「海外で働きたくない」若手社員が増加 狙うは海外人材
海外で働きたい、と考える若手社員が減っている。産業能率大学が、今年4月に入社した新入社員を対象に実施した調査によると、「海外で働きたいとは思わない」と回答した人は全体の60.4%。この割合は調査を開始した2001年と比較して、倍以上に増加している。
海外志向の若手社員が減る中で、海外進出を狙う企業では、グローバルで活躍できる人材の不足が深刻だ。一部の企業では、日本国内だけでなく、海外でも優秀な人材を獲得しようとする動きが進んでいる。
ファーストリテイリングは今年、世界16の国と地域でインターンシッププログラムを実施。同社が世界各国・地域で、長期間インターンを受け入れるのは、今年が初めてとなる。また、ソフトバンクは今年からインド工科大学(IIT)で採用活動を開始。同社はこれまでもインドやベトナムなどで大卒や大学院卒を採用してきたが、大学が就職先を管理するIITでは採用活動を行っていなかった。海外でのソフトバンクグループの知名度が高まったことで門戸が開かれ、今後はさらなる優秀な人材の獲得に乗り出す(日本経済新聞より)。
日本では、少子高齢化により今後さらなる人口減少が予想される。縮小する国内市場を脱し、グローバル進出に活路を見出そうとする企業は少なくない。そのためには、日本の採用市場だけでなく、海外でも優秀な人材の獲得を進めることが、大きな鍵となるだろう。
(『日本の人事部』編集部)