労働経済動向調査(平成27年11月)の結果(厚生労働省)
~労働者過不足判断D.I.は、正社員等労働者、パートタイム労働者とも引き続き不足超過~
厚生労働省では、このほど、労働経済動向調査(平成 27年 11月)の結果を取りまとめましたので、公表します。
「労働経済動向調査」は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題点を把握することを目的に、四半期ごとに実施しています。また、今回は特別項目として、平成28年新規学卒者の採用内定状況及び事業の見直しと雇用面での対応状況についても調査しています。
本調査は、平成 27年11月1日現在の状況について、主要産業の規模30人以上の民営事業所のうちから5,835事業所を抽出して調査を行い、このうち3,045事業所(うち有効回答2,945事業所、有効回答率50.5%)から回答を得ています。
【調査結果のポイント】
1.生産・売上額等、所定外労働時間、正社員等雇用の状況(平成27年10~12月期実績見込)
(1) 生産・売上額等判断 D.I.(注1)
「調査産業計」で6ポイント。主要産業別にみると「卸売業,小売業」(+12)、「医療,福祉」(+6)、「製造業」(+3)でプラスとなったが、「サービス業(他に分類されないもの)」(△3)及び「建設業」(△6)はマイナス。
(2) 所定外労働時間判断 D.I.(注1)
「調査産業計」で3ポイント。主要産業別にみると「医療,福祉」(+12)、「卸売業,小売業」(+8)でプラスとなったが、「製造業」(0)、「建設業」(△2)及び「サービス業(他に分類されないもの)」(△6)は0又はマイナス。
(3) 正社員等雇用判断 D.I.(注1)
「調査産業計」で3ポイント。主要産業別にみると「建設業」(+10)、「製造業」(+5)、「医療,福祉」(+2)及び「卸売業,小売業」(+1)でプラスとなったが、「サービス業(他に分類されないもの)」(△1)はマイナス。
2.労働者の過不足状況、雇用調整の状況
(1)労働者過不足判断 D.I.(注1)
平成27年11月1日現在、正社員等労働者は「調査産業計」で33ポイントと18期連続、パートタイム労働者は「調査産業計」で29ポイントと25期連続して、それぞれ不足超過。正社員等労働者、パートタイム労働者ともに全ての産業で不足超過。
(2) 「雇用調整を実施した」事業所の割合(平成27年7~9月期実績)は「調査産業計」で 28%。うち、「事業活動縮小によるもの」は2%。
3.平成28年新規学卒者(注2)の採用計画・採用予定の状況(今回調査の特別項目)
平成27年11月1日現在、平成28年新規学卒者の「採用計画・採用予定がある」事業所の割合は、調査産業計では、高校卒42%、高専・短大卒31%、大学卒(文科系)44%、大学卒(理科系)45%、大学院卒29%、専修学校卒24%となった。
4,事業の見直しと雇用面での対応状況(今回調査の特別項目)
事業の見直しを実施した(する予定の)事業所の割合は、調査産業計で過去1年間(平成26年11月~平成27年10月)は15%、今後1年間(平成27年11月~平成28年10月)は13%となった。見直しの方向をみると、過去1年間、今後1年間とも事業を「拡大」する方向で見直しをした割合が「縮小」を上回った。事業の見直しの方法(複数回答)別で最も多かったのは、過去1年間では「新規部門(市場)への進出」及び「製品・サービスの高付加価値化」が24%、今後1年間では「新規部門(市場)への進出」が32%。雇用面での対応方法(複数回答)別では「中途採用の実施・拡大」が過去1年間38%、今後1年間54%で最も多くなった。
(注1)「D.I.(DiffusionIndex:ディフュージョン・インデックス)」とは、変化の方向性を表す指標である。
(1)「生産・売上額等」「所定外労働時間」「雇用」の判断D.I.は、当該期(間末)を前期(間末)と比べて「増加」と回答した事業所の割合から「減少」と回答した事業所の割合を差し引いた値である。なお、これらの値には季節による変動があるため、季節調整を行っている。これらの判断D.I.がプラスであれば、前期(間末)よりも増加させた事業所が多いことを示す。
(2)「労働者過不足判断D.I.」は、調査時点において、労働者が「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた値である。この判断D.I.がプラスであれば、人手不足と感じている事業所が多いことを示す。
(注2)「平成28年新規学卒者」とは、平成28年3月卒業予定者又は概ね卒業後1年以内の者を新規学卒者とほぼ同等の条件で平成28年度に採用する者をいう。
<関連資料>
報道発表資料 [264KB]
概況全体版 [884KB]
<問い合わせ先>
大臣官房統計情報部雇用・賃金福祉統計課
課長 石原 典明
課長補佐 佐田 晴康
労働経済第一係
(代表電話) 03(5253)1111(内線7622)
(直通電話) 03(3595)3145
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 12月15日発表・報道発表より転載)