令和3年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表します
WBGT値を実測して備え、体調不良時には直ちに対応を
厚生労働省では、令和3年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を取りまとめましたので、公表します。
令和3年における職場での熱中症※1による死傷者(死亡・休業4日以上)は、561人(前年比398人・41%減)であり、全体の約4割が建設業と製造業で発生しています。入職直後や夏季休暇明けで明らかに暑熱順化が不足している とみられる事例、 WBGT※2 を実測せず、その結果として WBGT 基準値に応じた必要な措置が講じられていなかった事例等も見られ ています 。
また、熱中症による死亡者数は20 人(前年比2人・ 10%減)であり、 死亡災害の発生は8月に集中しており、建設業(11人)や商業(3人)で発生しています。死亡災害には、「休ませて様子を見ていたところ容態が急変した」、「倒れているところを発見された」など、管理が適切になされておらず被災者の救急搬送が遅れた事例が含まれてい ます。
それぞれの作業場では、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を踏まえ、「初期症状の把握から緊急時対応までの体制整備」、「暑熱順化※3 が不足していると考えられる者の把握」、「WBGT値の実測とその結果を踏まえた対策の実施」を重点的に取り組んでください。なお、新型コロナウイルス感染症対策のためのマスクの着用の考え方については、別添3のリーフレットをご参照ください。
*1 熱中症とは
高温多湿な環境下において、体内の水分と塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称。めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐(おうと)・倦怠(けんたい)感・虚脱感、意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害、高体温などの症状が現れる。
*2 WBGT値とは
気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数。
*3 暑熱順化の不足とは
暑熱環境下での作業に身体の体温調節や循環の機能が慣れていないこと。入職直後や夏季休暇明けの者は暑熱順化の不足が疑われ、熱中症の発症リスクが高い。
◆詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省/5月31日発表・報道発表より転載)