人手不足に対する企業の動向調査(2022年9月)
正社員の 人手不足割合は50.1%、非正社員は30.4% ともにコロナ禍(2020年4月以降)で最大
人手不足と感じる企業が、ついに半数を上回った。2022年9月時点における正社員の人手不足企業の割合は50.1%となり、2019年11月(50.1%)以来2年10カ月ぶりに5割を上回り、新型コロナウイルスの感染拡大後としては最大となった。2020年4月に発出された1回目の緊急事態宣言では、経済活動がストップしたことで人手不足も一時的に緩和され、29.1%まで急激に低下した。その後、徐々にウィズコロナが定着し、景況感も上向くなかで人手不足割合も20ポイント近く上昇。こうした流れに歯止めがかからず、ついに半数超を記録した。
非正社員についても同様の傾向が見られ、30.4%となりコロナ禍で初めて3割を上回った。2020年4月時点(15.2%)と比較すると、人手不足企業の割合は倍増している。
正社員は「情報サービス」が71.3%でトップ、「旅館・ホテル」では正規・非正規ともに60%超で高水準
業種別では、正社員では「情報サービス」が71.3%で最も高かった。DX需要が旺盛ななか、他業種と比較しても景況感は高水準で推移しており、IT人材不足が深刻さを増している。続いて、「人材派遣・紹介」も65.0%と高く、「IT人材の需要が強い」や「人手不足で、派遣社員の供給が容易ではない」との声がみられた。また、「メンテナンス・警備・検査」(64.6%)や「建設」(64.4%)など、4業種が6割台となった。
非正社員では、「飲食店」が77.3%と群を抜いて割合が高い。5割以上は6業種を数え、いずれも前年同月から大きく上昇した。
「旅館・ホテル」では、正社員では62.5%、非正社員では62.3%が人手不足となり、それぞれ6割を上回る高水準となった。10月11日には、観光需要喚起策である全国旅行支援がスタート。企業の34.3%が「自社にプラスの影響」と回答した一方で、観光業界内からは「人手不足で思うように需要を取り込めないのでは」「人材がおらず旅行者の受け入れ対策に課題がある」など不安を感じている声が多い。今後も継続的な支援策による観光業界の復活が望まれるなかで、人手不足が回復のボトルネックとなる懸念が生じている。
■調査期間は2022年9月15日~9月30日。調査対象は全国2万6,494社、有効回答企業数は1万1,621社(回答率43.9%)。なお、雇用の過不足状況に関する調査は2006年5月より毎月実施しており、今回は2022年9月の結果をもとに取りまとめた
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(株式会社帝国データバンク/10月21日発表・同社プレスリリースより転載)