我が国産業における人材力強化に向けた研究会を設置~リカレント教育の充実、転職・再就職の円滑化、必要とされる人材像の明確化や確保・活用や産業界として果たすべき役割などを検討(経済産業省)
第四次産業革命等の急激な環境変化の中で、我が国産業が持続的に成長していくためには、基盤となる「人材力」の抜本強化は喫緊の課題です。
「人生100年時代」を踏まえ、社会全体として人材の最適配置が行われるよう、(1)リカレント教育の充実、(2)(特に大企業から中小企業等への)転職・再就職の円滑化、それらのベースとなる(3)必要とされる人材像の明確化や確保・活用や(4)産業界として果たすべき役割などをパッケージで検討するための研究会を設置します。
1.背景・趣旨
第四次産業革命等を背景とした急速に産業構造の変化が進み、付加価値の源泉が、「資本」から「人材」へと移行する中、我が国産業は、人口の減少という構造的問題により、恒常的な「人手不足」に直面しています。
特に中小企業・小規模事業者・スタートアップ等では、人材の不足感が著しく、経営の不安要素として年々拡大しています。また、就職活動時における大企業志向が根強く見られたり、大企業等において中高年が十分活躍していないなどの問題も存在する中で、個人が「人生100年時代」において活躍し続けるための環境が整備されておらず、社会全体として人材の最適配置が行われていない可能性があります。
このような状況の中で、(1)リカレント教育の充実、(2)(特に大企業から中小企業等への)転職・再就職の円滑化、それらのベースとなる(3)必要とされる人材像の明確化や確保・活用や(4)産業界として果たすべき役割などをパッケージで検討するための研究会を設置します。
2.研究会について
以下、それぞれのテーマのもと、事例・実態を収集し、課題及び今後の方向性について検討を行う二つのワーキング・グループと、両ワーキング・グループの議論を一体的に検討する「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」を立ち上げます。
(1)必要な人材像とキャリア構築支援に向けた検討ワーキング・グループ(人材像WG)
「人生100年時代」において、個人が人材として付加価値を生み出し続けるキャリア構築が必要です。そのためには、社会・産業界として必要とする人材像の提示や、個人が付加価値を創出し続けるための環境整備をしていくことが重要です。このため、(1)環境変化に対応した「社会人基礎力(求められる人材像)」の見直し、(2)個人のキャリア構築支援に向けた企業の役割、(3)キャリアオーナーシップを促す雇用制度の在り方などについて検討します。
(2)中小企業・小規模事業者・スタートアップ等における中核人材の確保・活用促進に向けた検討ワーキング・グループ(中核人材確保WG)
人手不足は、高齢化・人口減少の中、構造的な課題となっています。中小企業・スタートアップ等の経営層が、人手不足をむしろ変革・成長のための機会として捉え直し、経営課題や業務を見直すことで生産性向上に務めるとともに、求人像の見直しや働き方改革等を通じ、女性・高齢者・外国人や大企業等の中堅層など多様な人材が活躍できる体制を整え、必要な人材を発掘・確保し定着させることが重要です。
こうした状況の中、特に中小企業・スタートアップ等のニーズの強い、「即戦力となる中核人材」に焦点を当て、(1)中小企業等が取組むべき方向性や(2)労働市場の在り方、(3)具体的な事例創出のためのスキーム等について検討します。
特に、(3)具体的な事例創出のためのスキーム検討に当たっては、兼業・副業等の多様な雇用形態も視野に検討します。
※中小企業庁では、昨年10月に、女性・高齢者・外国人等の潜在的労働力に焦点を当てた「中小企業・小規模事業者人手不足対応研究会」を立上げ、本年3月に中小企業等による好取組事例を集めエッセンスを抽出したガイドラインをとりまとめたところ。
研究会メンバー(※調整中)
●学識経験者
諏訪康雄 法政大学 名誉教授
今野浩一郎 学習院大学 名誉教授
●リカレント教育/転職・再就職関係者
小城武彦 日本人材機構 代表取締役社長
宇佐川邦子 リクルートジョブズ ジョブズリサーチセンター長
水谷智之 一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォーム 代表理事
宮島忠文 社会人材コミュニケーションズ 代表取締役
米田瑛紀 エッセンス 代表取締役
●企業/働き手
垣見俊之 伊藤忠商事株式会社 人事・総務部長
西村創一朗 HARES 代表取締役
※オブザーバーとして、経団連、日商、全国連、中央会や関係省庁の参加を予定。
3.今後の予定等
「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」及び「必要な人材像とキャリア構築支援に向けた検討ワーキング・グループ(人材像WG)」、「中小企業・小規模事業者・スタートアップ等における中核人材の確保・活用促進に向けた検討ワーキング・グループ(中核人材確保WG)」については、9月下旬頃から随時開催し、年度末にとりまとめ。
<担当>
・研究会・人材像WGについて
経済産業政策局 産業人材政策室 参事官 伊藤
担当者:木村、出光、藤岡、浅野
電話:03-3501-1511(内線 2671~4)
03-3501-2259(直通)
03-3501-0382(FAX)
・中核人材確保WGについて
中小企業庁 経営支援課長 苗村
担当者:津脇、小林、竹村
電話:03-3501-1511(内線 5331~5)
03-3501-1763(直通)
03-3501-7099(FAX)
◆ 発表資料の詳細はこちらをご覧ください。
(経済産業省 http://www.meti.go.jp/ / 9月5日発表・報道発表より転載)