『第2回 コロナ後の働き方に関する調査』第2弾「在宅勤務による生活・キャリア意識への影響」結果
株式会社パソナグループ(本社:東京都千代田区、代表取締役グループ代表 南部靖之)で、社内外の専門家と共に様々な社会課題の解決に向けたフォーラムの開催や提言を行う「パソナ総合研究所」(所長:竹中平蔵)はこの度、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた緊急事態宣言中に在宅勤務を経験した三大都市圏の方々を対象に、『第2回 コロナ後の働き方に関する調査』を実施いたしました。
本調査は、2020年12月1日に発表した第1回調査との比較調査です。新型コロナウイルス感染拡大で在宅勤務が広まった2020年の第1回調査と、その後の大規模な感染拡大(第3波~第5波)で在宅勤務の長期化が進んだ今回(2021年)の第2回調査の結果を比較することで、働く人々への在宅勤務の浸透度や、仕事や生活、意識や価値観への影響を明らかにします。
今回は第2回調査結果報告の第2弾として「在宅勤務による生活・キャリア意識への影響」に関する結果を発表いたします(※第1弾「仕事への影響」は3月に発表)。ポストコロナの新しい社会の実現に向けて、コロナ禍における在宅勤務の実態や成果、今後に向けた課題を探ります。
【調査結果のポイント】
- 在宅勤務を行った結果として「仕事以外の生活の重要性をより意識するようになった」が46.9%と1位となり、若年層(20代・30代)ほど、その傾向が強い。
- 家事・育児の分担状況について、30代以上の男性では、「本人(男性)の家事・育児の負担が大きい」とする回答の割合が、「配偶者(女性)の家事・育児負担が大きい」より大幅に少なく、特に40代以上ではその差が顕著。また、在宅勤務の開始から時間が経過するのに伴い、「本人(男性)の家事・育児の負担が大きい」とする回答が増加していく傾向があり、男性の意識の変化が見てとれる。
- 資格取得やスキルアップの意欲は、前回調査時と同傾向。「現在の会社でのスキルアップの必要性を感じたため」の割合が増加し、「起業やフリーランスとして独立や転職に備えるため」「副業に必要なスキルアップのため」は横ばい。
- 在宅勤務を機に転職や副業を検討したり、希望する職務や就業先が変化した人の割合は、合計で46.3%に上り、前回より増加。
- 地方移住への関心は、前回同様若年層ほど「関心が高まる」傾向。関心が高くなった理由としては「在宅勤務が可能なので首都圏にいる必要を感じなくなった」が1位。
- 健康面への変化は、「運動不足により体力が低下した」「運動不足により体重が増加した」がともに4割前後。会社等からの健康面のサポートについては、前回2位の「メンタル面の個別の相談窓口の設置」が1位となった。
1.在宅勤務による生活への影響 <仕事と生活の意識>
■「在宅勤務を行った結果、仕事と仕事以外の生活のバランスについての意識に変化はあったか」という質問では、前回同様「仕事以外の生活の重要性をより意識するようになった(46.9%)」が「仕事の重要性をより意識するようになった(11.3%)」を大きく上回った。年代別では若年層(20代・30代)ほど、その傾向が強かった。
■仕事以外の生活の重要性をより意識するようになった理由は、前回同様「家事や家族とのコミュニケーションに使う時間が増加したため(56.8%)」「自身や家族の健康面の意識が高まったため(53.7%)」が1・2位となったが、その割合は若干低下した。
一方で、「会社の同僚等と接する時間が減ったため(30.2%)」の割合は増加しており、職場でのコミュニケーションが希薄化したことが、より仕事以外の生活の重要性を意識させることに繋がっていると推察される。
2.在宅勤務による生活への影響 <家事・育児の分担状況>
■【同居の配偶者ありと回答した方への質問】
30代以上の男性では、「本人(男性)の家事・育児の負担が大きい」とする回答の割合が、「配偶者(女性)の家事・育児負担が大きい」より大幅に少なく、特に40代以上ではその差が顕著である。また、在宅勤務の開始から時間が経過するのに伴い、「本人(男性)の家事・育児の負担が大きい」とする回答が増加していく傾向にある。在宅勤務が長期化する中で男性の家事・育児への意識が変化していったと推察される。
男性でも20代では「本人(男性)の家事・育児の負担が大きい」とする回答の割合が、「配偶者(女性)の家事・育児負担が大きい」より明らかに多い結果となった。
しかし女性の回答を見ると、全世代で「本人(女性)の家事・育児の負担が大きい」とする回答が、「配偶者(男性)の家事・育児負担が大きい」を大きく上回った。
30代以上で見られる男女の回答結果の相関性が、20代においては見られないという興味深い結果となった。
■【同居の配偶者ありと回答した方への質問】
配偶者との家事・育児の役割分担に関する満足度を聞いたところ、多くの年代で女性の満足度が男性の満足度を上回った。特に40代・50代においてその傾向が強かった。
3.在宅勤務による考え方・意識への影響 <スキル・希望職種・地方移住>
■資格取得やスキルアップへの意欲については、「意欲が高まり実際に開始した」「意欲は高まり具体的に計画中」が全体の30.5%となり、前回(28.3%)よりも微増した。
年代別でみると30代でその増加幅が大きく、前回(33.8%)から今回(41.2%)で7.4ポイント増加した。
■意欲が高まった理由は、「現在の会社でのスキルアップの必要性をより感じたため(67.5%)」が1位で、その割合は増加。30代を中心に若い世代(20代~40代)でその傾向が強かった。一方、「時間に余裕が出来たため(40.9%)」は前回より減少。「起業やフリーランスとして独立や転職に備えるため(37.6%)」「副業に必要なスキルアップのため(30.1%)」は横ばいだった。
■在宅勤務を機に転職や副業を検討したり、希望する職務や就業先が変化した人の割合は合計で46.3%に上り、前回(40.9%)より増加。転職を検討したり希望職務が変化した人は若い世代ほど多い一方で、副業については世代間の差はそこまで大きくなかった。
■コロナがきっかけで引っ越した人の割合は17.3%に上った。その内、「2拠点居住の生活に切り替えた」人も4.8%いた。年代別でみると、20代で35.2%、30代で22.1%がコロナをきっかけに引っ越しており、生活への大きな影響が見て取れる。
■コロナ禍と在宅勤務をきっかけにした地方移住への関心は、「高くなった」「やや高くなった」を合わせて27.1%となり、前回(25.2%)より微増。
特に20代では関心が高まった割合が合計で49.3%と半数近くに達した。
■地方移住への関心が高くなった理由としては、前回同様「在宅勤務が可能なので首都圏にいる必要を感じなくなった(44.8%)」が1位だった。
4.在宅勤務による考え方・意識への影響 <健康面>
■健康面への変化は「運動不足により体力が低下した(40.7%)」が1位、「運動不足により体重が増加した(35.3%)」が2位となり、前回と順位が逆転。「在宅勤務により腰痛などの問題が生じた(25.0%)は前回同様3位だったが、その割合は増加した。
■会社等からの健康面へのサポートの必要性については、「メンタル面の個別の相談窓口の設置(23.4%)」が1位となり、前回(19.4%)より増加。「外部のプログラムの紹介や参加への金銭補助(22.1%)」は微増したが2位で、前回と順番が逆転する結果となった。
■在宅勤務により幸福度が上がった人は45.7%に上った。男女共に若年層(20代・30代)になるほどその傾向が強く、20代女性では71.9%と高い結果となった。
■幸福度が上がった理由としては、「通勤ストレスが軽減されたから(75.1%)」「睡眠時間が増えたから(51.5%)」「趣味やリフレッシュの時間が増えたから(47.9%)」が主な理由。男女別では、男性で在宅勤務により「家族との時間が増えたから」、女性で「家事・育児・介護との両立がしやすいから」が異性より高い傾向となった。
<調査概要>
調査方法 :インターネットを通じたアンケート方式
調査期間 :2021年11月19日~22日
調査対象 :2021年の新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた緊急事態宣言中に、在宅勤務を経験した三大都市圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県)の20歳以上の男女
回答者数 :1,101名
回答者属性:20代、30代、40代、50代、60代以上 男女 各100名超
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社パソナグループ/6月15日発表・同社プレスリリースより転載)