社内結束力の高い企業は高くない企業よりも、良好な社内コミュニケーションや雰囲気が形成されており業績を3年前よりも向上させている~『企業競争力強化のための社内コミュニケーション形成に関する調査』(大阪府)
中小企業が機動性、小回り性の高さなどの強みを発揮し、競争力を強化していくには、大企業以上に強い経営者と社員間の相互理解と信頼に基づく結束が必要であり、こうした相互理解と信頼のためには、社内コミュニケーション形成が不可欠です。
しかし、社内コミュニケーションを形成するには何らかの仕掛けが必要であり、経営者にはそのための手間隙(時間と労力)が求められます。そこで、社内コミュニケーション形成への取組の現状と課題について、大阪府立大学大学院経済学研究科の野田知彦教授のご協力のもと、府内の中小企業経営者の方々を対象に調査を行い、『企業競争力強化のための社内コミュニケーション形成に関する調査』(資料№156)としてとりまとめました。
調査において実施したアンケートは、大阪府内の常用雇用者31人以上300人以下の民営企業を対象に行い(有効発送数1,966)、有効回答数422で、有効回答率は21.5%でした。
<調査結果のポイント>
1. 経営者の多くは、雇用する社員の意向・要望把握の必要性を強く認めており、様々な手法を駆使して、社員とのコミュニケーション形成に取り組んでいる。
2. 社内結束力の高い企業は高くない企業よりも、良好な社内コミュニケーションや雰囲気が形成されており、「製品・サービスの品質」「情報収集・分析力」などの競争力が高く、またこれらの競争力や業績を3年前よりも向上させている。
3. 離職率を低下させ、生産性を向上させていくには、社員の生産性向上などの業務改善に関する声だけではなく、労働条件などに関する声にもより耳を傾けることが重要。こうした経営者による社員の意向・要望把握を充実させるうえで、個人的な発言制度と集団的な発言制度を上手く組み合わせて使うことが企業と社員の間にwin-winの関係を築くために有効と考えられる。
4. 今後の社内コミュニケーション形成のポイントとしては、上記3の「経営者による社員の意向・要望把握の充実」のほか、「会社の将来像の提示と社長の経営戦略や経営判断についての社員への説明能力の向上」「意見や提案を出した社員への対応改善」「社内の結束力を高めるための効果的取組」「管理・監督者の能力及びモチベーションの向上」があげられる。
概要(報道提供資料) [PDFファイル/298KB]
全文 [PDFファイル/3.48MB]
<お問い合わせ>
大阪府商工労働部 商工労働総務課
(大阪産業経済リサーチセンター) 企業リサーチグループ 須永
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e-mail:shorosomu-g06@mbox.pref.osaka.lg.jp
◆ 発表資料の詳細はこちらをご覧ください。
(大阪府 http://www.pref.osaka.lg.jp/ / 4月5日発表・報道発表より転載)