日本国内企業のドキュメントワークフロー成熟度は低く、7割がステージ2以下。文書の電子化は進むが、多くを人手による入力に依存~『国内ドキュメントワークフロー成熟度に関するユーザー調査結果』:IDC Japan
IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内ユーザー企業のドキュメントワークフロー成熟度の分析結果(IDC MaturityScape Benchmark)を発表しました。これによると、国内ユーザー企業の7割が、5段階中下から2番目の限定的導入(ステージ2)以下にあることが分かりました。
●国内企業のドキュメントワークフロー成熟度は低く、7割が5段階中下から2番目以下の成熟度
●ドキュメントワークフローに関して、日米の成熟度の差は少ない
●リーダー企業は、プロセス、技術、人員、ビジョンをバランス良く強化している
2016年11月に行った本調査では、ドキュメントワークフローに関して知識があり、かつ従業員規模100人以上の企業に勤務する200人のマネージャーに対してWebアンケートを実施し、ドキュメントワークフローの実態について調査しました。そして、この調査結果を総合して国内のドキュメントワークフローの成熟度をIDC MaturityScapeに基づいて分析しました。IDC MaturityScapeとは、IT環境の導入状況を客観的に評価するためにIDCが開発した手法であり、特定のIT環境を導入しているユーザー企業の成熟度を、ステージ1(個人依存)、ステージ2(限定的導入)、ステージ3(標準基盤化)、ステージ4(定量的管理)、ステージ5(継続的革新)までの5段階で評価するものです。
ドキュメントワークフローのIDC MaturityScapeでは、ユーザー企業の成熟度を、プロセス、技術、人員、ビジョンの四つの特性から総合的に評価しています。その結果、国内ユーザー企業においては、ステージ1の成熟度を持つ企業が33.4%、ステージ2が34.7%、ステージ3が19.7%、ステージ4が9.6%、ステージ5が2.7%であることがわかりました。国内ユーザー企業の約7割が、ステージ2(限定的導入)以下の成熟度にとどまっています。このステージの企業では、文書の電子化はある程度進んでいるものの、ワークフローの多くを人手による入力に依存しています。また、モバイル/クラウドといった第3のプラットフォームとワークフローとの統合も進んでいません。この結果は、IDCが米国で実施した調査とほぼ同じ(米国ではステージ2までが約65%)であり、ドキュメントワークフローの成熟度に関しては日米で大きな差がありませんでした。
また、ドキュメントワークフローにおいて財務的成果を出している企業(リーダー企業)と、そうでない企業(フォロワー企業)の比較も実施しました。その結果、プロセス、技術、人員、ビジョンの四つの特性のすべてにおいて、リーダー企業の方が高い成熟度にあること、そして第3のプラットフォーム技術を導入している企業が多いことが分かりました。ドキュメントワークフローにおいて具体的な成果を上げるためには、プロセス、技術、人員、ビジョンの特性をバランス良く強化しながら活動すること、そしてドキュメントワークフロー支援環境に、第3のプラットフォームを積極的に利用していくことが重要であることがわかりました。
IDC Japan イメージング,プリンティング&ドキュメントソリューション グループマネージャーの石田 英次は「国内ユーザー企業のドキュメントワークフロー成熟度を調査した結果、約7割の企業が限定的導入(ステージ2)以下の成熟度であった。こうした企業のドキュメントワークフロー成熟度を高めるためには、モバイル/クラウドなどの第3のプラットフォームを前提としたドキュメントワークフロー環境の構築を目指すべきである」と述べています。
今回の発表はIDCが発行したレポート「IDC MaturityScape Benchmark: 国内ドキュメントワークフロー市場」(JPJ41770916)にその詳細が報告されています。本レポートでは、ドキュメントワークフローの知識があるマネージャーに対して、組織内におけるドキュメントワークフローの実態ついて質問し、その結果をもとに成熟度を詳しく分析し、まとめています。
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(IDC Japan 株式会社 http://www.idcjapan.co.jp/ /1月12日発表・同社プレスリリースより転載)