日本総報酬サーベイ(Total Remuneration Survey)2021年度の結果を発表
- 参加企業数は863社(昨年737社)、うち日系企業は98社増(前年比+48%)の302社にまで急増し、日本国内における報酬サーベイとしては過去最大規模を更新
- 最新の調査結果では、日系企業の課長の賞与込み年収は1,032万円(昨対比-1%)、部長は1,362万円(昨対比-0%)と昨年並みの水準にとどまった。新型コロナウイルス感染症の影響を受けて大幅な給与減が報じられる中、本サーベイ参加企業における報酬水準の落込みは限定的
- 日系企業の報酬を職種別に比較すると、データアナリティクス職種では、全職種中央値と比較して5~8%報酬額が高く、人材市場における獲得競争の激しさを表す結果に
世界最大級の人事・組織コンサルティング会社マーサーの日本法人であるマーサージャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO・草鹿 泰士)は、日本における報酬に関する市場調査「Total Remuneration Survey(以下、TRS)」の2021年版レポートを発表した。
近年、社会・経済構造の変化やコロナ禍でのリモートワークの導入により、関心が高まっていたジョブ型雇用は、人事制度への導入に踏み切る日本企業が相次いだことで一過性のブームの域を脱して確実な潮流となった。これに伴い、“ジョブ型雇用”という言葉はバズワード化し、企業にとって事業・人材戦略に沿った “自社が目指すべきジョブ型雇用”を定義することの重要性が高まっているといえる。
本リリースについて、マーサージャパン プロダクト・ソリューションズ部門代表の増渕匡平は次のように述べている。
「今年ほど日本、特に日系企業における報酬ベンチマークの浸透を感じた年はありません。報酬サーベイデータを使って自社の報酬競争力を把握するだけでなく、報酬制度の運用・メンテナンスの一環として市場報酬水準を定点観測的にチェックするお客様が増えています。ジョブ型雇用の導入検討をはじめ、人材獲得や従業員エンゲージメント向上に、本サーベイデータをご活用いただけましたら幸いです」
<調査結果ハイライト>
参加企業数は863社(昨年に比べ126社増加)に増え、過去最多となった。うち日系企業は302社(98社増)と全体の約1/3を占めている
- 金融業界調査がローンチし、初年度の2021年は銀行・証券・生損保・フィンテック企業などから47社が参加
- ハイテク業界、金融業界、化学業界を中心に日系企業の参加率が上昇
- 外資系企業(日本法人)と比較して、日系企業(本社)は組織規模が大きいため、参加企業における大規模組織の参加割合が増加
日系企業の課長の賞与込み年収は1,032万円(昨対比-1%)、部長は1,362万円(昨対比-0%)であった
- 日系企業、外資系企業の年収水準額を2020年水準と比較すると、いずれも前年並
- 昇給予算の平均は2020年が1.8%、2021年が2.0%。昇給を凍結した企業の割合も2020年が22%、2021年が9%と減少していることから、新型コロナウイルス感染症が報酬に与える影響は限定的
職種別に日系企業・外資系企業の年収(手当・賞与込み)を比較すると、営業/マーケティング、データアナリティクス、法務の報酬は、全職種中央値を上回っている
- 職種別報酬差は日系企業よりも外資系企業の方が大きい
- 日系企業でも獲得競争が激しいデータアナリティクス職種では入社1-5年目の報酬で全職種と7%程度の報酬差が生じた
- 日系企業のデータアナリティクス職種の年収を2020年水準と比較すると、市場昇給予算平均(1.8%)を超え5~8%上昇した
マーサー総報酬サーベイ(Total Remuneration Survey):マーサーが30年以上実施している『総報酬(給与・福利厚生)』のコンセプトに基づく市場調査で、一般に総報酬調査・総報酬サーベイとも呼ばれるものです。
Total Remuneration Survey(TRS)の特徴:
- 世界140ヵ国で実施され、グローバルトップを含む30,000社以上/1,500万人以上のトップポジションから非管理職層まで、全役職員の報酬情報を収集、提供しています。
- 世界同一基準で実施されており、国内だけでなくグローバルで横断的にご活用いただけます。
- 基本報酬、固定/変動賞与、各種福利厚生等の報酬水準のみならず、昇給率、賞与支給状況、雇用動向など労働市場のトレンドも確認することができます。
- 日本では、2021年は863社が参加し、日本の報酬調査として圧倒的な規模となります。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(マーサージャパン株式会社/11月24日発表・同社プレスリリースより転載)