「心の病」20代が急増。40代、30代が3割を上回りもっとも多いが、10~20代の割合も3割近くまで上昇し、各世代の比率が平準化~第8回『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査:日本生産性本部
公益財団法人日本生産性本部「メンタル・ヘルス研究所」は12月14日、「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果を取りまとめ発表した。本調査は、企業のメンタルヘルスに関する取り組みの実態を分析・解明するために、全国の上場企業 2,273社を対象に2017年7月から9月にかけて実施したものである(有効回答数 221社、回収率9.7%)。本調査は2002年から2014年まで隔年で7回実施しており、今回は8回目となる。主な結果は以下の通り。
●「心の病」の年代別割合:前回に続き、40代、30代が3割を上回りもっとも多いが、10-20代の割合も3割近くまで上昇し、各世代の比率が平準化。
前々回調査(2012年)以降40代と30代が拮抗して、10-20代がそれに続く形になっていた。今回も40代(35.8%)と30代(32.6%)が多いことに変化はないが、10~20代(27.9%)の増加が大きく、50代を除き各世代が平準化してきた。
●最近3年間の「心の病」の増減傾向は「増加傾向」24.4%、「横ばい」59.7%、「減少傾向」10.4%。「増加傾向」に歯止めがかかるも、依然として踊り場状態。
上場企業で『最近3年間における「心の病」』が「増加傾向」と回答した企業は、24.4%と、前回調査(2014年)の29.2%に引き続き減少した。「横ばい」と回答した企業は59.7%と、前回調査の58.0%、前々回の51.9%から増加傾向が続いている。2010年に「横ばい」が「増加傾向」を上回って以降、「増加傾向」の割合は減少し、「横ばい」が増加する傾向が続いており、増加傾向は25%を下回り過去最低に。一方、「減少傾向」は微増傾向が続くものの全体の10%にとどまり、「心の病」の増減は踊り場状態にある。
●ストレスチェック制度の実施状況:各社の平均受検率は90.0%と高水準。今後については、実施企業の約6割が「集団分析結果の活かし方」を課題に挙げた。
ストレスチェック実施企業各社の平均受検率は90.0%となり、受検者のうち高ストレス者の割合は10.3%となった。また、ストレスチェックの課題には「集団分析結果の活かし方(58.4%)」「高ストレス者の面接以外のフォロー(39.8%)」「医師面接勧奨者が面接を希望しないこと(30.3%)」が上位に挙がった。法定義務化されたことから非常に高い受検率であった一方、制度の活用面に課題がみえた。
●組織風土と「心の病」の増減傾向:ほとんどの職場で仕事の量が増え、要求される質も高まっている。変化や仕事の質を求められる組織で「心の病」は増加傾向に。
今回の調査では9割以上の企業が「求められる仕事の量が多くなってきている」「求められる仕事の質が高くなってきている」「従業員が自発的に今迄の仕事のやり方を変えていくことが求められている」と回答した。職場のストレスが常態化していることが明らかになった。これらの項目に当てはまる企業は「心の病」も増加傾向にある。
お問合せ先:
(公財)日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所
【ICT・ヘルスケア推進部/担当齋藤、飯田、中野】
電話:03-3409-1127
◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(公益財団法人日本生産性本部 http://www.jpc-net.jp/ /12月14日発表・同法人プレスリリースより転載)