ATS
ATSとは?
「ATS」とは、Applicant Tracking Systemの略で、日本語では「採用管理システム」「採用支援システム」と訳されます。応募者受付から採用決定までにかかる人事担当者の業務を一つのシステム上で一元管理し、適時・適切な採用活動を進めるための機能を実装したシステムの総称です。応募者データの管理・集計やデータ分析、募集職種ごとの応募進捗管理、メールの自動送信など、多彩な機能を備えた「ATS」を提供するサービスが近年、急速に増えてきました。「ATS」の導入で採用活動の効率化・自動化が進めば、コストの削減につながり、応募者の見極めにより多くの時間を割くこともできます。
内定率90%越え、優秀な人材確保は早い者勝ち
アナログな採用活動をより効果的かつ効率的に
厚生労働、文部科学両省の発表によると、今年3月卒業予定の大学生の2月1日時点の就職内定率は前年比2.8ポイント上昇の90.6%で、同時期としては2000年3月卒を対象とした調査開始以降、最高を記録しました。
これで、内定率の上昇は6年連続。企業の採用意欲が依然として高いことがわかりますが、優秀な人材の確保に関しては「早い者勝ち」の側面もあります。応募の受付から内定までに時間がかかるほど、応募者の辞退が増えるため、採用にはスピードが欠かせません。
そもそも採用業務においては、応募者の履歴書の管理から選考状況の管理、絞り込み、評価データの管理、応募者とのやり取りや通知まで、管理すべき項目が多岐にわたります。企業規模が大きくなれば、募集する職種・人員も多くなり、必要な事務処理や連絡作業が加速度的に増加、複雑化していくことに。にもかかわらず、多くの企業では採用に関する情報をいまだに手作業やエクセルデータなどで管理しているため、処理に手間取り、選考の遅れや対応ミスなどから、有望な候補者を取り逃がしてしまうことも少なくありません。アナログによる採用管理では、効率が悪いだけでなく、採用結果を分析して、次に活かすことも難しいでしょう。
そこで注目を集めているのが「ATS」(Applicant Tracking System)――採用管理システムです。急激なビジネス環境の変化にともない、これまで以上に高度なマーケティングとスピードが求められる採用活動において、業務工数を大幅に削減し、適時・適切な採用活動を実現する「ATS」の導入・利用は、十分検討に値します。新規採用やキャリア採用、あるいはアルバイト採用など採用ターゲットに特化したサービスから、ターゲットを区分しないものまで、国内・外を問わず、多数のサービスが提供されています。導入を検討する際には、自社の採用活動の課題を踏まえた上で、自社の業務フローとの親和性を重視して選ぶのがポイントといえるでしょう。
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