日本人は「快適な職場環境」を求める一方、キャリアアップ志向は弱い結果に。また、年齢と共にキャリアアップ志向は低下、安定志向は上昇する傾向に~『働き手が考える「理想的な職場」』:ランスタッド
総合人材サービス・ランスタッドホールディング・エヌ・ヴィー(本社:オランダ王国ディーメン、CEO: ジャック・ファン・デン・ブルック、以下ランスタッドHD)は、毎年グローバル共通で勤務先として魅力のある企業を調査する「ランスタッド・エンプロイヤーブランドリサーチ」を実施しています。2018年度の調査結果発表は2018年2月27日を予定しており、日本を含む30の国と地域で調査が実施されます。
そこで、本リリースでは、本年度に行われた同調査(ランスタッド・エンプロイヤーブランドリサーチ2017)のなかから、働き手が考える「理想的な職場」に関する調査結果をご紹介します。日本人とグローバルの平均、性別・年代別で比較すると「職場環境」や「キャリアアップ」について大きな意識差があることが分かりました。
●日本人の平均とグローバル平均では「職場環境の快適さ」「キャリアアップ志向」に乖離が。「職場環境の快適さ」を最重要視する日本人。「キャリアアップ志向」は13ポイントの開き
●女性が「職場環境の快適さ」を最重要視する傾向は世界共通で変わらず。
更に、男女ともに「職場環境の快適さ」「キャリアアップ志向」の数字にグローバル比で大きな差
●グローバルと日本、共通で見られた安定志向。
グローバル結果では、高年齢の層が日本よりも長期雇用を重視
■調査結果 概要
日本人の平均とグローバル平均では「職場環境の快適さ」「キャリアアップ志向」に乖離が
「職場環境の快適さ」を最重要視する日本人。「キャリアアップ志向」は13ポイントの開き
勤務先を選ぶ上で重要視される9項目から、理想的な職場に欠かせないと思うものを回答してもらいました。(複数回答可)
その結果、「職場環境の快適さ」が重要だと回答した日本人は全体の60%で、ほかの項目と比較して最重要視されていることが分かりました。一方、グローバル平均は43%にとどまり、その差は17%に。職場環境の快適さは、日本人にとって欠かせない要素であると同時に、グローバルの他の項目と比較しても特筆すべき点であることが読み取れます。
また、日本人の「キャリアアップ志向」が低いことが判明。グローバルでは「キャリアアップの機会がある」ことを重要視したのが全9項目のうち4番目だったのに対し、日本人は6番目で、その差は13ポイントに及びます。
女性が「職場環境の快適さ」を最重要視する傾向は世界共通で変わらず。
更に、男女ともに「職場環境の快適さ」「キャリアアップ志向」の数字にグローバル比で大きな差
「職場環境の快適さ」については、女性はともに最重要視(日本人 67%、グローバル 47%)していることが分かりました。一方、「キャリアアップの機会」については、14ポイントの大きな差(日本人20%、グローバル34%)がありました。
グローバルと日本、共通で見られた安定志向。
グローバル結果では、高年齢の層が日本よりも長期雇用を重視
年代別で見ると、「キャリアアップの機会」に対し、日本とグローバル共に年齢が上がるにつれて重要度が下がりました。一方で、「長期にわたる安定した雇用機会」において、若年層(18~24歳)と中年層(25~44歳)葉日本がグローバルよりも重要視していましたが、高齢層(45~65歳)についてはグローバルのほうが高く、7ポイントの差がありました。
■ランスタッド・リサーチインスティテュート 所長 中山 悟朗
今回の調査結果では、日本の働き手は海外と比較すると職場環境の快適さをより重要視する一方、キャリアアップの機会に対する比重は小さいことがわかりました。良い職場環境の条件は、オフィス環境などのハード面を指すと同時に、職場の良好な人間関係といったソフト面も大いに含まれていることでしょう。男女問わずこの傾向が変わらなかった本調査結果は、和を重んじる日本の国民性を表しているのかもしれません。
一方で、「長期にわたる安定した雇用機会」は、日本とグローバル結果両方とも年齢が上がるにつれて重要度が高くなる傾向が導き出されました。高齢層についてはグローバル結果のほうが寧ろ日本よりも高く、終身雇用を求める安定志向が強調されがちな日本人にとっては意外な結果だったのではないでしょうか。弊社が2017年第3四半期に発表した「ランスタッド・ワークモニター(労働者意識調査)」によると、日本企業は他国と比較し、労働者に対するスキルアップ支援体制や実施率が極端に低い結果でした。(※)今回の調査結果と併せると、グローバルでは安定した雇用とキャリアアップの機会を同時に求める労働者の声に、企業側もスキルアップの機会を積極的に与え、応えていることが読み取れます。キャリアアップの機会と安定雇用を相反した考え方で捉えることなく、自社の従業員に提供するスキルやキャリアの向上機会に重点を置いた組織が魅力的だという表れなのではないでしょうか。また、キャリアアップと言っても、「1つの職種で役職を上げる」ことに価値を感じる社員もいれば、「様々な職種に就き、多くの経験をする」ことに価値を感じる社員もいます。そうした多様な価値観を認め、支援姿勢やメリットを示すことで働き手は自らの価値が認められていると感じ、キャリアアップの機会と安定雇用を同時に達成することができるのではないでしょうか。
※ 調査結果の詳細は、ワークトレンド360にて公開しています。
■調査概要
回答者: 就業有無を問わずした18~65歳の男女160,000名(内、日本国内調査の回答対象者5,292名)
調査対象企業: 5,495社(内、日本国内調査対象企業220社)
調査期間: 2016年11月~12月
調査対象国: 以下、26ヶ国の国と地域
日本、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、ハンガリー、インド、イタリア、ルクセンブルク、マレーシア、オランダ、ニュージーランド、ポーランド、ポルトガル、ロシア、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカ
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ランスタッド株式会社 http://www.randstad.co.jp/ /12月8日発表・同社プレスリリースより転載)