T&Mシステムズ
「人材の確保と従業員ロイヤリティの関係性」の調査実施
マーケティング・コンサルティングを手掛けるT&Mシステムズ(愛知県名古屋市、肥田高志・代表取締役社長)は、人材不足と2007年問題により企業の死活問題へと発展している「人材の確保」 と既存の社員により生成される「従業員ロイヤリティ」との関係性に関する調査を実施しました。
調査は2007年1月16日〜2月9日の期間で、従業員数1100名以上の企業を対象に行い、69社とその従業員3712人から有効的な回答を得ることができました。
調査結果によると、従業員ロイヤリティの高い企業の21社中18社が、 人材不足のなか、中途採用により即戦力である人材を効率的に獲得できていることが明らかとなりました。従業員の離職率に関しても、従業員ロイヤリティの高い企業が年間平均7.9%であったのに対して、それの低い企業は年間平均が20.4%と、大きな差が生じることとなりました。 多くの企業が人材を獲得するため、求人広告に多額のコストを費やしております。そのコストと視線を既存の従業員に向け、従業員ロイヤリティを高めることが、効果的な人材獲得と優秀な人材の流出を防止できる最も効 果的な方法であるということを強く認識する必要があると言えます。
■ 従業員ロイヤリティと中途採用における入社率
従業員ロイヤリティと中途採用における入社率との関係性を調査したところ、従業員ロイヤリティの高い企業の内定に対する入社率が平均82%、低い企業の入社率が平均27%であり、転職希望者は従業員ロイヤリティの高い企業へと流れていくことが解りました。求人の効率性を測る応募者1名当りの求人広告費においても、従業員ロイヤリティの高い企業の平均が24,611円であったのに対して、低い企業の平均は43,725円 となっております。
従業員ロイヤリティを高めれば、低コストで多くの転職希望者を集めることができ、且つ効率的に人材を獲得することができることを表す結果とな りました。
■ 従業員ロイヤリティと離職率
従業員ロイヤリティと年間離職率との関係性調査においては、両者間に強い関係性があることを見出すことができました。すなわち、調査の結果により、従業員の離職を防止する最も効果的な方法は、従業員ロイヤリティを向上させることであると、言い切りことができます。
◆ 従業員ロイヤリティの高い企業の年間離職率
・ 平均:7.9%
・ 最高:4.4%
・ 最低:15.1%
◆ 従業員ロイヤリティの低い企業の年間離職率
・ 平均:20.4%
・ 最高:12.7%
・ 最低:33.7%
■ 従業員ロイヤリティと顧客満足度
従業員ロイヤリティと顧客満足度との関係性調査によって、ロイヤリティの高い従業員が提供するサービスは顧客の満足度を高めることができる、ということが解りました。従業員ロイヤリティがサービス品質に大きな影 響を及ぼし、その先にある顧客満足度を左右するという、「従業員ロイヤリティ」、「サービス品質」及び「顧客満足度」の3つの要素が密接に関係していることを、この結果から読み取ることができました。
◆ 従業員ロイヤリティの高い企業と顧客満足度(100ポイント評価)
・ 平均:68.7ポイント
・ 最高:91.3ポイント
・ 最低:44.6ポイント
◆ 従業員ロイヤリティの低い企業と顧客満足度(100ポイント評価)
・ 平均: 45.1ポイント
・ 最高: 78.0%
・ 最低: 21.2%
■ 総評
多くの企業は、人材の流出防止よりも獲得を重視し、そのほとんどを求人広告に依存するしかない状況であると言えます。しかし、即戦力として期待される転職希望者は、新卒者の企業に対する観点とは大きく異なり「企業の実情」を重視します。それこそが、既存の従業員により生成される従業員ロイヤリティに他なりません。
今回の調査は、最初に従業員ロイヤリティに関する2つの簡単な質問から始めました。1つ目は「従業員ロイヤリティの存在」であり、「知っている」と回答した人事担当者は88%でした。しかし、2つ目の「自社の従業員ロイヤリティを正確に把握しているか」という質問に対しては、ほとんどの人事担当者が「把握できていない」という回答でした。 つまり、今回の調査により、従業員ロイヤリティの存在や重要性は理解しているものの、ほとんどの企業が正確に把握するための手法を持ち合わせていないことを知ることができました。それと同時に、優秀な即戦力を効率的に獲得し、人材の流出を防ぎたいのであれば、求人広告に多額の広告料を支払う前に、「従業員ロイヤリティを正確に把握した上で、それを向 上させるための策を講じる必要がある」ということを強く認識する結果となりました。
< 従業員ロイヤリティ >
従業員ロイヤリティとは、所属する企業に対する従業員の忠誠心や愛社精神、満足度から形成されるものです。当社が実施するEL調査では、 従業員とのインタビュー形式による調査で得た結果を満足度、信頼、関係性、ステータス、愛着といった評価軸により分析することで従業員ロイヤリティを的確に把握することができます。
< 調査概要 >
・ 調査方法: 企業及び従業員に対するアンケート調査
・ 調査対象: 従業員数100名以上のサービス業
・ 有効回答数:69社、従業員:3712人
※ 従業員ロイヤリティの高い企業:21社、従業員:1183人
※ 従業員ロイヤリティの低い企業:48社、従業員:2529人
・ 調査期間:2007年1月16日〜2月9日
< 各種数値の算出方法 >
・ 従業員ロイヤリティ: 当社のEL調査により算出(100ポイント評価)
※ 従業員ロイヤリティの高い企業:70ポイント以上の企業
※ 従業員ロイヤリティの低い企業:70ポイント未満の企業
・ 入社率: 2006年1月1日〜12月31日までの実数により算出
・ 離職率: 2006年1月1日〜12月31日までの実数により算出
・ 顧客満足度: 当社の顧客満足度調査により算出(100ポイント評価)
T&Mシステムズでは、的確に従業員ロイヤリティを把握するサービスで あるEL調査、並びに従業員ロイヤリティを高めサービス品質を向上させるSPCコンサルティング・サービスを提供しております。これらのサービスの一環として、危機的な人材不足に対する解決策を提供することにより、多くの企業を支援していきます。
(T&Mシステムズ http://tm-systems.co.jp/同社プレスリリースより抜粋・2月19日)