睡眠不足で労働時間を年60万日損失? 生産性向上に直結する「睡眠改善」とは
働き方改革が進み、各社が生産性向上に取り組む中で、「睡眠」の重要性に注目が集まっている。
三井物産では、社員向けに睡眠改善の実証実験を開始。海外出張が多く、睡眠が不規則になりやすい社員20人を対象に、睡眠中の心拍や呼吸、体の動きを測り、最適な入眠時刻や食事を取るべき時間を提案する。
また、吉野家では昨年、シフト勤務などの影響で生活が不規則になりやすい店長50人を対象に、睡眠の質を向上させる実験を実施。ウェアラブル端末から得られるデータと、スマートフォンのアプリ上で1 分程度で回答できるアンケートデータを組み合わせ、睡眠改善のアドバイスを行った(日本経済新聞より)。
イギリスの非営利研究機関ランド・ヨーロッパの調査研究によると、睡眠不足での生産性低下による日本の経済損失額は、国内総生産(GDP)比で2.92%で、調査対象5ヵ国のうち最下位。社会全体では年60万日を超える労働時間を損失しているという。
睡眠不足などによる生産性の低下は目に見えづらいが、改善することによって大きな効果が期待できる。今後、取り組みを行う企業はますます増加するだろう。
(『日本の人事部』編集部)