企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】オープンイノベーション オープンイノベーション

「オープンイノベーション」とは、2000年代初頭に米ハーバード・ビジネススクールのヘンリー・チェスブロウ博士によって提唱された新概念。企業が社内資源のみに頼らず、他社や大学、公的研究機関、社会起業家など、広く社外から技術やアイデアを集めて組み合わせ、革新的なビジネスモデルや製品・サービスの創出へとつなげるイノベーションの方法論のことです。競争環境が激しさを増す中、世界中に広がるリソースを積極的に活用して革新を促す「オープンイノベーション」は、企業にとって必須の戦略となっています。
(2016/12/12掲載)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

オープンイノベーションのケーススタディ

“自前主義”のイノベーションではもう勝てない
組織の枠を超えて知恵を集める手法はVBが頼り

組織や業種の枠を超えて知恵を持ちより、一社ではできない技術革新を実現する「オープンイノベーション」の取り組みが、大手企業を中心に広がっています。日本の製造業はこれまで、自社や自社グループの中だけで研究者を囲い込み、研究開発から製品化、市場開拓までを自前で行う手法が主流でした。オープンイノベーションとは逆の、クローズドイノベーションと呼ばれるビジネスモデルです。例えばソニーのウォークマンやトヨタ自動車のプリウスといった画期的な製品もそうです。日本のモノづくりは、クローズドイノベーションによる技術革新で世界をリードしてきたのです。

しかし、市場の変化が激しさを増し、消費者ニーズの多様化・複雑化が進む中、大学や他社の技術のライセンスを受けたり、外部に広くアイデアを募ったりしないと、イノベーションが促進されず、競争から取り残されてしまうリスクが高まってきました。今年7月、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が初めてまとめた『オープンイノベーション白書』は、「自社のリソースのみで新たな顧客の価値を生み出すイノベーションを起こすことはもはや不可能」と断言しています。

染みついた“自前主義”からの脱却は容易ではありませんが、それでも同白書によると、大企業のうち約45%が、10年前と比べて外部との連携を活発化させていることがわかりました。また、日本経済新聞社が今年6月にまとめた「社長100人アンケート」では、ベンチャー企業(VB)投資に関して「積極的に投資をしたい」「どちらかというと投資をしたい」と前向きな回答を寄せた経営者が44.6%に達しています。これも「オープンイノベーション」への期待の表れと考えられ、先端技術の多様化やIoTの活用といった課題に対し、技術や人材など社内のリソースだけで対応することが難しくなってきている実情がうかがえます。

もっとも、「オープンイノベーション」に“独り勝ち”はありません。社外との連携が深まるほど、多くの貴重な知恵や情報、人材が集まってくる一方、社内からそれらが流出していくリスクも増えていきます。独自技術の漏えいにつながるため、情報公開に対して根強い抵抗がある企業も少なくないのです。成果の分配をめぐってトラブルになることも。そうした問題を防ぐために、仲介業者として企業間のコンソーシアムや産学連携をコーディネートし、オープンイノベーションを円滑化する企業も出てきています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

イノベーション
語源は英語で「変革する」「刷新する」という意味の動詞innovateの名詞形innovation。経済活動において既存のモデルから飛躍し、新規モデルへと移行することを意味します。日本語ではよく「技術革新」の同義語として使われますが、本来は新しい技術を開発するだけでなく、従来のモノ、しくみ、組織など...
リバース・イノベーション
「リバース・イノベーション」とは、途上国で最初に創出・採用されたイノベーションであり、それを先進国・富裕国へと移転・展開するという、従来のパターンとは逆の流れでイノベーションのグローバル化を図る戦略コンセプトのことです。米ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネスのビジャイ・ゴビンダラジャン教授...
アクイ・ハイヤー
「アクイ・ハイヤー」(acqui-hire)とは、英語の買収(acquisition)と雇用(hire)を掛け合わせた造語で、買収による人材獲得という意味です。大企業が、優秀なエンジニアや開発チームを獲得するために、そうした人材が所属する零細ベンチャー企業をまるごと買収する手法を指します。2000年...

関連する記事

人材採用“ウラ”“オモテ”  イノベーションと人材紹介~簡単ではない「イノベーション人材」の紹介~
「新規事業の企画に関わってみたい」と考え、転職を考える人は多い。その多くが、現在は営業や生産などの部門で働く、企画職未経験者だ。しかし、見極めの難しい「イノベーション人材」の採用では、未経験者を受け入れる企業は少なくて――。
2018/04/02掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
丸紅株式会社: 10年後を見据え、既存の枠組みを超える 丸紅が取り組む「人材」×「仕掛け」×「時間」の施策
2018年、「既存の枠組みを超える」をスローガンに、全社をあげてイノベーションを生むための施策をスタートさせた、丸紅株式会社。日本の人事部「HRアワード2018」で優秀賞を受賞したその取り組みを、人事部 部長の鹿島浩二さんにうかがいました。
2019/02/18掲載となりの人事部
牧野正幸さん(株式会社ワークスアプリケーションズ代表取締役最高経営責任者): ITは人と組織を支えるツールにすぎない――だからこそ、日本には日本のERPパッケージを
ワークスアプリケーションズ代表取締役CEOの牧野正幸さんに、ITはHRMに対して何ができるのか。創業に至った経緯と背景をはじめ、事業の意義や独自性、イノベーターとしての心構えなど、おおいに語っていただきました。
2013/02/18掲載HR業界TOPインタビュー

関連するキーワード

次世代リーダー育成特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

3,650社が活用!業界唯一の統合型eラーニング 研修費ゼロの人材育成

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


次世代リーダー育成特集

さまざまな取り組み方がある「リーダーシップ育成」について手法や外部ソリューションをご紹介します。
コンテンツトップバナー


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


短期留学で新たな価値観や習慣と触れる<br />
~“変革的”リーダー育成術

短期留学で新たな価値観や習慣と触れる
~“変革的”リーダー育成術

グローバル化に伴う競争激化、さらにはリーマンショック後の世界同時不況な...