産学協創による理工系グローバルエリート育成プログラムを開始
各企業が提示したテーマに基づき、ダイバーシティの視点を生かした国際事業開発力を強化。東京農工大・イオンアグリ創造・清水建設・日立ソリューションズ
国立大学法人東京農工大学(以下、東京農工大学)は、イオンアグリ創造株式会社(以下、イオンアグリ創造)、清水建設株式会社(以下、清水建設)、株式会社日立ソリューションズ(以下、日立ソリューションズ)とともに、理工系グローバルエリートの育成プログラム「グローバル・アカデミー」を開始し、10月17日に企業3社が学生に対するレクチャーを実施しました。
産学協創による本プログラムは、思考構築と事業創出をめざすもので、約45名の学生が参加しています。当日は、企業が専門分野の社会課題のテーマを学生に提示し、その外的環境や課題、学生に期待する内容について説明しました。今後、学生は各企業の社員とともにテーマに対する意見や施策をグローバルな視点でまとめ、12月に企業に提言します。
東京農工大学は、国際社会に向けて日本の産業を牽引し、発展へと導く実践力を持つ理工系グローバルエリートの育成を目的に、「グローバル・アカデミー」を10月3日に開始しました。
イオンアグリ創造、清水建設、日立ソリューションズの3社も多様な人材や意見を経営に生かすダイバーシティ経営を推進し、グローバルな人材育成に力を入れており、本プログラムの趣旨に賛同して参画することになりました。
企業が提示した社会課題は以下の通りです。
1. イオンアグリ創造「食のグローバルG.A.P.」
安全な農産物をめざす国際的な認証であるグローバルG.A.P.を中心に、「食の安全と持続可能な生産管理」について考える。
2. 清水建設「自然共生」
自然共生社会の実現に向けた新たな「事業モデル」の構築を通じて、本来あるべき自然共生の本質について考える。
3. 日立ソリューションズ「ライフスタイルイノベーション」
科学技術とライフスタイルの関係性に着目し、新たな関係性を構築していくために必要なソリューションを考える。
学生は今後、テーマに対してチーム単位で仮説を立てて検証し、企業に提案するという事業創出のプロセスを経験していきます。各社の社員は、学生と一緒に考えたり、異業種の社員同士で意見交換したりする中で得られる新たな視点を生かし、企業での事業創出に取り組んでいきます。
東京農工大学、イオンアグリ創造、清水建設、日立ソリューションズは、本プログラムを通じて、日本の産業の将来を担うグローバルエリートの育成や、社会課題を解決する事業創出に取り組んでいきます。
■ 10/17のプログラムに参加した教員や企業、学生の声
(担当教員の声)
いよいよ事業創出に向けた思考構築のフェーズに入り、学生の顔つきが一段と引き締まってまいりました。特に、3社の企業のご担当者からの熱意あるレクチャーやアドバイスは、学生たちの大きな励みとなっているようです。担当教員としては、学生にとってはもちろんのこと、企業の方々にとってもこれまでにない活動となるよう、多様なしかけを組み入れていきたいと考えています。
(企業の声)
グローバルG.A.P.という言葉を初めて耳にする参加者がほとんどでしたが、日頃から国際情勢に関心を持っている学生ならではの鋭い視点から活発な意見交換が行われており、積極的な姿勢に感心しました。
自然との共生をテーマに新たな事業モデルを構築するという漠然とした課題に対するアイデア出しの中で、高い専門性を発揮するチームもあれば、奇抜な着想をするチームもあり、これからの展開が楽しみです。
ITに囲まれて成長してきた学生たちのディスカッションは、企業人とは異なる視点も多く見られました。これからのライフスタイルだけでなく、世界、日本の価値観をどうリードしていくのか楽しみです。
(学生の声)
今日からスタートした事業開発については、どのようにしたら多くの人が幸せになれるのかということと真剣に向き合い、学生だからこそ考えられるようなことにトライしていきたいと考えています。
信頼関係構築の重要さを学び、周りの人ときちんと向き合い信頼関係を築いていくことで、"チームとして"社会にとっての良い変化を起こせるのではないかと感じています。
■ 「グローバル・アカデミー」について
東京農工大学が、理工系グローバルエリートの育成を目的に、学生のグローバル・コミュニケーション力と国際事業開発力の向上を図るため、開始したプログラムです。その趣旨に賛同したイオンアグリ創造、清水建設、日立ソリューションズも参画し、10~12月までの計6回の授業が行われます。学生は、提示されたグローバルな社会課題に対し、各企業の社員とともに意見や施策を考え、企業に提言します。
■ 「グローバル・アカデミー」の特長
大学と企業が協力し、教育的観点と事業的観点と双方の観点から成果を創出することです。具体的には、教育的観点としては「グローバルエリートとしての思考構築」をめざし、事業的観点としては「各企業の事業創出」をめざすもので、産学連携により広く展開されているPBL*1を進化させた新たな「産学協創型教育プログラム」です。この思考構築と事業創出を同時にめざすことにより、学生自身への教育的意義が高まるだけでなく、企業内では達成し得ない斬新なアイデアの創出にもつながることが期待されます。
*1 Project-Based Learning:自らが設定した課題、または与えられた課題を解決していく過程でさまざまな能力を育成する学習。
■ 「グローバル・アカデミー」のスケジュール(太字は、企業が参加する日程)
英語によるロールプレイングやケーススタディ
10/ 3(土) 9:00~12:30 コミュニケーションの基本と実践
10/10(土) 9:00~12:30 コミュニケーションの活用
企業によるレクチャー 「新規事業開発」企業によるレクチャー「新規事業開発」
10/17(土) 9:00~17:00 思考構築、ブレインストーミング
10/31(土) 9:00~17:00/11/ 7(土) 9:00~15:00
コンセプトメイキング 多角的思考によるアイデアの質の向上
成果発表会
12/12(土) 9:00~10:30
なお、発表会後に審査会で選抜された学生は、2016年2月に約1週間、米国スタンフォード大学の独立研究所であるSRIインターナショナルのイノベーションプログラム研修を受講します。
また、2016年3月24日(木)に府中の森芸術劇場(東京都府中市)にて、本プログラムの最終報告会およびパネルディスカッションを開催します。当日は、第一部に「グローバル・アカデミー」に関する活動の最終報告会を、第二部に「理工系グローバルエリートの育成」をテーマにしたパネルディスカッションを予定しています。
パネルディスカッションでは、将来の理工系グローバルエリート候補、東京農工大学教員、3社の経営幹部に加え、ジャーナリストの池上彰氏をお迎えし、今後、日本のプレゼンスを高め得る理工系グローバルエリートをどのように育成していくべきかを議論する予定です。
■ 大学および企業概要
1. 国立大学法人東京農工大学(所在地:東京都府中市、学長:松永 是)
最先端の研究をグローバルに展開すると同時に新国際競争力を身に付けた世界をリードする研究者を育成し、地球と人類の豊かな未来を創る革新的・先端的研究大学として進化し続けてまいります。
2. イオンアグリ創造株式会社(本社:千葉県千葉市、代表者:福永 庸明)
都市近郊型農業や、効率的な大規模農業のビジネスモデル確立をめざし、自社農場を運営しています。青果物の生産、加工、卸売、小売を行っています。
3. 清水建設株式会社(本社:東京都中央区、取締役社長:宮本 洋一)
中期経営方針でサステナビリティ分野での事業創出を掲げ、その一環として、地球温暖化対策や農林分野などでの事業化を推進しています。
4. 株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:佐久間 嘉一郎)
ITを活用した豊富な先進ソリューションを全体最適の視点で組み合わせ、ワンストップで提供する「ハイブリッド インテグレーション」を実現し、お客様と地球社会の発展に貢献していきます。
<報道機関からのお問い合わせ先>
担当部署:経営企画本部 広報・宣伝部
担当:竹谷、安藤
TEL:03-5479-5013 E-mail:koho@hitachi-solutions.com
◆ 本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社日立ソリューションズ http://www.hitachi-solutions.co.jp/ /10月20日発表・同社プレスリリースより転載)