リクルートテクノロジーズ、独自開発ビーコンを従業員500名に配布~会議出席者のプロフィールがスマホに表示、社内コミュニケーション活性化を狙う
株式会社リクルートテクノロジーズ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村吉弘、以下:リクルートテクノロジーズ)は、Eddystone(※1)技術を活用し、独自開発したビーコン(※2)の社内利用を2016年4月より、開始しました。
従業員は配布されたビーコンを持ち歩くことで、会議出席者のプロフィール情報をスマホアプリで見ることができたり、今まで直接話したことがない人と気軽にコンタクトをとったりすることが可能になります。本プロジェクトは、中途入社したメンバーが職場にスムーズに馴染めるよう、社内コミュニケーションの活性化を狙った施策となっています。
※1:Eddystone
2015年7月にGoogleが発表したビーコンの規格(ビーコンデバイスの振る舞いや発信するパケットのフォーマット)であり、オープンスタンダードを提唱しています。Bluetooth Low Energy(BLE)のアドバタイジングパケットを利用(iBeaconなどと同じ)しています。
※2:ビーコン(Beacon)
Bluetoothという信号の発信機であり、位置と情報を伴った伝達手段です。店舗据え置き型のビーコンなどでは0.1秒.1秒に一回、10m程度の設定が一般的です。今回の仕様では、3秒に一回、3-5m程度に届く目安となっています。Bluetooth Low Energy(BLE)という極力電力を使わない規格を使用しています。
(1)ビーコンデバイス使用に至った背景~社内コミュニケーションを社内技術力でさらに活性化~
リクルートテクノロジーズは539名(2016年4月1日現在、兼務を除く)の従業員が在籍しており、今後も増える見込みです。全従業員の8割以上が中途入社のメンバーとなってきており、これまでも、急増する中途入社者がスムーズに馴染めるよう人事部や所属先部署主導で様々な施策を重ねてきました。今回、さらに社内コミュニケーションを加速させるため、リクルートテクノロジーズ内の研究開発機関アドバンスドテクノロジーラボ(以下、ATL)にて、Eddystone技術を活用したビーコンを独自に開発し、リクルートテクノロジーズの社内で活用することにしました。
<中途メンバー受け入れ時の施策例>
●組織説明会
入社直後のメンバー向けに、組織や歴史について人事部から概要を説明するイベント。
●コミュニケーションパートナー(CP)制度
入社直後の中途メンバーが持つ疑問や課題を解消する役割を担うメンバーを割り当てる制度。
●スタンプラリー
入社/転籍直後のメンバーが、配属部署内外の既存の仲間たち(社員)に話を聞いて回るイベント。
●中途懇親会ランチ
入社/転籍直後(前月・当月)のメンバーが集まり、一緒にランチを実施。
(2)ビーコンデバイスの使用実例
リクルートテクノロジーズの従業員は、自身のプロフィール情報を発信するビーコンを持ち歩くことで、会議などで近くに来た他の従業員のプロフィールを、自身のiPhoneアプリから参照することができます。またこのアプリからメールや電話をすることも可能です。
ビーコンは、下記のような段取りで使用できるようになります。
[1]専用アプリ「Party」のインストール
[2] 専用アプリ「Party」内のプロフィール設定
[3] ビーコンの携帯(社員証と共に首にかけられる)
[4]周囲(約3m以内)に人が近づくとアプリ内に情報が表示(事前に設定したプロフィール)
[5]アイコンをタップすると以下の操作が可能
●所属の確認 ●電話 ●メール送信 ●人の紹介
ブックマークをしておけば、ビーコンの検知可能距離から離れた後でも、情報の確認が可能です。
また、過去24時間以内に近接したユーザー情報を確認できるため、会議後でも参加者を確認することが可能です。
(3)ビーコンデバイスの技術内容とEddystoneの活用
本プロジェクトでATLは、「Eddystone-UID(※3)」を使用しています。Eddystone-UID/Eddystone-URLのデュアルモードの携帯型ビーコンを独自開発し、それと連動する専用のiPhoneアプリとWebサービスを用意しました。
特に、ビーコンデバイスに関しては、使いやすさを追求するために、ユーザーID情報をとばす時間の間隔や距離に関する研究と、電池も持ち運びやすい大きさや電池持ちの良さに関する研究を行いました。
デザインに関しても、2015年11月の社内コンペで3つのデザインのうちから今回のデザインに決定しており、従業員の声も入れた上で、使いやすさとデザイン性の両方を兼ね備えたものになっています。
ソーシャルネットワークサービス(SNS)の形(※4)はこれまで、TwitterやFacebookにみられるような「グラフ型」、LINEにみられる「ルーム型」がありましたが、このビーコンを使用するコミュニケーションの形として、今までにない、言わば「ロビー型」が加わり、今後よりSNSを活用したコミュニケーションの形が多様化していくことが予想されます。
■ビーコンデバイス詳細
・サイズ:63mm/20mm/7mm
・使用電池:リチウム電池(CR1632)
・重量:約10g
・発信間隔:3秒に1回
・発信範囲:3-5m
※3:Eddystone-UID
Eddystoneの仕様には2種類あり、今回使用しているEddystone-UIDはiBeaconに近いものです。暗号データを送るため、専用アプリが必要になります。また、もう一つのEddystone-URLはPhysicalWebであり、URLを発信するので、ブラウザでの受信が可能です。
※4:ソーシャルネットワークサービス(SNS)の形
グラフ型・・・それぞれ言葉を羅列し、コメントを積み上げていく形のコミュニケーション(Twitter,Facebookなど)
ルーム型・・・二人、または選択した複数人での限定されたコミュニケーション(LINEなど)
ロビー型・・・不特定多数の人が入り混じったコミュニケーション(ビーコンなどを活用するもの)
◆ 本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(株式会社リクルートテクノロジーズ http://recruit-tech.co.jp/ /5月12日発表・同社プレスリリースより転載)