【中途エンジニア採用動向調査】半数以上の企業が、未経験エンジニアを採用
レバテック株式会社が運営するITエンジニア・クリエイター専門エージェント、レバテックキャリアは、中途採用担当者300名を対象に、ITエンジニアの2021年1月から12月までの採用動向調査を実施しました。本調査は前編・後編に分けてお届けをし、ここでは「採用動向調査」の前編として、ITエンジニアの採用動向についてお届けします。
<調査サマリー>
- 例年に比べて採用人数を増やした企業は、全体の約3割
- 半数以上の企業が、未経験エンジニアを採用
- 2021年、求人募集が最も多かったポジションは若手経験者層
- 4社に1社が、例年よりも採用基準が高くなったと回答
①例年に比べて採用人数を増やした企業は、全体の約3割
ITエンジニアの中途採用において、全体の27.7%の企業が例年よりも採用人数を増加したことが明らかとなりました。2030年には約79万人のIT人材不足が予測されていることからも*1、ITエンジニアの需要はここ数年でさらに高まっていることが分かります。
一方、例年よりもITエンジニアの採用人数を減らした企業は、全体の15.0%という結果になりました。市場全体で見るとITエンジニアの需要は拡大していますが、7社に1社は採用人数が縮小しているようです。
※1.【平成30年度発表】経済産業省「IT人材需給に関する調査」
※2.【令和4年4月発表】内閣府「経済財政の状況について」
②半数以上の企業が、未経験エンジニアを採用
ITエンジニアの中途採用で、既卒・第2新卒採用をしている企業は全体の52.7%となりました。さらに、新卒採用をしている企業は全体の54.3%ということから、半数以上の企業が、エンジニア未経験者を採用しています。業態別では、既卒・第2新卒採用をしている業態で最も多かったのは「SIer(60.9%)」「SES・派遣(60.9%)」となり、他の業態に比べて未経験者を採用して育成するという傾向があるようです。
一方、未経験者採用をしていない企業は全体の27.3%と、4社に1社以上が経験者のみを採用していることが分かりました。
業態別では、未経験者採用をしていないという回答が最も多かったのは「自社開発企業(39.7%)」、ついで「受託開発企業(32.8%)」でした。自社開発企業の場合、エンジニアの技術力がプロダクトの成長や品質に直結するため、常に最新技術のキャッチアップする自走力などが求められます。そのため、自社開発企業では未経験者を育成するよりも即戦力を採用する傾向が強いようです。
③2021年、求人募集が最も多かったポジションは若手経験者層
2021年1月から12月までに求人募集したポジションで最も多かったのは、「メンバークラス(若手経験者)(75.3%)」、ついで「ミドルクラス(中堅層)(70.0%)」でした。多くの企業では、20代〜30代のエンジニアをメインターゲットに採用をしていることが分かります。
「ジュニアクラス(未経験層)」を採用している企業は、全体の52.7%となりました。ポテンシャル層をターゲットとする既卒・第2新卒採用の需要の背景には、即戦力採用の難航を理由にポテンシャル層の採用を強化する企業が増加していることが想定されます。
一般的に年収800万円以上とされる「ハイクラス(シニア層)(29.3%)」、CTOやVPoEなどの「部長、経営者層(7.7%)」は、合わせて全体の36%という結果になりました。
※補足
ジュニアクラス:未経験者層
メンバークラス:年収500万円未満の若手経験者
ミドルクラス:年収500万円〜800万円未満の中堅層
ハイクラス:年収800万円以上のシニア層
④4社に1社が、例年よりも採用基準が高くなったと回答
例年に比べて、ITエンジニアの採用基準に変動があった企業は全体の25.7%という結果になりました。そのうち「高くなった」と回答したのは全体の17.7%でした。ITエンジニアの人材不足によって採用はさらに難航していますが、一部の企業ではプロダクトの品質向上や競合優位性の担保などを目的に、採用基準を更に引き上げる企業もあるようです。一方、採用基準が「低くなった」と回答したのは全体の7.0%ということが分かりました。
エンジニアに求める基準に変動がないと回答したのは全体の66.0%となり、3社に2社は例年と変化なく採用を進めているようです。エンジニアの即戦力採用は困難である一方で、7割以上の企業では採用基準が変わっていないことからも、エンジニアの採用基準は高止まりしていることが読み取れます。
<レバテックキャリア事業責任者からの一言>
今回の調査から、4社に1社以上が例年よりも採用人数を増やしたことが明らかとなりました。また、半数以上の企業が未経験者を採用しており、例年と比較しても採用基準に大きな変動はないことから、エンジニアの即戦力採用は困難であることが伺えます。
2021年の中途エンジニア採用では、若手経験者の需要が最も高かったという結果になりました。即戦力人材の採用が困難であることから、未経験者採用の需要は今後さらに拡大することが予想されます。若手経験者層や未経験者層の採用ができていない企業は、若手エンジニアを採用し、育てる仕組みや組織体制の強化をしていくことが有効だと考えられます。
<調査概要>
調査対象:中途採用担当者300名
調査年月:2022年5月24日~2022年5月27日
調査方法:Webアンケート調査
有効回答数:300名
調査主体:レバテック株式会社
実査委託先:楽天インサイト株式会社
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(レバテック株式会社/8月1日発表・同社プレスリリースより転載)