中小企業でもITを活用して「売上拡大」、または「業務プロセス改善」の効果を期待する企業ではクラウド、データアナリティクスなどの導入が比較的進んでいる~『国内SMB IT市場企業革新の取り組み調査』:IDC Japan
IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、2017年2月に実施した国内SMB(Small and Medium Business:中堅中小企業[従業員数999人以下])ユーザー調査、ならびにベンダー、SIerなどへのヒヤリング調査結果などを分析し、国内SMBにおける第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、データアナリティクス、ソーシャル技術)、ならびにイノベーションアクセラレーター(コグニティブ/AIシステム、IoTなど)の利用動向について発表しました。
●SMB(従業員規模:999人以下)においても、「国内第3のプラットフォーム市場」の支出規模は、堅調に拡大し、国内SMB IT市場を牽引する
●SMBの中でもITを活用して「売上拡大」、または「業務プロセス改善」の効果を期待する企業ではクラウド、データアナリティクスなどの導入が比較的進んでいる
●ITサプライヤーは、第3のプラットフォームを活用した業務効率化から、企業変革に向けてのロードマップをユーザー企業に提示することが求められる
国内第3のプラットフォーム市場におけるSMBのIT支出額は、2017年に2兆9,869億円で前年比成長率5.3%を見込み、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は6.2%を予測しています。SMBにおいても、第3のプラットプラットフォーム市場のIT支出額が大きく拡大し、今後の国内SMB IT市場全体を牽引するとみています。現時点の支出の中心はモビリティで、徐々にクラウドの利用も拡大しています。また、データアナリティクスでは、まだ一部に留まっているものの、導入を検討するSMBは大都市圏を中心に徐々に拡大しています。売上拡大といった成長戦略の観点からソリューション活用を模索する企業も増えている他、人材不足ならびに「働き方改革」が、SMBにおいても喫緊の課題となっていることから、第3のプラットフォーム活用が促進されることが見込まれます。
国内SMBユーザー調査において、SMBにおける第3のプラットフォームの利用検討状況を見たところ、モビリティの導入は進んでいるものの、クラウド、データアナリティクスの導入率は10~20%台に留まっています。ただし、ITを活用して効果を期待する経営課題のうち「売上拡大」または「業務プロセス変革」を挙げたSMBでは、第3のプラットフォームを積極的に導入する傾向がありました。このように、企業変革を目的にした戦略的なIT活用を模索する企業では、第3のプラットフォームを中心としたIT活用が見込まれます。
このように、SMBでも業務変革を目的にした戦略的なIT活用を模索する企業を中心に、第3のプラットフォームの積極的な採用が進むとみていますが、現状SMBにおいて各ソリューションを導入するに際して課題も多いとみています。IDC Japan ITスペンディング リサーチマネージャーの市村 仁は「ITサプライヤーは、国内SMB IT市場において、第3のプラットフォームのソリューションの利用を促進するためには、企業変革に向けてのロードマップをユーザー企業に提示することが求められる」と分析しています。
今回の発表はIDCが発行したレポート「2017年 国内SMB IT市場 第3のプラットフォーム活用による企業革新の取り組み」(JPJ41785817)にその詳細が報告されています。本レポートでは、2017年2月に実施した国内SMBユーザー調査結果、主要ベンダー、SIerなどへのヒヤリング調査結果から、国内第3のプラットフォーム市場のSMB分野のIT支出規模予測を提供している他、第3のプラットフォームならびにイノベーションアクセラレーターの導入/検討状況について分析するともに、SMBの企業変革を目的にした「第3のプラットフォーム」活用の展望と課題について分析しています。
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(IDC Japan 株式会社 http://www.idcjapan.co.jp/ /11月9日発表・同社プレスリリースより転載)