正社員への登用は増加傾向、過去1年間で55%の事業所で登用実績あり。新規学卒者の採用計画数に採用内定が達していない事業所割合は全学歴で前年同期を上回る~『労働経済動向調査(平成30年2月)』(厚生労働省)
厚生労働省では、このほど、労働経済動向調査(平成30年2月)の結果を取りまとめましたので、公表します。
「労働経済動向調査」は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題点を把握することを目的に、四半期ごとに実施しています。また、今回は特別項目として、「平成30年新規学卒者の採用内定状況(平成30年2月1日現在)」及び「正社員以外の労働者から正社員への登用の状況」についても調査しています。
本調査は、平成30年2月1日現在の状況について、主要産業の規模30人以上の民営事業所のうちから5,835事業所を抽出して調査を行い、このうち2,840事業所 (うち有効回答2,674事業所、有効回答率45.8%)から回答を得ています。
【調査結果のポイント】
1.正社員等は増加見込とする事業所割合が引き続き多い(平成30 年1~3月期実績見込)
(1)生産 ・売上額等判断D.I.「調査産業計」で7ポイント。主な産業別にみると「医療,福祉」(+8)、「製造業」(+7)、「建設業」(+4)、「卸売業,小売業」(+4)でプラス。「サービス業(他に分類されないもの)」はゼロ。
(2)所定外労働時間判断D.I.「調査産業計」で4ポイント。主な産業別にみると「建設業」(+5)、「製造業」(+4)でプラス。「卸売業,小売業」、「医療,福祉」でゼロ。「サービス業(他に分類されないもの)」(△6)ではマイナス。
(3)正社員等雇用判断D.I.「調査産業計」で9ポイント。主な産業別にみると「建設業」(+15)、「サービス業(他に分類されないもの)」(+ 14)、「製造業」(+13)、「医療,福祉」(+8)、「卸売業,小売業」 (+3)と各産業でプラス。
2.正社員等、パートタイム労働者ともに、不足とする事業所割合が引き続き多い
労働者過不足判断D.I.は、「調査産業計」で正社員等労働者は44ポイントと27期連続して、パートタイム労働者は32ポイントと34期連続して、それぞれ不足超過。正社員等労働者、パートタイム労働者ともに全ての産業で不足超過。
3.平成 30年新規学卒者の採用計画数に採用内定が達していない事業所割合は全学歴で前年同期を上回る
平成30年2月1日現在、平成30年新規学卒者の「採用計画・採用予定がある」事業所について、「採用計画数に採用内定(配属予定)が達していない事業所の割合は高校卒46%、高専・短大卒51%、大学卒(文科系)38%、大学卒(理科系)45%、大学院卒38%、専修学校卒55%となり、すべての学歴で前年同期を上回った。また、規模の小さなところほど達していない割合が高い。
4.正社員への登用制度がある事業所割合は72%と前年同期を上回る。
正社員以外の労働者から正社員への「登用制度あり」は、「調査産業計」で72%と前年同期の68%を上回った。また登用制度の有無にかかわらず、過去1年間の登用実績をみると55%と前年同期の50%を上回った。
<問い合わせ先>
政策統括官付参事官付雇用・賃金福祉統計室
参事官 石原 典明
室長補佐 佐田 晴康
労働経済第一係
(代表電話) 03(5253)1111(内線7622)
(直通電話) 03(3595)3145
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 3月27日発表・報道発表より転載)