緊急事態宣言下における中小企業のテレワーク実施状況に関する緊急調査
東京商工会議所(三村明夫会頭)は、中小企業のデジタルシフト推進委員会(委員長:金子眞吾副会頭・凸版印刷会長)において、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言が発令されるなか、中小企業におけるテレワークの実施状況や課題などを把握するため、標記アンケートを実施し、調査結果をとりまとめましたので、お知らせします。
「テレワークの実施状況に関するアンケート」調査概要
▽調査期間:2021年1月29日(金)~2月8日(月)
▽調査対象:東京商工会議所会員企業14,141社(回答数:1,440社(回答率10.2%))
【調査結果のポイント】
1.テレワークの実施率(企業ベース)について
- テレワークの実施率は66.2%。(前回緊急事態宣言時(2020年4~5月)に比べ、1.1ポイント減少)
- 従業員別では、前回緊急事態宣言時と比べた際の増加率は「29人以下」が6.2ポイント増で最大であった。
- 業種別では、前回緊急事態宣言時と比べた際の増加率は「卸売業」が4.7ポイント増で最大であった。
2.テレワークを実施している社員の割合について
- テレワークを実施している社員の割合は減少しており、その割合については「20%以下」が10.9ポイント増の29.8%で最も高く、「81~100%」は10.1ポイント減少の11.1%であった。
3.テレワーク実施の課題について
- テレワークを実施するうえでの課題は、「社内のコミュニケーション」が63.1%で最大であり、次いで「情報セキュリティ」が60.1%、「PCや通信環境の整備状況」が58.4%となった。
4.今回非実施企業の前回緊急事態宣言期間中のテレワーク実施状況ついて
- 今回調査でテレワークを実施していない企業のうち75.7%が、前回の緊急事態宣言時にもテレワークを実施していなかった。
5.テレワークを実施できない理由ついて
- テレワークを実施できない理由として挙げられたのは、全体では「テレワーク可能な業務がない」が63.5%で最大であった。しかし、前回の緊急事態宣言時に実施した企業と、前回・今回(両方)とも非実施企業で比べると、前回実施が両方非実施を「取引先とのコミュニケーション」で25.5ポイント上回った。次いで「生産性の低下」は20.7ポイント、「労務管理・マネジメント」は10.8ポイント上回った。
<企業の声>
- 取引先からの要請などを受け、オンライン商談を行っている。また、海外への営業もオンライン商談でできるようになり、出張費に加え、移動時間も削減出来ているが、社員のスキルにバラつきがあり、すべての営業社員が使いこなせていないことが課題である。【製造業/29人以下/4~5月実施・今回実施】
- 現場を含む複数の部署と協議しながら行う①図面作成、②数量算出、③請求書発行などの業務や、突発的な短納期での発注への対応は、テレワークでは難しい。【建設業/30~49人/4~5月実施・今回非実施】
- 日本茶を販売しており、店頭での販売が主力のため、前回の緊急事態宣言時もテレワークは実施しなかった。冠婚葬祭の減少や規模縮小により返礼品需要が減っているため、その売上を補うために3月よりECサイトを新設する予定。【小売業/29人以下/4~5月非実施・今回非実施】
【本件担当・問い合わせ先】
東京商工会議所
中小企業部
担当 横山、長濱
TEL 03-3283-7624
FAX 03-3283-7235
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(東京商工会議所 / 2月25日発表・同会議所プレスリリースより転載)