マンパワー・ジャパン雇用予測調査
2007年第3四半期(7−9月期)結果発表
総合人材サービスのマンパワー・ジャパン(神奈川県横浜市、渕木幹雄・代表取締役社長)は、2007年第3四半期(7-9月期)における企業の雇用計画を尋ねた「マンパワー雇用予測調査」の結果を6月12日付けで発表します。
調査結果は「2007年7-9月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員等を含む)は今期と比べてどのような変化がありますか?」という質問に基づいています。尚、本調査はマンパワー社が四半期ごとに世界27ヵ国・地域で行っている世界で最も広範囲にわたる事前調査です。
今回 、東京・大阪・名古屋の883社から回答を得ました。そのうち2007年第3四半期(7-9月期)に従業員を「増員する」と回答した企業は21%、「減員する」と回答した企業は5%、「変化なし」は70%となっています。季節調整後の純雇用予測*(増員%−減員%)は+21%で、前四半期に比べ5ポイント、前年同期比では3ポイントとわずかに減少しており、高水準は維持されつつも、調査開始以来、初めての低下となりました。
マンパワー雇用予測調査は、東京、大阪、名古屋の3地域に対し地域別の調査を行うと共に、7業種*の業種別での調査を行っています。
地域別の純雇用予測(季節調整後)では、前四半期と比較すると東京が8ポイント、大阪が2ポイント、名古屋が3ポイントとなり、3地域すべてにおいてわずかに減少が見られました。純雇用予測が最も低かったのは東京で+18%、名古屋は+21%、大阪では+23%となり、いずれの地域も依然として雇用に対して前向きな姿勢が見られる反面、雇用意欲は前四半期に比べやや減退しています。また業種別(7業種)で見ると、前年同期と比べると1ポイント増加している「サービス」が+26%と最も高い値となりました。但し、前四半期と比べ、1ポイント減少している傾向も見られます。次いで「製造」も、前四半期比は3ポイントの低下となりましたが、+23%と見通しの明るい数値を示しています。
*純雇用予測: 調査結果のうち「増員する」と回答した企業数の割合(%)から「減員する」と回答した企業数の割合(%)を引いた値。
*季節調整値: 月々の変動の癖(季節的要因)を除去したことを推計した値で、調査開始から3年以上経っている国で適用しています。日本では2006年第3四半期から適用しましたが、今後は全て季節調整値をもとにした分析値を指標にしていく予定です。
*7業種:「金融・保険・不動産」「製造」「鉱工業・建設」「公共・教育」「サービス」「運輸・公益」「卸・小売」
【 調査結果 】 2007年第3四半期(2007年7-9月期)
(1)純雇用予測(季節調整後)は+21%と高水準を維持するも前期に比べわずかに減少
今回の調査では第3四半期の純雇用予測は、東京・大阪・名古屋における883社の企業の回答をもとにしており、数値としては+21%で、前期に比べわずかに減少すると予想されております。従業員を「増員する」と回答した企業は21%、また「減員する」との回答は5%、「変化なし」は70%となっています。
日本で雇用予測調査を開始した2003年第3四半期以来、2007年第2四半期まで最高値を記録してきましたが、この度の第3四半期では、わずかではありますが、初めて前期及び前年同期に比べ共に数値を下回る結果となりました。
(2)地域別の雇用意欲は、東京、大阪、名古屋ともに堅調
地域別の純雇用予測(季節調整後)では、3地域とも共通して高い水準を維持していますが、前四半期に比べ雇用意欲がやや後退しています。
東京は、純雇用予測の水準が3地域中で最も低く、前四半期に比べ8ポイント減の+18%、大阪は前四半期より2ポイント減少したものの、数値としては、+23%と引き続き安定した雇用意欲を示しています。また名古屋は前四半期に比べ5ポイント減の+21%と比較的明るい数値を維持しています。
(3)業種別では「サービス」で高い雇用意欲
季節調整後の値では、第3四半期の純雇用予測が最も高いのは「サービス」の+26%でした。前四半期比ではわずか1ポイントの減少が見られるものの、前年同期に比べて1ポイント増と比較的安定しています。次いで、「製造」が前四半期に比べ3ポイント減少しているものの、純雇用予測は+23%と楽観的な数値を示しています。
一方、前四半期で雇用意欲が最も高かった「金融・保険・不動産」は、前四半期に比べ15ポイント減少し、+16%となっています。また、「公共・教育」は、前四半期と同様、+9%で7業種中、最も低くなっていますが、前年同期と比べると4ポイント増え、緩やかな上昇傾向を示しています。
業種別で見ると、前四半期比では、純雇用予測は7業種の全てにおいて減少が見られますが、前年同期比では、減少は「金融・保険・不動産」、「製造」、「運輸・公益」、「卸・小売」の4業種にとどまり、「サービス」、「公共・教育」の2業種で増加、変化なしは「鉱工業・建設」の1業種でした。
(4)世界の結果は、高い雇用意欲を示しているものの、緩やかな減少傾向
世界の2007年第3四半期の純雇用予測(季節調整前)では、52,000社が調査対象となった27カ国・地域のうち、雇用意欲は、前四半期比では15ヵ国で減少が見られました。前年同期のデータがある19ヵ国・地域のうち、前四半期と比べ数値が上昇しているのは7ヵ国・地域となっています。
雇用意欲が高い水準を保っているのは、最も高いシンガポール(季節調整後+48%)をはじめとして、オーストラリア、香港、ノルウェー、ニュージーランド、日本で、反対に最も低いのは、イタリア(季節調整後+4%)、フランス、ベルギー、アイルランドとなっています。
地域別に見ると、北米・中南米の雇用意欲は、前四半期から安定的に推移していますが、前年同期比でみると米国やカナダでわずかに減少しています。アジア・太平洋地域の雇用意欲は堅調な数値を示しているものの、純雇用予測は前四半期に比べ、やや勢いが落ちています。
また、フランスとイタリアを除くヨーロッパ・中東・アフリカ地域の第3四半期の純雇用予測は、調査対象の13ヵ国のすべてでプラスとなっています。特に、ドイツ(季節調整後+13%)、ノルウェー(季節調整後+22%)では、調査開始以来の最高値を記録し、明るい見通しとなっており、堅調な雇用意欲を示しています。
【 調査概要 】
■ 調査時期: 2007年4月16日〜4月27日
■ 調査対象: 東京・大阪・名古屋の次の7業種における企業の人事部門長
(1)金融・保険・不動産、(2)製造、(3)鉱工業・建設、(4)公共・教育(役所、学校関係)、(5)サービス(情報処理、ソフトウェア、娯楽など)、(6)運輸・公益、(7)卸・小売
■ 質問内容: 「2007年7-9月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員などを含む)は今期(2007年4-6月)と比べてどのような変化がありますか?」
■ 調査方法: 次のいずれかの方法で回答を収集。
(1)電話による聞き取り (2)電子メールによるアンケート
■ 有効回答数: 日本国内 883社、世界27カ国・地域では52,000社
■ 誤差の範囲: 調査国、地域、及び世界レベルでのデータ全体に関して、誤差の範囲は±3.2%以内となっています。
※ 次回のマンパワー雇用予測調査(2007年第4四半期)の結果発表は、2007年9月11日の予定です。
< マンパワー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 渕木幹雄からのコメント >
景気低迷期に採用の抑制等のスリム化を進めてきた企業の多くは、競争力の増強を図り、新卒採用を拡大させています。また、サービス業・製造業を中心とした中途採用も活発化し、派遣社員やアルバイト、パート等、正社員以外の雇用形態で働く人々に対する採用も増加しています。このため、正社員以外の人々にとっても、能力開発の機会が今後ますます求められることが予想されます。
マンパワーでは、e-ラーニングシステムである「ダイレクトトレーニング」を216コース用意し、従来から登録スタッフの方々に無料で提供していますが、2007年5月21日には「ビジネススキル」プログラムを114コース新設しました。内容としては、マネージメント・リーダーシップ等、ビジネス全般に必要とされるスキル習得のコースに加え、財務会計・プロジェクト管理・マーケティング・セールス等の実務に関連するコースを多く揃えています。マンパワーでは、これからも働く人々のスキルアップを応援していきます。
※ 調査の詳細は、同社HPまで。
(マンパワー・ジャパン http://www.manpower.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・6月12日)