平成27年度の就職採用市場、昨年度に比べ、売手市場だった79.0%。応募者全員に成績証明書等の提出を求めている企業は68.1%~『平成27年度就職・採用活動時期の変更に関する調査(企業)』(文部科学省)
このたび、文部科学省では、『平成27年度就職・採用活動時期の変更に関する調査(企業)』を行い、その結果を取りまとめましたので公表いたします。
【調査の概要】
(1)調査の目的
学生の学修時間や留学等の多様な経験を得る機会の確保という観点から、大学からの要請等を踏まえ、政府から経済界に要請を行い、平成27年度以降の卒業・修了予定者の就職・採用活動については広報活動開始時期は卒業・修了前年度の3月1日以降に、採用選考活動開始時期は卒業・終了年度の8月1日以降に変更されることとなった。
その初年度である平成27年度の企業の採用活動の実態を把握するため、本調査を実施する。
(2)調査主体
文部科学省、内閣府、経済産業省、厚生労働省
(3)調査実施方法
対象:全国の企業 2,500社(全国の企業より業種、規模等のバランスを考慮して抽出)
方法:調査票の送付期間:平成 27年 10月 22日(金)~11月 10月(火)
(4)有効回答件数
発送数 2,500、有効回答数 949(※)、回答率 38.0%
※回答企業の従業員数は、300人未満の中小企業が 49.6%であり、1,000人未満の企業は全体の 72.5%である。
【調査結果】
平成27年度の採用活動等について
○平成27年度の就職採用市場について、平成26年度に比べ、売手市場であったと回答した企業は79.0%であった。
<平成27年度の採用予定数の増減>
○平成27年度の採用予定数の増減について伺ったところ、「増やした」と回答した企業が30.3%であり、「減らした」(14.2%)と回答した企業よりも多かった。
<広報活動開始時期>
○平成27年度の広報活動開始時期については、「平成27年3月」が53.7%と最も多く、71.0%の企業が平成27年3月以降に広報活動を開始した。
<採用選考活動時期>
○平成27年度の実質的な採用選考活動開始時期については「平成27年4月」から開始した企業が21.3%と最も多く、76.2%の企業が8月より前に採用選考活動を開始していた。
就職・採用活動時期の変更(後ろ倒し)について
○経済団体・業界団体、大学等からの周知があったと回答した企業は67.7%であったが、後ろ倒しに関する情報の入手先を伺ったところ、「知らなかった」と回答した企業は0.8%であった。
<後ろ倒しに対応しなかった理由>
○広報活動もしくは採用選考活動の後ろ倒しに対応しなかった理由としては、「競合する他社よりも早く学生に接触するため」と回答した企業が最も多く49.0%であり、続いて「早い段階で来年度の採用者を確定させておく必要があるため」44.4%、「以前から採用活動を独自のスケジュールで実施していたため」33.1%であった。
<後ろ倒しのメリット>
○後ろ倒しのメリットについては、14.0%が「学生の就職活動への準備期間が確保された」、11.4%が「志望度の高い学生を選考できた」と回答した。
○「その他」については多くの企業が「メリットが感じられなかった」旨記述した。
<後ろ倒しのデメリット>
○ 後ろ倒しのデメリットについては、「他社との競合が増した」と回答した企業が56.2%と最も多く、続いて「採用活動の計画を立てにくかった」53.2%、「内定辞退者が増加した」52.8%、「応募者が減少した」52.5%であった。
<採用選考活動における学業成果の活用について>
○応募者全員に成績証明書等の提出を求めていると回答した企業は68.1%であった。
○応募者全員に成績証明書を「求めている」企業のうち73.3%の企業が書類選考時、面接選考時に活用していると回答した。
○学業成果(成績)等を採用選考活動において重視しているか伺ったところ、「大いに重視している」「ある程度重視している」と回答した企業の合計は46.0%であり、「全く重視していない」「あまり程度重視していない」と回答した企業の合計は49.3%であった。
日本人海外留学生の採用等について
<日本人の海外留学生を対象とした採用活動>
○日本人の海外留学生を対象とした採用活動を実施しているか伺ったところ、85.7%が「留学経験は考慮していない」と回答した。
<日本人海外留学生採用の具体的措置>
○日本人留学生を対象とした採用活動を実施している企業に対して、採用のために講じている措置について伺ったところ、「別途の採用スケジュールを設けている」は14.5%、「入社時期を変えている」は8.7%であった。
インターンシップについて
<インターンシップ実施の有無>
○インターンシップの実施について、インターンシップを「行っている」と回答した企業は34.7%であった。
<後ろ倒しによるインターンシップ実施への影響>
○インターンシップを「行っている」と回答した企業に対して、就職・採用活動時期の後ろ倒しによるインターンシップの実施への影響について伺ったところ、「影響はなかった」が最も多く46.2%であり、続いて「実施回数を増やした」25.5%、「秋季、冬季にインターンシップを実施した」19.8%であった。
【平成27年度 学生の就職・採用活動の時期の変更に関する調査(企業)調査結果報告書】
調査結果報告書(概要版) (PDF:191KB)
調査結果報告書(1) (PDF:3,513KB)
調査結果報告書(2) (PDF:3,298KB)
質問票 (PDF:271KB)
<お問合せ先>
文部科学省高等教育局学生・留学生課
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(文部科学省 http://www.mext.go.jp// 7月20日発表・報道発表より転載)