企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】アジリティ アジリティ

「アジリティ」(Agility)とは、もともと機敏さ、素早さ、敏しょう性といった意味ですが、ビジネス用語としては、目まぐるしい環境変化に即応するために欠かせない、経営や組織運営のあり方における機敏性を表します。意思決定のスピードや効率、チーム編成や役割分担のフレキシビリティなどを含めた概念で、不確実性が高く、不透明な時代を、組織と個人が生き抜くためのキーワードとして注目を集めています。
(2017/8/28掲載)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アジリティのケーススタディ

スピードだけでは不確実な時代を勝ち抜けない
求められるのは「的確な判断×行動の素早さ」

「アジリティ」という言葉に接する機会が増えたのは、じつは、ビジネスの分野だけではありません。最近はスポーツ、とくにサッカーやバスケットボールなどの人気競技でよく使われるので、聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

スポーツには、“速さ”というものを3種類に分けて考える「SAQ」と呼ばれる概念があります。「S」は純粋なスピード(speed)のことで、短距離走におけるトップスピードの速さがこれに当たります。「Q」はクイックネス(quickness)。完全に止まった状態からの反応の速さと3歩目ぐらいまでの瞬発的な速さのことです。そして、「A」がアジリティで、いわゆる敏捷性や機敏性、急な減速や方向転換を伴う加速を正確に行える能力を言います。平たくいうと、「すばしっこさ」がしっくりくる表現かもしれません。あくまでスポーツにおける定義ですが、企業経営や組織の「アジリティ」をイメージする上で、この考え方は参考になります。

「ビジネスはスピードが命」と言われて久しくなりましたが、いま、組織や個人にとって本当に求められる速さとはどのようなものなのでしょうか。経営コンサルタントで、ローランド・ベルガー日本法人会長の遠藤功さんは、「必要なのは俊敏性ではなく、敏しょう性」だと述べています。俊敏性とは、先述のクイックネス。Aという場所からBという場所への移動が速いということで、Bへ進むことが決まっていて、そこを目指すときの速さです。一方の敏しょう性は、Aからどこへ行くか決まっていない、B、C、Dなどの複数の選択肢がある中でどこへ進むべきかを自分で判断しなくてはならない、という状況での速さをいいます。すなわち「アジリティ」です。敏しょう性=アジリティは「判断の的確性×行動の速さ」であり、行動の速さだけを意味する俊敏性=クイックネスとは大きく異なる、と述べています(「THE21」2016年2月号より)。

ただやみくもに動き回るのではなく、組織や個人として、アジリティという的確な判断を伴った行動の速さを実践するためには、判断や行動の軸となるミッションが明確でなければなりません。ミッションを達成するためにいま、何をすべきかと、現場の一人ひとりがたえず考え、刻々と変化する環境に適応しながら判断し、実行することが、「アジリティ」の高い組織を実現するためのキーポイントといえるでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

組織市民行動
「組織市民行動」とは、企業や団体の従業員が自分の職務の範囲外の仕事をする「役割外行動」の一種で、英語ではOCB(Organizational Citizenship Behavior)と呼ばれます。 この概念を提唱した米・インディアナ大学のデニス・オーガン教授らによると、組織市民行動は「従業員の行動...
組織社会化
組織研究において、新しく組織に加わったメンバーが、組織の目標を達成するために求められる役割や知識、規範、価値観などを獲得して、組織に適応していくプロセスのことを「組織社会化」といいます。個人が組織に参入するときは、必ずこの組織社会化の過程を通過しなければならないと考えられています。 (2012/5...
サッカー型組織
「サッカー型組織」とは、社員一人ひとりが経営方針に従い、状況変化に応じて主体的に判断・行動する自立・自律化の進んだ組織のあり方を、サッカーのチームマネジメントの特性になぞらえて表現した言葉です。これに対し、監督が逐一指示を出して選手を動かす、野球チームのような管理統制型の組織を「野球型組織」と呼び...

関連する記事

中村和彦さん: 組織に関する問題を「人」「関係性」に働きかけることで解決 いま日本企業に必要な“組織開発”の理論と手法とは(後編)
組織開発をどのように進めていけばいいのか、また、その際に人事部はどう関わっていけばいいのかなどについて、組織開発の実践に取り組んでいる研究者の南山大学教授の中村和彦さんに具体的な話をうかがっていきます。
2015/09/11掲載キーパーソンが語る“人と組織”
人事マネジメント「解体新書」第38回 学習する組織“ラーニング・オーガニゼーション”を実現する方法(前編) ~自ら学ぶ風土を作り、持続的成長を実現していくために
企業を取り巻く経営環境の急激な変化は、ビジネスサイクルを短縮化し、知識・技術の更新スピードを速めるなど、組織に対して絶え間ない「変革」を求めている。この変革を実現するには、組織として継続的に学習を続け、改善を繰り返していくことが必要だ。これが近年、「学習する組...
2010/06/28掲載人事マネジメント解体新書
柳本直行さん 企業が勝ち残るための「経営品質」
業が長く存続し、発展していくためにはさまざまな要素が必要ですが、そのひとつに「経営品質」という考え方があります。社会経済生産性本部・経営品質推進部部長の柳本直行さんは「企業が勝ち残っていくために追求し続けなければならないもの」だといいます。ビジネス環境が大きく...
2007/03/12掲載キーパーソンが語る“人と組織”

関連するキーワード

分類:[ 経営戦略 ]
分類:[ 人事トレンド ]
注目のHR Technology特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

インディードの採用ノウハウを無料公開 学びを可視化する ビジログ
<アンケートのお願い>人事コンサルティングに関する活用実態調査

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


注目のHR Technology特集

【採用・退職率予測・エンゲージメント推進】
人事・経営者として知っておきたいHR Technologyサービス、セミナー、資料をピックアップ!


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


グローバル時代を勝ち抜くために必要な“人材育成とマネジメント”

グローバル時代を勝ち抜くために必要な“人材育成とマネジメント”

日本企業はグローバル化を進めるにあたり、長年解決できない課題を持ち続け...


ビジネス界の重鎮が提言!<br />
 語学力偏重にモノ申す~日本人のグローバルリーダーはまず日本語から育てよ~

ビジネス界の重鎮が提言!
語学力偏重にモノ申す~日本人のグローバルリーダーはまず日本語から育てよ~

日本のビジネスパーソンが海外で活躍するためには、何が必要なのでしょうか...