びをみせた。トップのシンガポールに続き、フィリピン(49%、前回調査比10ポイント増)、南アフリカ(41%、前回調査比1ポイント減)、マレーシア(40%、前回調査比横ばい)アイルランド(40%、前回調査比10ポイント増)が並び、上位5カ国はすべて40%の大台にのった。
対して、日本の中堅企業における経営幹部の女性比率は調査対象国中最下位に留まり(16%、前回調査比1ポイント増)、各国との差が如実に表れた。

経営幹部に一人も女性を登用していない中堅企業日本が突出してワースト1位に
経営幹部に一人も女性を登用していない中堅企業の割合は、日本が40%で引き続きワースト1位となった。前回調査から8ポイント減と改善したものの、大半の国の比率が1桁%台を記録するなか、日本の結果は突出しており、ここでも他国との差が顕著にみられた。
調査対象国平均は、前回よりわずかに改善し9%となり、初の一桁台に到達した(前回調査比1ポイント減)。地域別や経済圏ごとにみても、アジア太平洋地域(11%、前回調査比3ポイント減)やEU加盟国平均(11%、前回調査比3ポイント減)など含め、概ね改善傾向にあった。
減少幅が大きかった国では、オーストラリア(5%、前回調査比12ポイント減)、ギリシャ(11%、前回調査比11ポイント減)、ドイツ(9%、前回調査比7ポイント減)、メキシコ(8%、前回調査比7ポイント減)が並んだ。

従業員のエンゲージメントとインクルージョンの維持に向けた施策
過去12カ月の間に従業員のエンゲージメントとインクルージョンを維持するために講じた施策について尋ねたところ、多くの中堅企業が、あらゆる施策を通じてより多くの女性が上級管理職に就任できるように後継者育成に注力していることがわかった。調査対象国平均および日本、中国、米国、英国の4カ国で最も多かった施策は、「従業員のワークライフバランスや柔軟性の促進」であった。

女性の上級管理職の内訳
実際に女性が就く上級管理職の内訳を尋ねたところ、調査対象国平均および日本、米国、英国の3カ国で取締役人事部長が最も多かった。
日本では、取締役人事部長に次いで多かった役職は取締役営業部長であり、その割合は前回調査比で10ポイント増加の23%であった。また、上級管理職のうち、最高経営責任者(CEO)の女性比率は引き続き増加傾向にあることが分かった。調査対象国平均では前回調査比で7ポイント増加し31%となり、米国においては10ポイント増加し42%となった。
この継続的な傾向は、より多くの企業が上級管理職の多様性を高め、ジェンダーパリティ実現に向けた、新しいダイバーシティ戦略につながると考えられる。


【調査概要】
実施期間: 2022年10月~12月
参加国数: 28カ国
(アジア太平洋地域) 日本、オーストラリア、中国、インド、インドネシア、マレーシ
ア、シンガポール、タイ、 フィリピン、韓国、ベトナム
(EU加盟国) フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、スペイン、スウェーデン
(北米・南米) 米国、カナダ、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ
(アフリカ) 南アフリカ、ナイジェリア
(その他)英国、トルコ、アラブ首長国連邦
調査対象: 世界28カ国4608社の中堅企業ビジネスリーダーまたは経営トップ
日本からは従業員数100名以上1,000名未満の全国の中堅・中小企業から230社の意志決
定権を持つ経営層が回答した。
調査について: 質問表を各言語に翻訳し、オンラインおよび電話で行い、調査会Dynataがデータの取りまとめを行った。
利用上の注意: 統計の数値は、表章単位未満の位で四捨五入しているため、総数と内訳の合計は必ずしも一致しない。
表1および表3内の比率(%)が同じ国は、小数点以下の数値で順位付けしている。
 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(太陽グラントソントン/ 3月8日発表・同社プレスリリースより転載)

この記事ジャンル 女性活躍推進

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