働き方の多様化進む 企業に求められるフリーランスの活用とは
働き方が多様化する中で、特定の企業・団体などに所属せずに働く「フリーランス」に注目が集まっている。
ランサーズ株式会社が今年3月に発表した調査によると、日本における広義のフリーランス数は前年同時期と比較して約58万人増加し、推計1,122万人(労働力人口の17%)に達した。しかし、フリーランスとして独立しても、「なかなか仕事が見つからない」「収入が安定しない」「社会的信用が得づらい」など、多くの人が課題を抱えているのが実状だ。
こうした声を受け、フリーランスが働きやすい環境づくりに向けた取り組みも進みつつある。公正取引委員会は今月から、フリーランスが取引上の力関係が弱いことを理由に不利な契約を押し付けられていないかなどの調査を開始する。今後は人材が企業による優越的地位の乱用行為を受けないよう、競争当局としての考え方をまとめる方針だ(日本経済新聞より)。
アメリカでは、フリーランスとして働く人が約三人に一人にものぼるという。その背景には、固定費を抑えながら知識やスキルを持った人材を活用できるとして、フリーランスを積極的に雇用する企業の動きがある。これによってフリーランサーたちは多くの仕事を獲得し、それが社会的信用を得ることにもつながっている。今後、人材不足が深刻化する中で、日本企業によるフリーランサーの活用がどのように進むのか、それによってフリーランスの働き方がどれほど浸透するのか、動向が注目される。
(『日本の人事部』編集部)