4人に3人が就職活動の中で対応に苦慮する要求を経験。内定者研修や内定者アルバイト等を就職先の求めに応じて行った人が半数以上~『内定・入社前後のトラブルに関する調査』:連合
日本労働組合総連合会(連合/会長:神津 里季生)は、連合「なんでも労働相談ダイヤル」に内定・入社前後のトラブルに関する相談が寄せられていることや労働条件明示のあり方が問題になっていることを踏まえ、内定・入社前後にどのようなトラブルがどのくらい発生しているのかを把握するため2016年4月4日~4月13日の10日間、「内定・入社前後のトラブルに関する調査」を、インターネットリサーチにより実施しました。大学卒業後に新卒で正社員として就職した全国の入社2年目~5年目の男女1,000名の有効サンプルを集計しました。(調査協力:上西充子教授(法政大学キャリアデザイン学部)、ネットエイジア株式会社)
◆4人に3人が就職活動の中で対応に苦慮する要求を経験
◆内定者研修や内定者アルバイト等を就職先の求めに応じて行った人が半数以上
◆賃金など労働条件を「書面で渡された」のは3人中2人
◆新卒入社した会社を辞めた理由において、労働条件の書面交付がなかった場合では、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」と半数強が回答
今回の調査に関する見解(上西充子教授・法政大学キャリアデザイン学部)
学生の採用活動におけるハラスメント行為等については2015年に文部科学省が大学及び短期大学を対象に調査を行ったが、今回、求職者側に詳細に尋ねることにより実態が明らかになるとともに、採用側からの干渉が年々強まっている状況も把握することができた。各企業の実際の採用スケジュールが不明瞭かつ分散していることとも相まって、就職活動をめぐる混乱がより深刻化していることが懸念される。
内定後入社までの間に行われるインターンシップやアルバイト、研修、資格取得などについては、従来からその広がりについて大学教員として懸念を持っていたため今回、学生生活を侵食する形で内定者アルバイトなどが行われている実態と、業種による偏りを明らかにできたことの意義は大きい。内定者アルバイトは人手不足を補いたい企業の都合から行われている場合もあり、学生は卒論執筆がままならなくなるケースもある。参加の強制はあってはならない。研修も本来、入社後に給与を支払いながら行うべきものだ。資格取得についても、せめて募集の段階からの周知が必要だろう。
入社後の状況では、労働条件の書面交付を行っていない企業で募集時と実際の労働条件の違いや賃金(残業代)不払いなどの問題が目立ち、離職理由でも労働時間や賃金への不満の割合が高いことがわかった。入社時に労働条件を書面で渡された者が3人に2人にとどまり、書面交付がなかった者の職場に問題がより集中していることは重要だ。本来は遅くとも正式内定日(10月1日)には労働条件の書面交付があってしかるべきではないか。労働条件明示の時期と方法、実効性の確保のあり方などを改めて検討する必要があろう。
■調査概要■
◆調査タイトル:内定・入社前後のトラブルに関する調査
◆調査対象 :大学卒業後に新卒で正社員として就職した全国の入社2年目~5年目の男女
◆調査期間 :2016年4月4日~4月13日
◆調査方法 :インターネット調査
◆調査地域 :全国
◆有効回答数 :1,000サンプル(性別×卒業時期が均等になるように割付)
◆実施機関 :ネットエイジア株式会社(担当:吉田)
■本調査に関するお問合せ窓口■
連合(日本労働組合総連合会)
非正規労働センター 担当:岩城、藤川
TEL :03-5295-0555
Eメール :hiseiki@sv.rengo-net.or.jp
総合企画局 企画局 担当:山根
TEL :03-5295-0510
Eメール :jtuc-kikaku@sv.rengo-net.or.jp
受付時間 :10時00分~17時30分(月~金)
◆本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(日本労働組合総連合会(連合) http://www.jtuc-rengo.or.jp/ /5月31日発表・同法人プレスリリースより転載)