労働者過不足判断D.I.は、正社員等労働者、パートタイム労働者とも引き続き不足超過。正社員以外からの正社員への「登用実績あり」45%~『労働経済動向調査(平成28年2月)』(厚生労働省)
厚生労働省では、このほど、労働経済動向調査(平成28年2月)の結果を取りまとめましたので、公表します。
「労働経済動向調査」は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題点を把握することを目的に、四半期ごとに実施しています。また、今回は特別項目として、「平成28年新規学卒者の採用内定状況」及び「正社員以外の労働者から正社員への登用の状況」についても調査しています。
本調査は、平成 28年2月1日現在の状況について、主要産業の規模 30人以上の民営事業所のうちから 5,835事業所を抽出して調査を行い、このうち 3,034事業所(うち有効回答 2,946事業所、有効回答率 50.5%)から回答を得ています。
【調査結果のポイント】
1.生産・売上額等、所定外労働時間、正社員等雇用の状況(平成28年1~3月期実績見込)
(1) 生産・売上額等判断 D.I.「調査産業計」で6ポイント。主要産業別にみると「製造業」(+6)、「卸売業,小売業」(+3)、「建設業」(+2)、「サービス業(他に分類されないもの)」(+2)と全てでプラス。
(2) 所定外労働時間判断 D.I.「調査産業計」で6ポイント。主要産業別にみると「卸売業,小売業」(+6)、「建設業」(+5)、「製造業」(+5)、「サービス業(他に分類されないもの)」(+4)と全てでプラス。
(3) 正社員等雇用判断 D.I.「調査産業計」で4ポイント。主要産業別にみると「サービス業(他に分類されないもの)」(+10)、「製造業」(+8)、「建設業」(+4)でプラスとなったが、「卸売業,小売業」(△2)はマイナス。
2.労働者の過不足状況、雇用調整の状況
(1)労働者過不足判断 D.I.平成 28年2月1日現在、「調査産業計」で正社員等労働者は34ポイントと19期連続、パートタイム労働者は31ポイントと26期連続して、それぞれ不足超過。正社員等労働者、パートタイム労働者ともに全ての産業で不足超過。
(2)「雇用調整を実施した」事業所の割合(平成 27年 10~12月期実績)は「調査産業計」で25%。うち、「事業活動縮小によるもの」は2%。
3.平成28年新規学卒者の採用計画・採用予定の状況(今回調査の特別項目)
平成28年2月1日現在、平成28年新規学卒者の「採用計画・採用予定がある」事業所の割合は、「調査産業計」では、高校卒43%、高専・短大卒32%、大学卒(文科系)43%、大学卒(理科系)43%、大学院卒27%、専修学校卒25%となり、「高校卒」及び「専修学校卒」で前年同期を上回った。また、採用計画数との比較では、全ての学歴で「採用計画数どおり採用内定(配属予定)をした」事業所の割合が最も高かった。
4.正社員以外の労働者から正社員への登用の状況(今回調査の特別項目)
過去1年間(平成27年2月から平成28年1月まで)の正社員以外の労働者から正社員への登用の状況について、「登用実績あり」の事業所の割合をみると、「調査産業計」では45%、産業別では、「医療,福祉」67%が最も高く、次いで「運輸業,郵便業」48%などとなっている。
<問い合わせ先>
大臣官房統計情報部雇用・賃金福祉統計課
課長 石原 典明
課長補佐 佐田 晴康
労働経済第一係
(代表電話) 03(5253)1111(内線7622)
(直通電話) 03(3595)3145
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 3月15日発表・報道発表より転載)