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【ヨミ】アジリティ アジリティ

「アジリティ」(Agility)とは、もともと機敏さ、素早さ、敏しょう性といった意味ですが、ビジネス用語としては、目まぐるしい環境変化に即応するために欠かせない、経営や組織運営のあり方における機敏性を表します。意思決定のスピードや効率、チーム編成や役割分担のフレキシビリティなどを含めた概念で、不確実性が高く、不透明な時代を、組織と個人が生き抜くためのキーワードとして注目を集めています。
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アジリティのケーススタディ

スピードだけでは不確実な時代を勝ち抜けない
求められるのは「的確な判断×行動の素早さ」

「アジリティ」という言葉に接する機会が増えたのは、じつは、ビジネスの分野だけではありません。最近はスポーツ、とくにサッカーやバスケットボールなどの人気競技でよく使われるので、聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

スポーツには、“速さ”というものを3種類に分けて考える「SAQ」と呼ばれる概念があります。「S」は純粋なスピード(speed)のことで、短距離走におけるトップスピードの速さがこれに当たります。「Q」はクイックネス(quickness)。完全に止まった状態からの反応の速さと3歩目ぐらいまでの瞬発的な速さのことです。そして、「A」がアジリティで、いわゆる敏捷性や機敏性、急な減速や方向転換を伴う加速を正確に行える能力を言います。平たくいうと、「すばしっこさ」がしっくりくる表現かもしれません。あくまでスポーツにおける定義ですが、企業経営や組織の「アジリティ」をイメージする上で、この考え方は参考になります。

「ビジネスはスピードが命」と言われて久しくなりましたが、いま、組織や個人にとって本当に求められる速さとはどのようなものなのでしょうか。経営コンサルタントで、ローランド・ベルガー日本法人会長の遠藤功さんは、「必要なのは俊敏性ではなく、敏しょう性」だと述べています。俊敏性とは、先述のクイックネス。Aという場所からBという場所への移動が速いということで、Bへ進むことが決まっていて、そこを目指すときの速さです。一方の敏しょう性は、Aからどこへ行くか決まっていない、B、C、Dなどの複数の選択肢がある中でどこへ進むべきかを自分で判断しなくてはならない、という状況での速さをいいます。すなわち「アジリティ」です。敏しょう性=アジリティは「判断の的確性×行動の速さ」であり、行動の速さだけを意味する俊敏性=クイックネスとは大きく異なる、と述べています(「THE21」2016年2月号より)。

ただやみくもに動き回るのではなく、組織や個人として、アジリティという的確な判断を伴った行動の速さを実践するためには、判断や行動の軸となるミッションが明確でなければなりません。ミッションを達成するためにいま、何をすべきかと、現場の一人ひとりがたえず考え、刻々と変化する環境に適応しながら判断し、実行することが、「アジリティ」の高い組織を実現するためのキーポイントといえるでしょう。

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