新卒採用、重視する人材要件は、積極性、協調性、コミュニケーション力。経団連「指針」を「基本的には遵守」は44.7%~『2015年度 新規学卒者の採用活動・管理の実態調査』:産労総合研究所
人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2015年度 新規学卒者の採用活動・管理の実態調査」を実施しました。前回は2006年度に調査を実施しており、約10年ぶりとなります。
調査は、2016年4月に入社した新規学卒者に対する採用活動について、企業の採用担当者に聞いたもの。回答企業の96.3%が採用活動を行っており、採用人数が増えた企業は40.1%。経団連「指針」を「基本的には遵守」が44.7%。
採用にあたり重視する人材要件としては、性格面については「積極性」、「協調性」が、能力面では「コミュニケーション力」がトップに。また、回答企業における採用者一人あたりの採用活動費は、調査計で39,1万円(前回38.5万円)となった。
<調査結果のポイント>
(1)採用活動の状況と採用人数の動向
- 回答企業の96.3%が採用活動を行っており、学歴別に採用者の有無をみると、大学院卒49.1%、大学卒91.9%、短大・高専・専門学校卒41.8%、高校卒47.7%。
- 前年度に対し採用人数が増えた企業は40.1%、「ほぼ同じ」とした企業が35.6%、「減った」企業は24.3%だった。
(2)経団連「採用選考に関する指針」に対する対応
- 「基本的には指針を遵守」44.7%、「遵守の方針だったが途中で変更」18.8%、「最初から意識せず活動」33.0%。
(3)採用にあたりとくに重視する人材要件
- 重視する人材要件を従業員の平均年齢別にみると、性格面については、40歳未満の企業では「積極性」が、40歳以上の企業では「協調性」が5割超となった。能力面については、いずれも「コミュニケーション力」が8割前後で断然トップ。
(4)内定者フォローの実施状況
- 各社の内定者フォローの実施状況をみると、「実施した」は全体の93.5%。1,000人以上企業99.0%、300~999人企業95.1%に対し、299人以下企業は81.5%とやや低い。具体策としては、「懇談会・食事会の開催」77.5%が最多。
(5)採用活動に要した費用
- 採用活動にかかった費用の総額は平均1,146.7万円。採用者1人あたりでみると平均39.1万円(前回38.5万円)。
(6)採用担当者の実態
- 採用担当者の平均人数を聞いたところ、調査計で4.9人(うち専任者1.6人)となった。前回調査時に比べ人数は増えているが兼務者も多く、「マンパワー不足」を課題としてあげる企業も少なくない。
<調査要領>
【調査名】 「2015年度 新規学卒者の採用活動・管理の実態調査」
【調査対象】 上場企業および当社会員企業から任意に抽出した約3,000社
【調査時期】 2016年1〜3月
【調査方法】 郵送によるアンケート調査方式
【集計対象】 締切日までに回答のあった296社について集計
<本リリースに関する取材などのお問い合わせ>
株式会社 産労総合研究所「企業と人材」編集部 担当:石田、片上
TEL 03(5319)3605 MAIL edt-e@sanro.co.jp
◆本調査の図表・詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社産労総合研究所 http://www.e-sanro.net/ /5月30日発表・同社プレスリリースより転載)