介護離職を考えたことがある管理職は47.5%。7割以上の管理職が「介護と仕事の両立」に不安を感じていることが明らかに~『介護と仕事の両立についての調査』:アデコ
世界最大(※1)の人財サービス企業であるアデコグループの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川崎健一郎、以下「アデコ」)は、11月11日の「介護の日」を前に、親族の介護に携わった経験のある管理職(部長職、課長職)600名を対象に、「介護と仕事の両立」についてアンケート調査を実施しました。
2017年1月に「改正育児・介護休業法」が施行され、通算93日取得可能な介護休業の分割取得や、介護休暇の半日単位での取得、所定外労働(残業)の免除が認められるようになりました。さらに10月の改正では、企業に対し、これらの制度を社員に周知する努力義務が課せられるなど、介護と仕事の両立支援策の拡充が進んでいます。
実際に、少子高齢化が進む中、働き盛りの世代は、親族の介護と仕事の両立を迫られています。管理職は、自身が仕事と介護の両立に直面しながら、一方で、「ケアボス」という言葉に表されるように、介護を担う部下に配慮する役割も求められています。そこで、アデコでは、介護と仕事の両立推進の現状や意識を把握するために、介護に携わった経験のある管理職を対象として、介護と仕事の両立について調査しました。
(*1) Staffing Industry Analysts 2017、人財サービス企業売上ランキングより
〈結果サマリー〉
- 介護に携わる管理職の47.5%が「退職を考えたことがある」。
介護への関与が大きい管理職の場合は、退職を検討する割合が57.2%に上昇し、離職リスクがさらに高まる。 - 「介護と仕事の両立」に不安を感じたことがある管理職は、77.3%。介護への関与が大きい管理職では、83.3%にのぼる。
「不安」の具体的な内容は、「精神的な負担」(50.4%)が最も高く、続いて「同僚・部下の仕事に影響が出る」(49.8%)、「労働時間が長く、介護に時間を割けない」(47.0%)、「体力的な負担」(42.5%)。 - 介護を担う部下を持つ管理職のうち、91.9%は部下を支援したいと思っている「ケアボス」志向。
一方、実際に「支援できた」と考える管理職は73.5%で理想と現実で18.4ポイントの開きがある。
「業務量や役割分担の調整が困難」(57.0%)、「プライベートなことなので聞きづらい」(38.8%)といった点が、部下の「介護と仕事」の両立支援における課題。
今回の調査結果から、介護に携わる管理職が直面する課題が明らかになりました。介護を理由に離職をする人は年間10万人にのぼり、労働人口が減少する中、介護と仕事の両立に向けた支援の重要性は増しています。職場の中核を担う立場である管理職が、介護を理由に職場を離れることは、本人のキャリア開発の実現を妨げるだけではなく、企業の生産性や競争力を低下させる要因の一つになります。企業には、制度を利用しやすい職場の風土醸成と労務対策が求められます。
アデコは人財開発を担う立場として、介護しながら働く人に対し、個々の希望を踏まえたキャリア開発の支援を行うと同時に、企業の職場環境の整備・改善に貢献することで、誰もが安心して働ける社会の実現を目指してまいります。
※調査結果の詳細はこちら
【調査概要】
調査対象:親族を介護した経験があり、直属の部下を持つ管理職(課長職・部長職)600名
調査方法:インターネット調査
実施時期:2017年10月
<本件に関するお問い合わせ先>
アデコ株式会社 Communication & Branding部
Tel:03-6743-8085
◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(アデコ株式会社 http://www.adecco.co.jp/ / 11月8日発表・同社プレスリリースより転載)