人事関連業務コストは、「採用」が約3割と最多を占める。法制度対応から人材の多様化対応へ取り組みが拡大~『国内企業の人材戦略と人事給与ソフトウェア市場動向調査結果』を発表:IDC Japan
IT専門調査会社 IDC Japan株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内企業の人材戦略と人事給与ソフトウェア市場動向の調査結果を発表しました。
本調査は、国内企業の人事/人材戦略の策定や実行、関連するシステム管理に携わる600名を対象として、生産性の向上や労働力の確保を目的に各社が進める戦略策定の推進者/取り組みと課題/関連するIT利用の実態を調査しました。本調査レポートでは、その結果を業績「増加」を続ける企業とその他における比較、また従業員規模別による傾向も踏まえて報告しています。
・人事最高責任者(CHRO/CHO)の設置率は10.5%にとどまる
・人事関連業務コストは、「採用」が約3割と最多を占める
・ユーザー企業は経営やビジネス視点を取り入れ、形骸化しない人事戦略と組織作りを検討し、ITサプライヤーはクラウドソリューションで次世代の企業の取り組みを支援すべきである
2015年から対応が進むマイナンバー制度/ストレスチェック/女性活躍推進法など、企業が推進すべき人事戦略と取り組みには、人事最高責任者:CHRO(Chief Human Resource Officer)/CHO(Chief Human Officer)などの参画による経営視点が従来以上に求められています。しかし、その設置率は10.5%にとどまり、41.3%の企業では人事部長がその役割を担っていました。大企業ほど、人事部が人事戦略と取り組みを推進する傾向が強く、採用管理などで必ずしもIT対応をしていない業務実態も明らかとなりました。
今後は事業のグローバル展開や人材の流動化を背景に、社員のモチベーションアップやスキルアップが重視され、多様な取り組みを効率化するIT導入が検討されています。17種類の人事給与関連分野のITについて調査したところ、今後1年間の導入/刷新予定の上位は、マイナンバー管理/人材教育/ストレスチェックなど、主に法制度対応と業務基盤を支える給与計算や正社員の要員管理に関心が高い結果となりました。しかし3年以内では、全種類で導入予定が上昇し、上位は人材教育/人事ワークフロー/採用Web制作、そして非正規社員の要員管理など、多様化に向けての対策が進む様子を示しています。なお、調査時点における取り組み実施率は(IT対応の有無にかかわらず)、マイナンバーが75.0%、ストレスチェックは56.0%でした。
また、人事関連の取り組みにおけるコスト配分では、2015年度実績も2016年度計画でも「採用」が全体の約3割と最も多く、いずれの従業員規模においても同様の結果を示しています。採用分野のIT(採用管理/採用Web制作/ソーシャルリクルーティング/ダイレクトリクルーティング)は、採用管理を中心に導入検討が進んでいます。本調査レポートでは、人材の可視化で重視する指標や、今後採用したい人材(職種とタイプ)、また業績「増加」を続ける企業の自社に対するイメージなど、幅広い視点で調査した結果も合わせて報告しています。
「人材ビッグデータなど最新のIT動向に注目が集まっている。しかし企業の評価指標や取り組み段階は実にさまざまで、現状では全企業に適用できるナレッジは限定的である。今後、競争力強化を図るためには、業績を前年度比1%以上で伸ばし続ける企業に見られたように、戦略投資として人材関連の取り組みを進めることが必須である。そのためユーザー企業は、経営やビジネス視点を取り入れ、形骸化しない人事戦略と組織作りを検討すべきであり、ITサプライヤーは、部分最適のシステム提案から、クラウドソリューションで次世代の取り組みを支援すべきである」とIDC Japan ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの もたい 洋子は述べています。
今回の発表はIDCが発行したレポート「2016年 国内企業の人材戦略と 人事給与ソフトウェア市場動向調査」(JPJ40594416)にその詳細が報告されています。
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(IDC Japan 株式会社 http://www.idcjapan.co.jp/ /10月18日発表・同社プレスリリースより転載)