会社の中での学び・組織風土に関する調査
研修後に職場で「実践した」社員は2割以下、実践のカギは「上司支援」「事前施策」か
人事150人・受講生850人の回答から見る、実践「した」と「しなかった」を分ける「研修前後」のアプローチとは
リ・カレント株式会社は「会社の中での学び・組織風土に関する調査」と題し、企業の中でどのような学びが設計・実施され、それが受講者にどのように受容されているのか、学習と実践の実態の調査を実施しました。
本調査では、回答者を研修・教育施策の「設計者」「受講者」に分け、設計者にはどのような施策を設計・実施しているか、受講者にはどのような施策・支援を受けたかをそれぞれ詳しく聞いています。
<◆会社の中の学び・組織風土に関する調査結果・サマリー >
1.研修内容の職場実践、人事の6割が「働きかけている」が、受講者「支援されることはほぼなかった」6割
研修・教育施策で学んだ内容を職場・現場で実践するよう受講者に働きかけているか、人事・教育施策設計者に聞いたQ7(受講者上司への質問)では、「研修によっては働きかけている」(38.4%)「毎回働きかけている」(25.6%)と、何らかの働きかけを行っている回答者は全体の6割となった。
一方、研修受講者本人に対し、同様に、学んだ内容の実践を促す支援があったかを聞いたQ15では、「支援をされることはほぼなかった」(62.1%)が最も多く回答された。
2.上司から「毎回支援のあった」受講者は、学習内容を「実践した」比率が高い
研修受講者本人に対し、研修で学んだ内容の実践度合について聞いたQ12では、「ある程度実践した」(50.5%)が最も多く、「あまり実践していない」(31.5%)が続いた。明確に「実践した」とする回答は13.5%に留まった。
一方、研修受講後に上司からの実践支援を受けたかを聞いたQ15を集計軸にとり、改めて実践の度合を調べたところ、「 (上司から)毎回何らかの支援があった」と答えた回答者は、学習内容についても「実践した」とする比率が高い。
3.「研修のねらい」「トップからのメッセージ」など研修事前施策と現場実践に相関あり、事前施策「特になし」では「実践なし」比率が高い
研修受講者に対し、研修参加にあたって参加意欲が高まった「事前施策」を聞いたQ10を集計軸にとり、現場実践の度合を調べた。
組織のトップ・意思決定層からのメッセージ送付で意欲を高めた受講者は、「実践した」とする回答比率が高い。
また、「研修のねらい」で意欲を高めた受講者については、「あまり実践していない」とする回答が低い。
逆に、事前施策について「特にない・覚えていない」とした受講者は、「実践した」が明らかに低く、「あまり実践していない」とする回答比率が高い。
◆教育施策設計にあたってのポイント
「人事・教育施策の設計者」「研修・教育施策の受講者」の二つの立場から、学び・学習実践の実態を調べた今回の調査では、二つの立場それぞれの感覚に、やや乖離が見られる結果となりました。
また、学習実践の度合に対し、「上司支援」「研修のねらいの伝達」「トップからのメッセージ送付」といった事前・事後施策は、明確に正の相関関係を示す結果となりました。一方で、受講者が事前施策に対して「特にない・覚えていない」とした回答は、学習実践の度合が低いことも確認されました。
今回の調査によって、研修・教育施策の効果を最大化する上で、職場・上司を巻き込んだ事前・事後施策の重要性が改めて明らかになりました。
今後も、リ・カレント株式会社は「組織学習デザインカンパニー」として、施策設計に学習レディネス・職場環境・活動習慣化を取り入れ、個人の学びを組織に拡げるネットワーク型の人材・組織開発のご支援をしてまいります。
◆調査概要
・調査対象:東京都在住の20代~60代 1000名
・調査期間: 2022年12月
・調査方法:選択回答及び自由回答式インターネット調査
※構成比の数値は、四捨五入のため 100%にならないことがあります。
※実際の東京都の人口構成に合わせるために、回収サンプルに重みづけを行っています(ウェイトバック集計)
※非有効回答を含まないグラフもあります。
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(リ・カレント株式会社 / 2月28日発表・同社プレスリリースより転載)