出産直後の休暇取得、55.9%の父親が休暇を取得。29.1%の父親が休暇を取得しようと思っていたものの取得しなかった~『男性の配偶者の出産直後の休暇取得に関する実態把握のための調査』(内閣府)
内閣府は、6月16日、平成29年版「少子化社会対策白書」を発表し、『男性の配偶者の出産直後の休暇取得に関する実態把握のための調査研究事業 報告書』を公表しました。
1.配偶者の出産後2 か月以内の休暇取得の実態
(1)55.9%の父親が休暇を取得。
配偶者の出産後2ヵ月以内の休暇の取得率は55.9%。休暇取得率が最も高いのは出産日の52.3%であり、出産日から期間が離れるほど休暇取得率は低くなる。
(2)出産日に最も利用された休暇制度は「配偶者出産休暇」。
配偶者の出産後2ヵ月以内で休暇取得者が最も多い「出産日」に最も利用された休暇制度は、配偶者出産休暇(※)。出産翌日以降に利用された休暇制度は年次有給休暇が最も多い。
※「配偶者出産休暇」とは、勤務先の就業規則等で定められた配偶者出産時等に係る特別休暇をいう。
(3)休暇取得日数の合計は 4 日以上6 日未満が最多。休暇取得者の82.6%が二つ以上の期間で休暇を取得しており、休暇を取得した期間の数が多いほど満足した人は増える。
配偶者の出産後2ヵ月以内の休暇の取得日数の合計は4日以上6日未満が最多で、休暇取得者の多くは[1]「出産日」、[2]「出産翌日から退院まで」、[3]「退院翌日から出産後2ヵ月以内」の各期間のうち二つ以上の期間でそれぞれ1日以上2日未満の休暇を取得している。休暇を取得した期間数が多いほど休暇取得に満足した人は増える。
(4)29.1%の父親が休暇を取得しようと思っていたものの取得しなかった。
休暇取得の意向はあったものの休暇取得しなかった人の割合は29.1%。
休暇取得の意向がなく実際に休暇取得しなかった人の割合は15.0%。
2. 配偶者の出産後2ヵ月以内に休暇を取得した父親の特徴
(1)職場の特徴:職場の条件(休暇取得の制度、WLBへの取組、上司の理解)が整っているほど、休暇取得率は高くなる。
休暇取得者の多くが職場の配偶者出産休暇制度を認知している。また、休暇取得者の職場では、残業の削減や有給休暇の取得促進などWLB(ワーク・ライフ・バランス)に関する取組が推進されており、さらに、上司が率先して有給休暇を取得しようとしていたり男性の子育て参加についての理解がある割合が高い。
(2)家庭の特徴: 配偶者とのコミュニケーションが多いほど休暇取得率は高い。
休暇取得者の多くは、配偶者とのコミュニケーションをきっかけに休暇取得を検討している。また、「出産に係るスケジュール」や「夫の参加が必要なタイミング」についての話し合いを行った割合も高い。
(3)個人の特徴: 性別役割分担意識と休暇取得との間には相関が見られないものの、休暇取得意向がある者(実際に休暇取得したか否かを問わない)は、休暇取得意向がない者に比べ、家事・育児への参画意識が高い。
性別役割分担意識の有無と休暇取得との間には相関が見られない。一方で、休暇取得意向ありの者(実際に休暇取得したか否かを問わない)と、休暇取得意向がない者とを比べると、休暇取得意向ありの者の方が「男性の子育てへの参画意識」が高い。
3.配偶者の出産後2ヵ月以内の休暇の取得促進のために必要なこと
配偶者の出産後2ヵ月以内の休暇の取得促進のために最も求められているのは「休暇を取りやすい職場であること」。
実際に休暇を取得したか否かにかかわらず、多くの父親たち(54.1%)が、「休暇を取りやすい職場であれば」配偶者の出産後2ヵ月以内に配偶者のサポートや家事・育児を目的とした休暇を取得できるようになると回答している。次いで、「上司の理解を得られれば」(40.7%)、「職場で育児に対する休暇制度等が充実すれば」(38.1%)の回答率が高い
<調査の概要調査>
対象:2015年に配偶者が末子を出産した被雇用者の男性約1,000 名
調査時期:平成28 年 9 月 8 日~平成28 年 9 月 12 日
調査手法:インターネット調査
調査範囲:全国
※「出産直後」とは、出産日当日から出産後2ヵ月以内の時期をいう。
※本調査研究では配偶者の出産後2ヵ月以内の期間の中について、[1]「出産日」、[2]「出産翌日から退院まで」、[3]「退院翌日から出産後2ヵ月以内」の三つの期間に分けて調査研究を行っている。
平成28年度 男性の配偶者の出産直後の休暇取得に関する実態把握のための調査研究事業
概要/全体版
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(内閣府 http://www.cao.go.jp// 6月16日発表・報道発表より転載)