新型コロナウイルスが4月新入社員研修に与える影響に関するアンケート
カレイドソリューションズ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役 高橋 興史)は、企業の人材開発担当者を中心とした、新型コロナウイルスの新入社員研修に与える影響についての追跡調査アンケートを行いました(調査期間:2020年3月24日13:00より3月25日21:00、有効回答数53社54名)。調査結果の集計・分析結果を以下、報告します。
【調査結果】
■入社式の実施方法はほぼ決定、ウェブで短時間化もしくは人数を分散する傾向
全体としては、「これまで通り実施」が33.3%、「時間を短縮する」が27.8%となりました。また、その他ほぼ同程度で上から「拠点単位で分ける」「取り止め」「ウェブセミナー(集合)」「ウェブセミナー(在宅)」「延期」「同じ会場で小集団に分ける」が並びました。
「これまで通り」と「取り止め」の2つの選択肢は採用人数規模ごとにみて有意な差がありました。採用人数が増えるほど「これまで通り」実施する企業は減少し、対照的に「取り止め」る企業が増加しています。
まず、採用人数10名以下では「これまで通り」を選択した企業が69.2%だったのに対し、11‐30名では41.7%、100名以下では25%、100名を超える場合は「これまで通り」を選択した企業はありませんでした。一方、採用人数10名以下の企業では7.7%ほどしか選ばれていない「取り止め」という選択肢は、100名を超える企業では30.8%ほど選ばれています。
このことから、採用規模が大きくなるほど入社式について何らかの変更を余儀なくされ、その主な選択肢の一つとして、取り止めが選択されていることが伺えます。
■研修について
1)講義型の研修
「これまで通り」が40.7%と最も多く、変えずに行うものもあることがわかりました。次に「時間を短縮する」「ウェブセミナー(在宅)」「e-learning/マイクロLearning」が31.5%-33.3%で並びました。次に「ウェブセミナー(集合)」「拠点/部署単位で分ける」「同じ会場で小集団に分ける」が20.4%-24.1%で並びました。「新型コロナウイルスによる取り止め」「延期」は13%、11.1%でした。また、「検討中」は9.3%ありました。
通勤ラッシュを避けるなどの対策や、オンライン受講などが時間の短縮に影響したと推察します。「取り止め」や「延期」は出ているものの、講義型研修についてはそれほど多くなく、うまく実施手段が発見できた傾向があるようです。
2)体験型の研修
「これまで通り」が38.9%と最も多く、前回調査に比べ大きく伸び、変えずに行うものもあることがわかりました。次に、「新型コロナウイルスによる取り止め」が29.6%と講義型研修と違った傾向が見えました。
また「拠点/部署単位で分ける」が16.7%と多く、その後「ウェブセミナー(集合)」「e-learning/マイクロラーニング」「延期」、「時間を短縮する」「同じ会場で小集団に分ける」「ウェブセミナー(在宅)」が続きます。また、「検討中」は14.8%ありました。
前回調査と比較し、1ヶ月間の間に体験型をウェブセミナー型などで実施するといった代替手段が発見されてきたことが伺えます。
3)講義型・体験型研修の比較
・採用人数が大きくなるほどこれまで通りでは実施できない
採用数10名以下の企業は講義型・体験型ともに60%以上が「これまで通り」を選択しましたが、採用人数が増えるに従って減少し、100名超では「これまで通り」を選択する企業はありませんでした。
・体験型研修は講義型研修と比べて取り止めになることが多い
採用人数が多くなるほど研修の「取り止め」が増加しています。いずれの層でも、体験型研修の取り止めが講義型研修の取り止めを上回りました。特に採用数が100名を超える企業では実に半分以上が、体験型研修の取り止めを選択しています。
■カレイドソリューションズ見解
本調査で同時に行った定性的なコメントも併せて考えると、3月末の研修直前にも状況が刻一刻と変わり、度重なるスケジュール・方針変更に人材開発担当者が翻弄されている様子が強く伺えました。研修の仕事は、少しの変更が多くの影響をもたらすため、学習効果を維持しながらの実施を危ぶむ声も出ていました。
研修担当者からは、感染対策を筆頭に、研修場所、早期配属の検討、外部講師との調整、通信環境・機器の確保、在宅勤務の規程の整備、見学研修のキャンセル、テキストの再考、研修の内製化・オンライン化などに困難があったという声があがっています。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(カレイドソリューションズ株式会社 / 3月27日発表・同社プレスリリースより転載)