人手不足に対する企業の動向調査(2020年7月)
生産年齢人口が減少するなか、近年は人手不足の解消が企業経営において最重要課題としてあげられている。また、人手不足によって倒産に追い込まれるケースも増加傾向にある。そのため、企業には常に生産性の向上などの「働き方改革」が求められている。一方で、新型コロナウイルスの影響で国内景気は厳しい水準で推移しており、採用の見送りや失業者の増加、労働者の減少などといった雇用動向に関する注目度はより一層増している。
そこで、帝国データバンクは人手不足に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2020年7月調査とともに行った。
※調査期間は2020年7月16日~31日、調査対象は全国2万3,680社で、有効回答企業数は1万1,732社(回答率49.5%)。なお、雇用の過不足状況に関する調査は2006年5月より毎月実施しており、今回は2020年7月の結果をもとに取りまとめた
※本調査の詳細なデータは景気動向オンラインに掲載している
<調査結果>
- 正社員が不足している企業は30.4%(前年同月比18.1ポイント減)となった。7月としては4年ぶりの3割台となり、人手不足割合は大幅に減少している。業種別では「建設」(51.9%)が最も高く、「メンテナンス・警備・検査」「教育サービス」「農・林・水産」など7業種が4割台で続いた。上位となった10業種中で8業種は人手不足割合の大幅な減少がみられるなか、「教育サービス」と「各種商品小売」の2業種は増加した。また、人手が「過剰」とした企業は22.9%で同13.6ポイント増となるなど、企業の過不足感は大きく変化している
- 非正社員では、企業の16.6%で人手が不足していた(前年同月比13.2ポイント減)。2013年2月(16.6%)の水準まで減少している。業種別ではスーパーマーケットを含む「各種商品小売」が47.6%(同14.6ポイント減)で最も高い。次いで、「教育サービス」「飲食店」「飲食料品小売」「娯楽サービス」などが続いた
- 人手不足割合が高かった「旅館・ホテル」は、新型コロナウイルスの影響で大きく変化し、人手が「過剰」とする割合は正社員・非正社員ともに全業種中で最も高くなった。「飲食店」の人手不足割合は、緊急事態宣言が解除され客足が戻ったことで上昇傾向にある
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(株式会社帝国データバンク / 8月25日発表・同社プレスリリースより転載)