令和4年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します
~今年は、緊急時の対応体制の整備、暑熱非順化者の把握、WBGT値の実測に着目~
厚生労働省は、職場における熱中症※1予防対策を徹底するため、労働災害防止団体などと連携し、5月から9月まで、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施します。
●「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」概要
厚生労働省は、労働災害防止団体などと連携し、事業場への熱中症予防に関する周知・啓発を行う他、熱中症に関する資料やオンライン講習動画等を掲載しているポータルサイトを運営します。
また、周知、啓発に当たっては熱中症発生時に速やかに適切な対応を行うために必要な「初期症状の把握から緊急時対応までの体制整備」、熱中症の発症リスクの高い作業者に対応するために必要な「暑熱順化が不足している(※2)と考えられる者の把握」、熱中症を発生させないために必要な「WBGT値(※3)の実測とその結果を踏まえた対策の実施」について重点的に呼びかけます。
●「令和3年職場における熱中症による死傷災害の発生状況(速報値)」
令和3年の速報値では、死亡を含む休業4日以上の死傷者数は547人、うち死亡者数は20人となっています。業種別にみると、死傷者数については、全体の約4割が建設業と製造業で発生しています。また、死亡者数は、「建設業」、「商業」の順に多く、被災者の救急搬送が遅れた事例が見られます。また、入職直後や夏休み明けで暑熱順化が不十分とみられる事例(死亡災害20件中9件)や、WBGT値を実測せず、その結果としてWBGT基準値に応じた措置が講じられていなかった事例(死亡災害20件中、日頃からWBGT値を実測していたことが確認された事例は5件のみ)なども含まれています。
※1 熱中症とは
高温多湿な環境下において、体内の水分と塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称。めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐(おうと)・倦怠(けんたい)感・虚脱感、意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害、高体温などの症状が現れる。
※2 暑熱順化の不足とは
暑熱環境下での作業に身体の体温調節や循環の機能が慣れていないこと。入職直後や夏季休暇明けの者は暑熱順化の不足が疑われ、熱中症の発症リスクが高い。
※3 WBGT値とは
気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数。
◆詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省/2月22日発表・報道発表より転載)