えるぼし
えるぼしとは?
「えるぼし」とは、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定制度および、その認定マークの愛称です。2016年4月1日に全面施行された女性活躍推進法では、行動計画を策定し届出を行った企業のうち、一定の基準を満たし、女性活躍推進に関する状況などが優良な企業について、都道府県労働局への申請により、厚生労働大臣がこれを認定する制度を設けています。認定を受けた企業は、認定マークの「えるぼし」を自社の商品や広告、名刺、求人票などに使用することが認められ、女性の活躍を推進している事業主であると、社内外に広くアピールすることができます。
女性活躍推進の優良企業をマークで認定
女性と縁遠い業界にも“三つ星”が誕生
「なでしこ銘柄」「くるみん」「女性が輝く先進企業」など、近年、女性活躍推進にかかわる表彰・認定制度の創設が相次いでいます。「えるぼし」もその一つ。今年4月にスタートした女性活躍推進法に基づく認定制度で、行動計画の策定および策定した旨の届出を行った企業のうち、女性活躍推進の状況が優良な企業は厚生労働大臣の認定が受けられるというものです。
女性活躍推進の実績を評価する基準は、女性の採用、継続就業、労働時間などの働き方、管理職比率、多様なキャリアコース。認定は、これらの評価基準を満たす項目数に応じて3段階に分かれ、「えるぼし」マークの星の数で“一つ星”から“三つ星”まで表示されます。認定を受けると、企業はこのマークを商品や広告、求人に使用し、学生や消費者、取引先、投資家などさまざまなステークホルダーに、女性が活躍している企業であることをアピールできるほか、公共調達における加点評価や日本政策金融公庫による低利融資の対象となる優遇措置が受けられます。同省は「えるぼし」企業として、今年4月末までに次の46社(三つ星と二つ星あわせて)を認定したと発表しました。
【三つ星】
北洋銀行、荘内銀行、曙ブレーキ工業、川口信用金庫、埼玉縣信用金庫、埼玉りそな銀行、三州製菓、武蔵野銀行、イオンモール、千葉銀行、千葉興業銀行、イオン銀行、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ、カルビー、協和エクシオ、清水建設、スリープロ、ソニー、中央エンジニアリング、東京海上日動キャリアサービス、日本電気、日立ソリューションズ、ヒューリック、フォーカスシステムズ、富士通、古河電気工業、ベネッセコーポレーション、リコー、小林化工、福井県民生活協同組合、十六銀行、たんぽぽ薬局、静岡銀行、社会福祉法人聖隷福祉事業団、京都銀行、ニッセン、社会福祉法人正和会、ストライプインターナショナル
【二つ星】
青森銀行、常陽銀行、イオンファンタジー、京葉銀行、前田建設工業、三菱マテリアル、キャン、キャンストアオペレーション
「えるぼし」企業の顔ぶれを見ると、スーパーゼネコンの清水建設をはじめ、自動車部品メーカーの曙ブレーキ工業や不動産業のヒューリックなど、伝統的に女性とは縁遠いイメージの業界からも“三つ星”に認定されており、女性活躍の場が着実に広がっている実態がうかがえます。また、常時雇用する従業員が300人以下の企業については、行動計画の策定および届出は努力義務であり、義務ではありませんが、にもかかわらず三州製菓など3社が申請し、認定を受けています。採用面での優位性など、社内外に向けたPR効果に期待する、中小企業ならではの戦略もあるようです。
ただし、新しい制度だけに認知度はまだ低く、冒頭に挙げた他制度と混同され、「年に一度しか申請できないのでは?」といった声も聞かれます。「えるぼし」は、申請して基準を満たしていれば、都度認定を受けられる制度です。
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