2016年度に企業が負担した福利厚生費は、2年連続で11万円を超える。法定外福利費の抑制傾向が続く中にあっても、健康経営を重視する傾向~『2016年度福利厚生費調査結果の概要』:日本経済団体連合会
一般社団法人 日本経済団体連合会は、11月10日、『2016年度福利厚生費調査結果の概要』を発表しました。
1.2016年度に企業が負担した福利厚生費は、2年連続で11万円を超えた。
2.福利厚生費のうち、「法定福利費」は、7年連続増加し、過去最高額。また、「医療・健康費用」の法定外福利費に占める割合が12.5%と、約50年ぶりの高水準となり、法定外福利費の抑制傾向が続く中にあっても、健康経営を重視している姿勢が伺える。
調査結果の概要
企業が負担した福利厚生費(法定福利費と法定外福利費の合計)は、従業員1人1ヵ月平均111,844円(前年度比1.1%増)となり、2年連続で11万円を超えた。福利厚生費のうち法定福利費は、社会保険料の増加等により、86,622円(同1.7%増)となった。また、法定外福利費は、25,222円(同0.9%減)となった。
(1)法定福利費
7年連続で増加し、過去最高額。内訳をみると、健康保険・介護保険は31,646円(前年度比1.5%増)、厚生年金保険は48,029円(同3.4%増)となった。料率改定のあった雇用保険・労災保険と子ども・子育て拠出金は、それぞれ5,869円(同12.8%減)、1,041円(同31.1%増)と大きく増減した。
(2)法定外福利費
医療・健康費用の「医療・保健衛生施設運営」が大幅に増加し(2,118円、前年度比12.3%増)、2000円台を回復した。同じく、文化・体育・レクリエーションの「施設・運営」も786円(同1.2%増)となり、近年、減少傾向が続いていたこれらの施設運営費用は下げ止まりをみせている。
また、「医療・健康費用」の合計額を法定外福利費に占める割合でみてみても、12.5%と約50年ぶりの高水準となり、法定外福利費の抑制傾向が続く中にあっても、健康経営を重視している姿勢が伺える。
<参考>
【福利厚生費調査について】
1955年度から毎年実施しており、今回で61回目。わが国において、半世紀以上にわたる企業の福利厚生費の動向を把握できる、唯一の調査である。
本調査は、法定福利費、法定外福利費の各項目について、企業の年間負担総額を年間延べ従業員数で除した1人1ヵ月当たりの平均値(加重平均)を算出したものである。さらに、総額人件費管理の観点から現金給与総額、退職金、通勤費用等についても同様の方法で算出した。
【用語の定義】
法定福利費:社会保険料等のうちの企業負担分。従業員負担分は含まない
法定外福利費:企業が任意に行う従業員等向けの福祉施策の費用
福利厚生費:法定福利費と法定外福利費の合計
調査対象従業員:全従業員のうち、健康保険に加入している者
カフェテリアプラン:従業員に対し、費用と連動したポイントを付与し、福利厚生メニューの中から選択させる制度(例:1人当たり300ポイント、1ポイント=200円)
福利厚生代行サービス費:総合的に福利厚生運営を外部委託している場合の委託費用
調査要領
調査目的:福利厚生費の実態を把握し、今後の福利厚生を含む人事・労務管理の運営に資することを目的に、1955年度から毎年実施
調査対象期間:2016年度 (2016年4月~2017年3月)
調査対象企業:経団連企業会員および同団体会員加盟の企業1,650社
回答企業数:676社(有効回答率 41.0%、前年度667社)。うち製造業が327社(前年度328社)
回答企業の労務構成:
1社当たり平均従業員数4,284人(前年度4,583人)
平均年齢41.8歳(前年度41.6歳)
◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(一般社団法人日本経済団体連合会 http://www.keidanren.or.jp/ /11月10日発表・同連合プレスリリースより転載)